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生まれ持った「運の良さ」に翻弄されて

「良くも悪くも運が良くて人がしないような経験ばっかしています」って思っています。

通っていた整体で言われたんです。「色んなお客さんと話すけど、生まれつき運が良い人っているんですよ」って話を一昨年の年末くらいにしたのかな…。たしかに、私は生まれつき運が良い人と呼ばれても仕方がない。

中学2年生のときに、中学3年生対象のオーストラリアへの海外派遣へ枠が余ったからと私たち2年生に回ってきたから希望したらくじ引きで当てたし、誕生日にあったB'zのLIVEで直筆サイン色紙を当てるし、その翌年にはLIVEで最前列を当てました。その他にも、和田康士朗選手の直筆サイン入りユニフォームや2005年の下剋上に貢献した選手の直筆サイン色紙を当てたり、miniBIGで1等の100万円を当てました。

でも、きっとそれと引き換えに「お金の心配をさせないだけで」家庭環境には恵まれなかった気がします。ついでにいうと、重度ではないにしても難病指定されている病気だし、なんならいまがんで入院しているし、皮弁の壊死率が数%なのにそこに該当して入院が長引いて再発して手術して…、何もしない場合は持っても1年って言われちゃうし。
今だから言えるけど、祖父が地方議員をやっていて任期中に飲酒運転で2回捕まってるし(もちろん物損で済んでいるので辞職勧告されても簡単には辞めない)、帝王切開で出産って決まったのに台風直撃してトタン屋根が飛んでいる中を危機を感じながら病院へ向かっていた。今は笑い話で済むけど、当時は「死ぬのかな」と思ってた。

中学3年生のとき、5月末って体調を崩しやすくて早退が多かったときに担任に言われたことがある。「家族なんだから病院に連れて行って当たり前でしょ?なんでいかなかったの?」って。その先生は、私の祖父が議員やってたことも飲酒運転で逮捕されたことも全部知らないから、そう言われても仕方ないって思ってる。でもさ、「オリンピックに出たことある」って生徒に自慢しているような人でも、そんな事言うんだって幻滅したのを覚えている。「家族なんだから当たり前」なんて、どの生徒にも当てはまらないと思うんだよね。当時はそんな気力もなく言わなかったけど、今なら言いたい放題言える。殴ってもいいなら、殴りたい。

不登校になったときには、母は父の前で私が着ているものをすべてハサミで切り刻んで裸にしたり、寝ているときに布団を剥いだり、こたつに入っていても全部剥いだり、小さい頃からの人格否定は当たり前だったし、日記を見るのもメール内容の監視も友達付き合いの監視も当たり前でした。5つ下の弟には、そんなことしてなかったけどね。

「人がしないような経験ばっかりして、苦労しなさい」というのが私の人生の学びとするならば、私はこれ以上なにを苦労すればいいのでしょう。私は、生まれ持った「運の良さ」に翻弄されて生きていくのが使命なのだろうか。考えても答えは出ないのかもな。

ただ、わかったことがある。人はないものをねだりながら生きていくのでしょう。それが、私は「普通の生き方」だっただけ。「普通の生き方」ってなんやってなるけど、少なからず「がんになったこと」「レックリングハウゼン病」以外のことかな。

「隣の芝生は青い」なんてよく言うけれど、事実なんだろう。自分の手元にある大切なものだってあるのに、「あれが羨ましい」「これが羨ましい」って思うのが人間って生き物だと思う。

実際、私は弟が羨ましいとおもってる。そう思う点はレックリングハウゼン病じゃないことと母から人格否定されてないことくらいだけど、ホントに羨ましい。でも、いま自分の手元にある大切なもの(もちろん母や弟といった家族ではない)があるし、性格とか含めても「これが私の生き方」だから、そう受け入れている。

ただ、自分にできることはこうやって経験したことを文章にして生きた記録としてインターネット上に残しておいて、どこかで苦しんでいる人がなにかの答えになるように願いながら書き続けることなのかもな。たぶん、私には労働でお金を稼ぐよりもお金さんに働いてもらってお金を増やすことが向いてる(投資)気がしている。あとは、また勉強を頑張って大学院に進学して臨床心理士と公認心理師を取得するくらいなのかな。

生まれ持った「運の良さ」と引き換えに人がしないような経験ばっかしているからこそ、人に優しくできるのかもしれない。欲しいものもすんなりと手に入ったのかもしれない。周りから見たら羨ましい人生なんだろうと思う。でも、誰かが羨ましいと思う人生でも実際はそんなことないんだよってことを知ってて欲しい。その笑顔の裏側には、きっと隠された人には言いにくい過去だってあると思う。

だから、私は今日ここに書く。生まれ持った「運の良さ」に翻弄されているからこそ、あえて書く。

「当たり前は当たり前なんかじゃない。目の前にいる人の影のある部分を分かったうえで言ってますか」と。


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