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見えなくてもトイレ探し

待ち合わせの駅に早く着いたのでトイレに行こうと思い駅員さんに場所を聞いた。
トイレは有人改札のすぐ隣にあったようで、待たされることもなく駅員さんがすぐに
誘導してくれた。ありがたし!!

トイレを出て待ち合わせの場所に戻るとまもなく機械音のアナウンスが流れ始めた「
女性トイレは右男性トイレは左、だれでもトイレは・・」

初めから流してくれていたら私は駅員さんを煩わせることなく自力でトイレにたどり
着けたのに。


そこの駅は小さい駅だけれどよく使うので初めからアナウンスを流してくれていたら
トイレを使わないときも「あ、ここにトイレがあるんだな」と認識できて安心できた
。見える人は日常的に目で見て確認しているだろうけれど、見えないとそういうわけ
にはいかない。


点字図書館がある地下鉄の駅もよく利用するので前に時間があるとき近くにいた親切
な人に誘導をお願いしてトイレの場所を確認しておいた事がある。

そんなわけでそこの駅のトイレの場所は把握していた。だから予定より早く到着した
時にトイレに行こうと思い前に教えてもらった場所に探りながら行ってみた。そした
らなんと、音声アナウンスが流れていた。前回は流れていなかったぞ!!


見えないと駅でトイレを探すのはとても難しい。だから利用しないときでもここにト
イレがあると確認できるのは大変ありがたい。だから最近多くの駅で「トイレはここ
です」のアナウンスを流してくれていることにとても感謝していた。

しかしこのところ、前にはアナウンスが流れていた場所からも聞こえてこなくなった
事が増えているような気がする。
きっとどこかのだれかにうるさいとクレームをつけられて駅の人がスイッチを切って
しまったのだろう。

前述の駅の駅員さんも、まさか本当に盲人からトイレの場所を聞かれる日が雇用とは
ゆめゆめ思っていなかったのではないだろうか。
見えない人が一人で出歩くなんて思っていない人もいるのかな。


トイレの問題は障害の有無にかかわらず深刻な問題。最近は多機能トイレなど車いす
でも使えるところが増えている。しかし視覚障碍者に向けてのアナウンス同様必要と
する人数が少ないと思っているのだろうか、中で着替えたりひどいのになると破廉恥
な行為に及んでいたりする人もいるとか。
弱視の友人はオストメイトのところで髪を洗っている人がいた時にはびっくりしたと
言っていた。
「そこ、人工肛門の人のトイレですよ」と親切に教えてあげたら焦っていたとか。
無知は恐ろしい!!


駅のエレベーターも階段やエスカレーターを利用できない人が優先なのになぜか健常
者がたくさん乗っている。私のようなボタンを探すのが面倒だからと階段を使う変な
盲人もいる一方、見えない人の中には杖を使っても段差が怖くて階段の上り下りもエ
スカレーターに乗るタイミングもわからない人がいる。

そしたら先日会社の最寄り駅や新宿の地下鉄で「エレベーターは階段やエスカレータ
ーが使えない人優先てス」というアナウンスが流れていた。
トイレのアナウンスにしろエレベーターの件にしろ一般に周知されていないのだろう
か。


そんな中でも一人で道を歩いていると必ず声をかけてくれる人がいるし、電車の席も
譲ってくれる人がいる。
新宿駅の大江戸線からJRの乗り換えを覚えようと思っているのにいつも必ず誰かが助
けてくれるので全然覚えられない(笑)

コロナのころあたりからだろうか、声をかけてくれる人が増えて本当にありがたい。
駅のトイレにも何度も誘導してもらった。

捨てる神あれば拾う神在と亡くなった父が言っていたそうだが、人々の意識が二極化
しているのだろうか。

車椅子やベビーカーを押しのけてエレベーターに乗る人もいれば、うごうごしている
私をエスカレーターの列に入れてくれる人もいる。

ラッキーなことに私は今までほとんど直接嫌な目に遭ったことはない。
でも忘れてほしくないのは、数はそんなにいないかもしれないけれど、多機能トイレ
もトイレアナウンスも必要としている人が確実にいるという事。

見えない人たちも時間があるときは用がなくても積極的に駅で駅員さんにトイレの場
所を聞くようにしよう。そしてアナウンスを必要としている人がリアルに存在するこ
とをアピールしよう。


ちなみにおしゃれスポットであるはずの原宿のトイレは今でも必ずアナウンスが流れ
ている。代々木公園に練習に来るブラインドランナーが一定数以上いるから音声アナ
ウンスの必要性に説得力があるからだろう。


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