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日本人なんだなぁ。私。今更だけど思うこと。

30歳の私は、中学生でも英語が苦手だったくせに…。ギターと少しの服を持ってニュージーランドへ旅立ちました。ワーキングホリデーで約1年。さまざまな出会いがありました。

カッコ良く言えば「自分探しの旅」
結婚もできない、付き合っている彼氏とは上手くいかない、将来に希望が持てない…そんな現実から逃げたかっただけなんだけれど。

日本人ブランドって知ってる?

私が日本人と知ると周りの態度が変わる…という体験をいくつかしました。英語レベルが最悪だった私は、日本人がいるような語学学校へは、通う事ができず…気づけば韓国人と中国人の友達が周りにいる状況でした。

彼らと行動を共にすると…時々アジア差別されることもありましたが、私が日本人だとわかると急に態度が変わる人もいました。
ニュージーランドには、親日家が多いのも理由なのかもしれません。

ワイナリーで働いていた時も、他の人たちが解雇されても「日本人だから」と私だけ仕事をくれるオーナーもいました。

日本人は礼儀正しく、真面目で、嘘をつかない。という日本人ブランドがあることも知りました。私を助けてくれる韓国人にも「羨ましい」とよく言われていた記憶があります。

マオリ族との出会い…言葉がなくても。

日本でも「オールブラック」が一躍有名になり、マオリ族のハカを知っている人も増えました。

私が彼らに出会ったのは、ワーキングホリデーも終盤になった頃です。ワイナリーには、力仕事しか残っていない時期。女は、私一人。

小柄な私を助けてくれたのがマオリ族の人たちです。彼らは、身体が大きくて力があるので、ワイナリーでも多くの人が働いていました。

顔や腕に入れ墨があるので…初対面の時は怖かったんですが、笑うと可愛い一面もあるので、すぐに打ち解け合いました。本場のハカを見せてくれたり、マオリの挨拶(鼻をこすり合わせる)も教えてもらいました。

仕事終わりのある日、彼らのパーティに連れて行ってもらうことがありました。パーティといっても庭の中央にBBQがあるものの、各々が自由にくつろいでいるだけです。

ひとりでいると、奥から高齢の女性が出てきて…ニッコリと微笑ました。ペコっと頭を下げると、「おお」と驚いています。近くにいた若い女性が私が日本人だと説明するとマジマジと私を見て、いきなりハグをしました。

それから、鼻をこすり合わせおでこにキスをしてくれました。言葉はわかりませんが、私の全てを受け入れてくれた気がして。「そのままで大丈夫」という感情が伝わってきた気がして。不思議でした。

「普通」が正しい?日本人特有の同調主義

帰国後、すぐに私はママになりました。

日本の人は、温かいと海外の方の評判がありますが…それは、日本人特有の建前かもしれないと思う事があります。日本人特有の感覚。

結婚もしないで、子供を産もうとしている私に周りの友達は、どんどん離れていきました。「普通」じゃないからと。「男に責任取ってもらわなきゃだめだよ」という友人もいました。

同調主義。「あなたもそう思うでしょ?」ってやつです。
ママになって、これは結構多いので…「ああ、まただ」とウンザリすることもあります。

私は、最初から「普通」じゃないことを選択(周りから見たら)しているので、今更「同調主義」できないんです。なので、気付くと…一人ってことが多いですが、その方が楽だったりします。

昔の私だったら「普通」に一生懸命、合わせようとしていたかもしれません。でも。ニュージーランドで「ありのままで大丈夫」を学んだので。

軽度発達障がい児の娘は宝物

もし「普通」に縛られていたら…私は娘をどんな風に育てたんだろう。

いつも娘のする事を否定しながら「普通じゃない」と自分を責めていたんだろうか?

「ありのままを受け入れる」言葉にすれば、簡単だけど。受け入れるまでには時間がかかりました。他の子と比べたり…できなことばかりが目についてしまったり。

それでも娘は、私を「大好き」と言って私をありのまま受け入れ続けてくれます。だから、私も少しずつ…少しずつ「普通」という呪縛から解き放たれて行きました。

今、マオリ族のあの出会いをふと思い出して。
あのオーラーを思い出して。
娘が私の元に来てくれたことにも意味があるじゃないか?と勝手に感謝しています。



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