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NTL『ストレイト・ライン・クレイジー』とNY都市論たち

NTLの『ストレイト・ライン・クレイジー』を見てきた。……NTLさーーん! サムネの画像がロミジュリになっちゃってるよーーー!↓

youtube貼っておきます。

私はこの作品の脚本家、デヴィット・ヘアの『スカイライト』がなにより好きなのである。

というわけで今回も楽しみにしていった。『スカイライト』ほど好み! というわけではなかったけれど、やっぱり面白かった。まず題材がいい。主人公がロバート・モーゼス、20世紀のNY都市を創った、通称「ニューヨークのマスタービルダー(創造主)」。彼は政治家でもなければ建築士でもなく、ただひとりのプロジェクト遂行者としてNYという世界的都市のインフラを整えていった人物だ。戦前から活動し、NYに大きな道路を通した。その道路はNY屈指のビーチに繋がるものだった。パークウェイ、ロングアイランドのジョーンズビーチ、国連本部、リンカーンセンター。彼の仕事は今のNY都市を形作る。

しかし戦後、時代は変化する。都市評論家のジェイン・ジェイコブズの運動をはじめとして、モーゼスの強権的な都市計画に対してNY市民たちの反対運動が起こる。「渋滞をなくすためには、マンハッタン横断自動車道が必要だ」と言うモーゼスと、「これ以上NYを壊させない」と言うジェイコブズたたち。彼らの対立は、NYをどこへ向かうのか。

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