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一口エッセイ:一人でメンズコンカフェへ挑戦してみよう!


 『ゴティックメード』を観に行きました。
 圧倒的な映像美で、キャラクターデザイン・メカデザインどれも「美」そのものかつ、画質・音声などの無関係でデータ容量が膨大でありソフト化もしないという永野護の美意識、それゆえに年に一度あるかないかの上映に、この作品のファンが毎回集まる魅力、どれをとっても美しい唯一無二の体験でした。観れて良かった……。
 それは本題でなく、夜中に新宿へ観に行ったため、せっかくなので歌舞伎町を回って帰ろうと思ったのですが、コンカフェやガールズバーはすでに経験がある。であれば、新しい発見を発掘しようと、イケメン男性キャストによるコンカフェ、通称メンズコンカフェへ足を運ぶことにします。
 とある歌舞伎町のビル。エレベーターが開くと、すでに廊下で容姿の良い男性たちとお客さんの女性がチェキを撮影しており、まさかの男一人できた僕を客と認識していない様子で、めちゃくちゃ勇気を出して傍を通り店内へ進む。
 お店は繁盛しており、テーブルには客がみっしり入っておりましたが、当然のように全員女性客。コンカフェ・メイド喫茶などの場合、かわいい女の子目当ての女性客も全く珍しくない筈ですが、メンズコンカフェはまだまだ同性の客は浮いてしまうようです。
 もう覚悟を決めるしかないので、男性一人で案内された椅子へ堂々と座ります。グレーが似合うロン毛のお兄さんが対面に登場し、さっと飲み物を出してくれるのでドキドキ。突然の男性客にも変わらず優しい。
 話を聞いてみると、同業者や友達の男性が来ることはあるものの、新規で男性客がふらっとくるのは凄く珍しいとのこと。しかも一人。逆に、向こうのグレー髪のお兄さんの話を聞いてみますと、なんと19歳の大学生。上京して昼は大学で単位を取ったりサークル活動をこなしながら、夜はこうしてたくさんの女性客に夢を見せてあげているのだ。なんと立派な人なんだ。さらに、この店はドリンクやチェキをもらえた数でキャストのランキングが発表される、まるでホストそのものなシステムがあり、まだ未成年でお酒は飲めない彼はアルコールを注文できないため不利であるという話も。それでも手探りで頑張りながら最年少で活動しているようです。そんな苦労話聞いたら、応援するしかないだろ……! と、キャストドリンクをジャンジャン頼むことに。相手は、そのたび嬉しそうにソフドリを飲んでくれる。こんなくたびれたオタクのおじさんよりも、未来ある若者にお金が入るべきなのだ。他にもジャンプ漫画の話などを行い、こんなに漫画の話ができて嬉しいと言われて、僕も嬉しかったです。

 一番良かったのは、途中でキャストさんたちが悪ふざけでめちゃくちゃ度数の高い液体を生成したので、それを誰が飲むかの男気じゃんけんに参加させられたこと。女性客が真っ当に楽しむ中、金髪のカッコイイ方に「お兄さんも男気じゃんけんやろうよ」と誘ってもらえたのは、男性客ならではのノリな気がして楽しかった。


 それからいろんな話を交わして、最後にチェキを撮ってもらって退店。男女なんて関係なく、美意識があって努力している方に接客されるのは気持ちが良い。ふらっときた男性客である僕にも、夢のような夜への魔法を掛けてくれたのですから、こんなに嬉しいことはない。同性であることで気兼ねなく会話できて、お金を払ってもいやらしさがない。女の子がかわいいコンカフェ嬢へ貢ぐ理由にも頷けます。ありがとうございます。
 あと1年すれば彼もお酒が飲める。その時には、歌舞伎町でもトップのイケメンキャストに登り詰めているかも知れませんね。良い夜でした。

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