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深夜の秋葉原戦争

■深夜の秋葉原戦争

 おたく☆まっしぐら、漢のゲームですね。


 拙作「秋葉原 裏の歩き方」のKindle版が配信開始したようです。というのも、特に連絡がないのでなにもわかりません。知らない間にお金が入っていると嬉しいですが。


 さて秋葉原住みである僕の楽しみの一つに、深夜の秋葉原散歩があります。
 殆どのオタクショップが20時や21時には閉店する関係上、秋葉原といえば昼のイメージが強いでしょう。
 そういった事情から秋葉原の夜は暗く、どこか冷たい印象を受けます。僕はそんな薄暗い秋葉原を歩くのが大好き。夜の住民たちはとても人間らしさに溢れているのです。

 昼と夜でここまで雰囲気が変わる街も珍しいでしょう。昼はあれだけ活気のあるジャンク通りのメイドたちも、深夜は終電を逃したオタクをどうにか捕まえたい一心のみで事務的に声掛けする、死んだ魚の目をした女性ばかりに。

 深夜の秋葉原の醍醐味の半分は、このメイドと彼女たちに絡むオタクたちです。昼は大人しめで都会慣れしていない気弱な方が捕まっていくのですが、深夜の場合は酔っ払っていたり大学生ノリだったりで、向こうからナンパ気味に絡んでくることが多い。

 と言っても、所詮はオタク。昼と違って夜のメイドは逞しく、冷やかしとわかると容赦なく一蹴したり、付近に待機している店員のお兄さんがやってくるパターンもあり、相手が攻めに入ると一瞬で馬脚を露わし逃げ出します。漫画のような変わり身っぷりがスゴい。

 奥まで入り、公園近くまで進むくと、チンピラ寄りの方々がちらほら現れます。すっかり観光地なため柄の悪そうな外国人集団も多く、他にも大音量で音楽を鳴らしてスケボーに興じる若者も。彼らがメイドにウザ絡みしている場合も散見され、どこかコンボが繋がったような高揚感を覚えたりも。一見、オタクの敵にも思えますが、オタクはオタクでアニソンを大音量を流しオタ芸の練習をしていたりするので、五十歩百歩だったり。

 反対側にでて、神田明神を目指します。秋葉原の裏側はひっそりと経営しているメイドバーなどが多く、大通りやジャンク通りよりも玄人感が漂います。せっかく有名美少女ゲームとコラボしているのに、場所の関係か全く話題になっておらず、閑古鳥が鳴いているお店もあり寂しさも漂う。もう美少女ゲームに話題性がないだけかも知れません。

 長い階段を登り終えると、様々なアニメでご存知「神田明神」。「ここがラブライブ!」の聖地かと感動するオタクの隣で、劇場版アキハバラ電脳組での神田明神の再現度の話を振ると9割嫌がられるのでご注意。
 こちらは始発待ちのオタクたちが、美少女キャラクターののぼりやポスターに囲まれベンチで熟睡する姿が見られます。たまに太ったオタクが寝転がって道を塞いでいる時もあり、その様子はさながらカビゴン。カビゴンと違って捕獲するメリットが全くないのがポイント。
 冬は凍えて、夏は暑さに苦しむオタクたちを尻目に、のんびりベンチで休憩。彼らと違って始発を待たずとも快適な部屋へと帰宅できるので、夜風の心地よさ以上の優越感に浸れます。

 ニュー秋葉原周りは、リフレの客引きが多く、裏交渉(リフレの範疇を越えたオプションを、店の中抜き通さず客と嬢のみで話し合う行為)に近い会話が耳に入ることも少なくない。と言っても、店側も客足のためなら大抵は黙認ですので、みんな生き残るのに必死です。

 駅の近くはホームレスたちの家(矛盾)が多数。空き缶を拾って回る方も居れば、オタクショップのゴミ袋から、まだ売れ回せそうなフィギュアなどのグッズを漁っている方もいたり。
 
 そのまま昭和通り近くに行くと、今度はキャバクラのキャッチだらけに。一ミリたりともオタク臭が感じられない怖いお兄さんたちです。彼らのターゲットはオタクというよりは神田や上野から流れてくるサラリーマンたち。オタクは捕まえられ損ですね。
 たまにレアなキャッチは「裏風俗」なるものに誘ってきたりもしますが、これは要はマンションの個室でひっそり経営されているだけで、中身はソープと大差ないそうです。
 秋葉原には、ど真ん中に小学校があることや、冒頭で解説した通り、そもそも一昔前は今以上に夜の人気がなかったこともあり、店舗型の風俗は皆無。なのでキャッチの案内を使う他ありません。
 そして、ただの風俗と同様のサービスかつ値段なのに、「裏」と呼ばれるプレミア感にオタクは弱いからか、わりと客付きは良いんだとか。純粋なオタク高校生から、今やすっかり敏腕リフレ嬢になった知人が教えてくれました。

 最近できた「幸楽苑」では、くたびれたサラリーマンや仕事上がりの嬢がラーメンや餃子を前に、すっかりできあがっております。食事をしながら愚痴を言いつつ、きっと明日もまた働くのでしょう。

 ぐるっと秋葉原を一周すると早朝になっていたりもします。早朝の秋葉原は、怪しい人たちやネズミの群れも闇に帰っていき、すっかり無人に。ラジオ会館の前に立てば、秋葉原なのに誰も居ない「シュタインズ・ゲート」ごっこが可能に。秋葉原のパチスロ店は特にイベントへの力の入れようが凄く、イベント日には開店数時間前からパチスロ店に並ぶギラギラしたリアルカイジたちの列も見れますよ。

 オカリンの気持ちになったところで満足したら、とことこ歩いて帰宅。
 客引きのメイド、謎の外国人集団、スケボー大学生軍団、酔っぱらいに始発を逃したオタクたち、ダンボールを布団に夜風を凌ぐホームレス、裏オプの味を覚えたリフレ嬢に、体育会系の怖いお兄さん、ラーメンを堪能するくたびれたサラリーマン、設定のためなら早起きも厭わないギャンブラーたち……今日も秋葉原では、多種多様な人々が生き残るため戦っておりました。

 色んな意味で大変で、色んな意味で平和な街だと感じます。そんなことを思いながら、休日ならニチアサに備え、平日なら深夜アニメまで熟睡です。おやすみなさい。


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