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ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ【リトル・アンツ・アドベンチャー・イン・ザ・オールド・ネスト】

初めに

ドーモ、nyamotomoです。今回もニンジャをプレイしていきたい…と言いたいところですが、今回は少し経路を変えたリプレイです。それではどうぞ。

登場モータル


クロイワ

ブラックメタリストの「クロイワ」(種別:モータル)
カラテ    3  体力   5
ニューロン  3  精神力  3
ワザマエ   3  脚力   2
ジツ     –  万札   −12
攻撃/射撃/機先/電脳  3/3/3/3
◇装備や特記事項
『◉突撃』、『◉頑強なる肉体』
『◉知識:伝統的アート』
伝統的ニンジャ装束
チェーンソー

ネオサイタマのアウトロー。180m近い長身。元ブラックメタリストだが過激な行為は行わず、純粋に音楽として楽しむタイプであり、かつていたブラックメタリストコミュニティでは孤立していた。それはそれとしてフランベルジュを装備し叫びながら戦う狂戦士である。

◆シラカワ


ハッカーの「シラカワ」 (種別:モータル)
カラテ    2  体力   2
ニューロン  4  精神力  3
ワザマエ   3  脚力   2
ジツ     –  万札   −12
攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/3/5
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子
『◉kill9』、『◉知識:ハッカーの流儀』
LAN直結型ハンドガン、バクチクグレネード
サイバーサングラス、ストリートウェア

ネオサイタマのアウトロー。女子高生ファッションに身を包み、実際外見年齢も十代前半に見紛うが成人女性。自身の好む淡い蛍光色カラーに象徴されるように柔和で温和な性格だが、それゆえに二世信者として族していたペケロッパには馴染めなかった。最終的に旧知のクロイワを誘って電撃脱退することとなる。

https://note.com/nyamotomo212/n/n32ef5a8d125e

 彼女らを覚えていますでしょうか?以前のリプレイでモブとしてして登場していたモータルのコンビです。モータルPCで遊んでみる際に存在を思い出し、出てきてもらいました。モータルとしては中々の強者達です。
 データは公式のモータルPC作成ルールに従い以前作ったものを少し整えました。今回はこの二人を使って遊んだいきたいと思います。

今回のシナリオはこちらです。

本来はソロ向けモータルシナリオですが、まぁいいでしょう。判定が多いのでステータスの低いモータルは怖いですね。それではやっていきます。

導入

ネオサイタマの一角。グラフィティアートとネオン広告で覆われたマンション、淡いカラーのポップなインテリアや音楽系ポスター、その他無数のガラクタの詰まった一室で若い女の声が上がった。「ヤバい!!ヤバいよクロイワ=サーン!」

無数のデコ・シールで飾り付けられたUNIX端末の前で桜色のLANコード髪を振り乱して叫ぶ女に対し、ソファに寝転んだ長身黒髪の女は音楽雑誌から顔を晒し上半身を起こして応えた。「どうしたんだい?シラカワ=サン。」

「お金がないんだよ!」元ハッカーカルトのシラカワが端末を回して見せつける二人の共同通帳は0!「おまけにローンがあるんだよ!」そのそばで表示される膨らむ借金手帳!それを見たクロイワは音楽雑誌をテーブルに乗せ、額を抑えると言った。「それはヤバいなぁ」

彼女ら二人は現在この自宅兼事務所に同居しているニュービー・アウトローである。元々親友同志だった二人だが、今年の初めそれぞれの属していたクソみたいなカルトを脱退、独立して何でも屋を始めたのだ。希望に満ちた船出だった。しかし。

先日の依頼で大きな失敗。二人は救出と奪還のために潜入した闇クラブハウスに捕らえられ、ソウカイヤを名乗る謎の存在に助けられることになったのだ。彼らの手を借り何とか依頼をこなすことには成功したが手に入った大量の報酬と失敗の不甲斐なさは二人の心に火をつけた。その結果…。

「まさか装備と訓練代が報酬のカネをオーバーして借金が嵩むなんて…」シラカワは頭を抱える。実のところ、二人はそれ以外にもファションやお菓子、CDなど自分が好きなものをいっぱい買い込んでいたのだがそのことは口に出さないことにした。

「今すぐ仕事を探さねばなぁ。」「そうだね。もはや手段は選んでられない…ある程度胡散臭くても…!」シラカワはチラシの山の頂上に据えられた一枚の広告を拾い上げた。二人の行動を決めるのは常に彼女である。そこにはデカデカとわざとらしいような派手な字体で「遺跡調査バイト、高給な」の字が踊っていた。

遺跡にて

数日後!ネオサイタマ郊外の森林奥地!いかにもな遺跡の前に見た目もアトモスフィアも様々な人間達がアリめいて集っていた!即席遺跡調査チームである!今回の依頼主が前面に立ってアイサツした。「ドーモ!私が今回の調査の指揮を執る、ワキダモです。一応、ネオサイタマ文化大学で教鞭を取っております。じゃあ皆さん、それぞれ自己紹介をしていただけますかな?」その言葉に従って、6人の参加者は自己紹介をした。

まず、眼鏡を掛けたスレンダーな美女。「ヒラタです。よろしくお願いいたします」表情を崩さぬまま、礼儀正しい様子で名前のみ告げた。

次に、ジュー・ウェアを着た大柄な男。「カヌマ…武の道を究めるべく、己を錬磨している。インスピレーションを得るべく、この度遺跡調査に参加する事にした」凄まじい覇気を発している。只者ではあるまい。

続いて、ぼろ布をまとった痩身の男。「ヒーヒヒヒ…ヒヒッ、タコサキです…イヒヒッ!」明らかに正気でない笑い声を漏らす。関わりたくない人種だ。

そして、サイバーサングラスをかけた角刈りにスーツの男。「ゴウジマ…フリーでやっとる。根無しの渡世者には辛い世の中なんでな、稼ぎに来た」あからさまにヤクザなのだ!

最後にシラカワとクロイワの二人がアイサツした。「ドーモ、シラカワです。」「クロイワです。」「二人で何でも屋さんをやってるよぉ!」「現在困窮中だ。何か困り事があれば是非依頼を。」

「いやはや、だいぶ個性的な人たちが集まりましたね!遺跡の発掘は今から十分後に開始いたします。みなさんその間にそれぞれの準備などお願いいたします!」

「う〜ん」「どうしたシラカワ=サン」突入前の器具や装備の最終チェックをワキモダが行っている間、シラカワは遺跡の入り口に刻まれた十字のようなマークに見入っていた。「やはり気になるのか、あの噂が」「うん、ニンジャ関連となるとどうしてもね…」二人がその噂について知ったのは数日前の事前調査の時であった。

事前調査ダイス:ニューロン判定:4,4,6,4,6、成功

事前に危険な先住民などいないか、依頼元がちゃんとしている所か。アウトローは依頼の前から調査を欠かさない。シラカワはいつも通りに遺跡や依頼者について調べていくうち、IRC空間上のオカルトサイトにて今回向かう遺跡について一つ気になる情報を見つけたのだ。曰く「かの遺跡はかつてニンジャの修行場だった」。

ニンジャ。アニメやコミックに出てくる荒唐無稽な幻想生物。普段なら一笑に付すであろう噂だが二人にとっては違う。以前の任務で二人を負かしたイビルフィースターという男。そして二人を助けてくれたソウカイヤを名乗る四人のエージェント。詳しい記憶は何故かぼんやりとしか思い出せないが、ニンジャというワードと共に彼らの顔が脳裏に浮かぶのだ。 

「この遺跡の入り口にある十字、なんか…スリケンっぽくない?」「依頼主は江戸時代キリシタンの隠れ遺跡と言っているがな。まぁどちらにせよ私にとっては仇敵だ。」クロイワは陰気に笑う。彼女は脱退したとはいえ元ブラックメタリストなのだ。二人は互いに今回の依頼、単なる発掘と思わず挑むことを決めた。こうして不穏な空気を孕んだ調査任務はいよいよスタートした!

第一の試練:相撲

参加者は遺跡のあちこちに散開し、それぞれ発掘作業を行う事となった。二人はシラカワがサイバーメガネで周囲をスキャンしクロイワが呪言入りツルハシや細やかなツールで(今日のために拵えたのだ)発掘するフォーメーションを組んだ。その間も二人はそれぞれの獲物であるLAN直結ハンドガンとフランベルジュはしっかりと装備している。アウトローに油断は禁物だ。

黙々と作業を続ける中で、クロイワは奇妙なものを発見した。「なぁシラカワ=サンこれ…」クロイワが差し出した石板のようなものをシラカワはおずおずと覗く。「これは…」そこには腰布をまいた人間が四股を踏むえが絵が刻まれていた。「スモトリ?」「そうよ」

その声に振り向くと、いつのまにか二人の背後に眼鏡美女のヒラタが立っていた。その目には悲壮さ、そして間違いなく狂気が宿っている。「…見つけてしまったようね」「何どうしたの?この石板がどうかしたの?」

ヒラタは淡々と言葉を紡ぐ。「それはね、古代ローマ様式の相撲を表した石板なの。こんなものが公開されたら、スモトリたちは真の相撲に目覚めてしまうでしょう。せっかく蔓延させた薬物や八百長も、一掃されてしまうわ」 

「何言っているの?」「シラカワ=サン、下がって…」クロイワはシラカワを背後に隠し、背負ったフランベルジュを背中から抜こうとしたがヒラタの両腕に握られた二丁拳銃がそうさせてくれなかった。「えっ」「相撲業界としては、それでは困るのよ。だからこの石板を回収してしまいたかったのだけれど…知られてしまっては止む無しね」BLAM!!

回避クロイワ5,4,5、成功

回避シラカワ5,1,4,6、成功

「アブナイ!」クロイワは咄嗟にシラカワを押し倒して地面に伏せ弾丸を避ける!ヒラタは舌打ちしてもう一発の銃弾を放とうと、BLAM!続けて撃ったのはヒラタではなくシラカワ!クロイワの下敷きになったまま先んじてデコツールまみれのLAN直結ハンドガンで射撃!ヒラタの拳銃を弾き飛ばす!

「グッ…」ヒラタは顔を顰めながらももう一つの拳銃で狙いを澄まし…「何してんだテメッコラー!」
「ンアーッ!!」ヒラタを電撃ジュッテで殴りつけたのはヤクザのゴウジマ!銃声を聞きつけ駆けつけたのだ!ヒラタはショックで気絶!のびた彼女を挟み三人は気まずげに互いを見交わした。

しばし困惑の沈黙が流れ、ゴウジマは二人に呟いた。「ヒットマンと勘違いしたんだ…」そして懐から蛍光色のバイオ麻縄を取り出し慣れた手つきでぐったりしたヒラタを拘束した。「コイツは洞窟内で錯乱してアンタらを襲い…事故にあって気絶した。それでいいな?」ゴウジマはそのままヒラタを引きずってその場を去ろうとする。

「まった!」その背にクロイワが声をかけた。明らかに不自然だ。「まずは助けてくれたことに感謝する。だがアンタ何者だ?単なるヤクザだと思っていたが…」「悪いが今は話せない。それよりも周りに気をつけろ」「周り…それってどういう…アッ!」辺りを見回したシラカワが思わず声を上げる。先ほどまで見える範囲にいたはずの発掘隊が全員、姿を消していたのだ。

第二の試練:鉄拳

二人は手分けして遺跡内を捜索したが彼女ら二人以外の誰の姿も確認できなかった。ゴウジマもヒラタを面の車の中に閉じ込めてくると言ったきり姿を見せない。「クロイワ=サンこっち!」シラカワが最後の未捜索エリアで声を上げた。そこには巨大な岩壁に掘られた洞窟神殿がぱっくりと口を開けていた。

「これは一体…?」「新しそうな岩の破片があるよ。誰かが見つけた隠し通路かな?もしかしてみんなこの先に…?」二人が恐る恐る中を覗くと、奥からカヌマの巨体が走ってくるのが見えた。廊下内は薄暗くその表情は定かではない。

ニューロン判定シラカワ4,6,6,5,、成功

しかしサイバーサングラスの夜間モードを作動させていたシラカワにはカヌマの様子がはっきりと見えていた。その顔に浮かんだ明らかな狂気も。「ッ!クロイワ=サン!」「あぁ!」二人は弾かれたように入り口から離れ互いの得物を抜き放つ!その動作に一瞬遅れて髪を振り乱したカヌマが飛び出してきた。

「遂に!訪れたのだ!我が拳に神が降りた!
振るいたい!今すぐこの拳を誰かに振るいたいッ!」その到来に少し遅れて、奇妙な匂いが漂ってきた。ガスだ。謎のガスが充満した洞窟内で運動していたので、正気を失ってしまったらしい。「シューッ!シュシュ!」実際、カヌマのカラテの冴えは凄まじいものがある。銃すら凌ぐほどに…。

クロイワ回避2,1,6、成功

シラカワ回避5,6,3,2、成功

「イヤーッ!」カヌマはシラカワに向けて猛然とジュージュツ・タックル!「アイエッ!」シラカワは怯みながらもハンドガン発射!「ヌゥ!?」カヌマは咄嗟にかがみ込みこれを回避!弾丸が髪の毛の一部を円形に抉り飛ばすが無傷!なんたるカラテ!「イヤーッ!」しかしそれに怯まず間髪入れず、クロイワがカヌマへフランベルジュを振り下ろす!

「イヤーッ!」しかしカヌマはこの質量斬撃を拳に装着したナックルダスターで受け止める!両者の膂力は一瞬拮抗するがカヌマのカラテがクロイワを押し返していく!(なっ…なんて力だ!)そのままカヌマはもう片方の拳でクロイワにカラテストレート!「チッ!イヤーッ!」クロイワは鍔迫り合いから逃れバックステップ回避!

「逃したか…フゥー」カヌマは体勢を立て直し再びカラテを構える。強い。対峙する二人の間に緊張が走る。狂人はニタリと笑って舌なめずりし、鋭い目で武器を構えた二人の見据えた。そして再びカヌマは渾身のシャウトと共に飛び上がった!「イヤーッ「イヤーッ!」

カヌマのカラテシャウトに重なってもう一つのカラテシャウト!いつのまにか岩壁の上方に取り付いていたゴウジマが急降下落下!渾身の電撃ジュッテをカヌマの脳天にに喰らわせたのだ!「グワーッ!?」悲鳴をあげ頭頂部から煙を燻らせたカヌマは二、三歩ふらつき、そのまま前倒れに倒れ、それ以上は動かなかった。

第三の試練:神話

「またかよコラーッ!事故だからなオラーッ!」息を弾ませたゴウジマが喚き立てる。さすがにヒットマンと間違えた、というのは無理がある。まさか助けてくれたのだろうか…?「あっ…その…アリガトゴザイマス、さっきから何度も…」二人の感謝を聞きゴウジマは深くため息をつくと、カヌマを厳重に拘束しながら言葉を漏らした。

「はぁぁ…危険人物を閉じ込めて帰ってきたら、また別の危険人物に絡まれてるとはな…。どうやらアンタ達は持ってるらしい。ここまで来たのも何かの縁。このまま一緒にみんなを探しに行こうぜ。」二人は無言で頷く。ゴウジマも謎だらけだが少なくとも悪意のある存在ではなさそうだ。

「とはいえ、隠し通路内はガスまみれだよ。ワキダモ=サンの車にガスマスクくらいあるかも…取りに戻ろうか。」「いや…その必要はなさそうだぞ、シラカワ=サン。」見れば洞窟内のガスが、岩壁の隙間に吸い込まれていく。ゴウジマはそれを興味深そうに眺める。「何か仕掛けがあるのかもな、これは多分自然物じゃない。意図的に仕掛けられた罠なんだ。」

「罠って…発掘隊の誰か?」「いや、そんな時間はないはずだ。遺跡の制作者だろうな。」二人は遺跡に仕掛けられた悪意に身震いする。こんな古い遺跡の時代に複雑な罠…人間業とは思えない。まるでニン…。「おい、いくぞ!」ゴウジマの呼びかけで我に帰った二人は慌ててその背中を追いかけた。

三人はいつまたガスが放出されるか警戒しながら、クロイワとシラカワは脳裏の幻影を振り払いながら、進んだが100歩も行かないうちに行き止まりに突き当たった。「なんだ…行き止まりか…?」「いや…」シラカワの鋭敏なニューロンは行き止まりの壁、その中心にに何かを感じた。そしておずおずと触れる。

ガション。軽く音が鳴って岩壁が変形し、謎の図形が描かれた壁に変化した。「おいおい…ここにきて謎解きか…?」「うわー複雑!電子機器じゃないからハッキングもできないよ。仕方ない…クロイワ=サン!」「了解だ。」シラカワとクロイワはゴウジマの手を引き少し後方に下がった。クロイワはフランベルジュをランスじみて構え、目を閉じて集中した…。

【カラテ】でぶち破る:U-HARD判定
【ワザマエ】で形跡を調べ、答えを割り出す:NORMAL判定
【ニューロン】でパズルを解明する:HARD判定

カラテでぶち破る!クロイワカラテ6,5,4、成功

イヤアアアァァァァダブ!!!」クロイワは目を見開き突撃!恐るべき刺突を図形の中心に突き刺した!中は仕掛けで空洞になっていたのか数十センチ刃が食い込み、周囲には無数のひび割れが走る!!「アアアァァァァ!」さらにクロイワはダメおしとばかりにフランベルジュを突き刺し…ひび割れを拡大!瓦礫と粉塵を巻き上げて岩壁が崩れ落ちた!

「ハァー…ハァー!」凄まじい重労働にクロイワはフランベルジュをを杖代わりに膝をつく。過去最高のトランス状態であった。「す…すげぇな…」「でしょ?さぁいよいよ侵入だ!」三人はクロイワの息が整うのを待ってから壁の穴を潜り抜けた。そこは同じ洞窟内なのに解放感を覚えるほど広く開けた場所であった。

洞窟内だが空間は天井から差し込む光により明るい。岩壁は滑らかで奇妙な紋様が描かれていた。「自然にできた空洞じゃないっぽいね。」「二重の隠し部屋になっていたんだ。相当に重要な施設のみてぇだが…」「…二人とも…あそこ」その広間の中央には祭壇のようなものがあった。

祭壇の上には様々なものが散乱している。真新しい墨で描かれた魔法陣、床面に殴り書かれた八つのショドー、スシ、ショーユの入った皿、一枝のサクラ、そして中心には古びたドクロ。まさに先ほどまで禍々しい儀式が行われていたかのようだった。。「遺跡に元々あったものじゃなさそうだな…」「発掘隊の誰かが持ち込んだもの…ってコト…?」「だろうな、バチアタリなことしやがるぜ」

三人が祭壇に近づいて見ると、中心のドクロは何やらマスクのようなものを着けていることがわかった。そしてその額に何かが刺さっていた。

それは…血のついた、十字型の金属片。まさかこれは…

NRS判定、難易度HARD。導入での判定に成功していた場合はNORMAL。
失敗時は1D6で以下の表から症状を決める。
1,2:恐怖で【精神力】を1失うも続行。
3:嘔吐失禁!【体力】と【精神力】を1失う。続行不可なら途中帰宅エンド
4:パニック状態になり、半狂乱で逃走!途中帰宅エンド
5:あまりの衝撃にショック死!(キャラロスト、憑依判定不可)
6:意識を失い、泡を噴いて倒れる…(気絶エンド

クロイワ、1,2,2失敗→3 嘔吐失禁 体力4 精神力2

シラカワ、6,6,2,2成功

 

「オボー!?」突如クロイワが嘔吐!脳裏に忘れていた、忘れようとしていた恐怖が、ニンジャの恐怖が蘇る!「だ…大丈夫!?クロイワ=サン!」「グ…お…おい嬢ちゃん、どうしたんだよ!」残る二人も目眩を感じたが何とか持ち堪えクロイワに駆け寄る。「だ…大丈夫だ、問題ない。さっきの突撃が思っていたより応えていたようだ…」

クロイワは口を拭って立ち上がり祭壇へとフラフラと登る。そして、おずおずとその金属片を引き抜いた。

(『ソウルドミネイト・スリケン』獲得)

『ソウルドミネイト・スリケン』:【名声】3以下の時のみ使用可。
余暇を1つ消費して、自分の【体力】と【精神力】を0にし、憑依判定を行う。
この時参照される【名声】値に+1して判定を行える。
失敗すれば当然キャラロスト。

「アアーッ!儀式の成果物を、貴様ーッ!」甲高い絶叫に三人が振り返ると、先ほどこじ開けてきた入口とは別の横穴からぼろ布をまとったタコサキが走り出てくるところだった。右手には曲刀!「殺すぅぅーッ!!」疾走!完全に狂気!言葉の介在の余地はない!

クロイワ回避4,3,4成功

シラカワ回避2,1,6、成功

「アァー!」「ヌゥーッ!」祭壇から飛び降り二人を庇って飛び出たクロイワがフランベルジュで曲刀を受け止め、火花が散る!幸い膂力は低い。このまま押し切ろうとするが…。クロイワは振り乱したタコサキの髪の隙間から見た。その顔に装着されたニンジャじみたメンポの存在を。「ニ…ニンジャ…ナンデ…!?」

「アグーッ!!」クロイワが怯んだ一瞬の隙、タコサキは渾身の力でクロイワを転倒させる!「ヌゥ!?」「死ねぇー!!」トドメの曲刀が振り下ろされんとしたまさにその時!BLAM!BLAM!BLAM!「アバーッ!?」

三発の弾丸を胸に受け血を吐きながら倒れるタコサキ!クロイワが転倒しタコサキが油断した隙を逃さずシラカワとゴウジマが集中銃撃を行なったのだ。「ダイジョーブ?」「あぁ…ありがとう二人とも。」「アンタは無事のようだがこっちはダメだな。」三発の銃弾を受けたタコサキは完全に死んでいた。

死体をよく見て見ると右手に包帯が巻かれ血が滲み、懐からは墨のついた筆がこぼれていた。「なるほどコイツが儀式をして、この…金属片を作ったのか」クロイワは手に待っていた金属片を改めて眺める。正体がわかってもなお、それは不気味で力を感じた。

「さぁ後はワキモダ=サンだけど…」「この様子じゃあカラテカかコイツの餌食になっている可能性もあるな…死体を見つけることになりかねないがぁ…」三人がひとまずその場から離れようとしたその時!

第四の試練:裏切り

「見つけてしまったか、諸君…」声の方を見れば、今度は三人が入ってきた方の入口から人影!今回の発掘調査の主催者、ワキダモ教授であった。「タコサキ=サン?生きていたのか!」「よかった…ここはヤバそうですよ!一緒に出ましょう!」しかしワキダモは二人の呼びかけに答えずニヤニヤとした笑みを崩さない…。「嬢ちゃん達、やっこさん様子が…」ゴウジマが二人に注意を促そうとした時、地を揺らすような轟音が当たりに響き始めた。

「わっ…何々何!?」「まだトラップがあったというのか!?」ワキダモは轟音に対して何でもないように無反応。ため息をついて話し始めた。「本来なら返してやるつもりだったのだが…見つけたものが悪かった。まさかこんな大物が発掘できるとは思わなかったものでな!」そう言う教授の傍らには、例のオスモウ石板!

「なっ、それはヒラタ=サンの狙っていた…!」「公開されては困る歴史の闇、私はそれを発掘して脅迫の材料としている!今回は相撲業界か、悪くない…」ほくそ笑む教授に向かって、ゴウジマが銃を突きつける。「ネオサイタマ市警のゴウジマだ!遺失物等横領、および脅迫の罪で逮捕する!」「えっ!?ゴウジマ=サンの方が警察だったの!?」

驚きの展開の連続にシラカワは思わず目を見開く。「なるほどな…」一方のクロイワはどこか得心。「悪ぃな、アンタらもアイツの手下の可能性があったからよ。潜入調査員って言えなかったんだわ」しかし教授は余裕の笑みを崩さないまま、悠然と言った。「そこに殺人罪も付け加えてはどうかね?もっとも、私は誰にも裁けないがねぇ!!」

教授が指を鳴らすと、背後の暗闇から武装した戦闘兵器が現れた。『ドーモ、モータヤブは遺跡を発掘します!』発掘ドリルガトリングが不気味に回転!「モーターヤブの違法改造品…こんなものまで用意していたとは!」「フフフ…ヒラタ=サンやタコサキ=サンが不穏な動きをしていたので姿を隠していてみれば…潜入調査員が紛れていたとはな!証拠隠滅は中々派手になりそうだ!」

絶体絶命の窮地、しかしゴウジマが囁く。「巻き込んで申し訳ないが、手伝ってくれ。あのモーターヤブは、音声認識によって動いている。アンタらのどっちかが教授の意識を引き付けてくれれば、その隙に俺がヤツを無力化できる!」「「了解!!」」

・交渉判定
最も適した交渉スキル(+2):駆け引き、誘惑
次に適した交渉スキル(+1):欺き、卑屈
最も適した知識スキル(+2):伝統的アート、犯罪
次に適した知識スキル(+1):ヤクザの流儀、オカルト

クロイワが交渉、知識ダイスで+1 4,4,2,6、成功

「さぁ…末期の祈りは済んだかね?では我が一番助手モーターヤブ君!彼女らにガトリングガンのフルコースを…」「アアアァァァァァァァァダブッッ!!」突如クロイワが絶叫!先ほど岩壁を粉砕した際のシャウトよりも更に大きく血涙すら出る、ブラックメタリスト渾身のシャウトだ!「グム…なっ、なんだぁ!?虚仮威し…」BLAM!!

「グワーッ!?」ゴウジマの放った弾丸がワキモダに命中!「ヤッター!…アレ!?」BLAM!「ヌガぁ!?」しかし同時にゴウジマの拳銃も弾き飛ばされる!辛うじて立ち上がったままのワキモダのハヤウチだ!「はぁはあ…企業を脅す仕事をしてるんだ、ノーカラテじゃあやっていけない…やれ!モーターヤブ!全員殺せ!」

『了解ドスエ!』モーターヤブが発掘ドリルガトリングを構える!絶体絶命!だがここでシラカワが飛び出た!「させるか!!」『ピガーッ!?』シラカワのハッキングでモーターヤブの電子系統が一時的に混乱!さほどのダメージではないがそれでも照準が激しく乱れる!ガトリングの掃射が広間内を両断し、祭壇とその上のドクロ、そしてタコサキの死体を粉砕!

「何ぃ!?」ワキモダ再度困惑!そしてその隙を逃さずゴウジマが駆け出した!「イヤーッ!」「グワーッ!?」電撃ジュッテがワキモダの頭部に炸裂!さらにコンビネーションタックルがその体を弾き飛ばす!ワキモダは岩壁に激突し、そのまま動かなくなった。気絶したのだ。こうして、長い長い発掘調査が終わった…

エピローグ

「…ふう。助かった、アンタらのおかげだ。ここで発見された遺物は、全てアンタ達が見つけたものとして公開しよう」ゴウジマがモーターヤブの電源を切りながら零した言葉通り、今回の発掘の功績と博物館に売り払われた遺物の売上の一部は二人のものになった。タコサキの殺人の件は正当防衛で大した尋問もなく不問となった。ネオサイタマ市警は忙しいのだ。

「いやぁ〜結構儲かったねぇ〜」「全部借金返済で消えてしまったがな」新聞で自分たちの記事を眺めるシライシの声に、フランベルジュを手入れするクロイワは返事する。兎にも角にもマグロ漁船行きは回避できた。「しかしびっくりだよね、まさか発掘メンバーの中でまともに発掘しにきたのがほぼ私たちだけだったなんてさ」

新聞によればヒラタはワキモダに脅された企業より派遣された産業スパイ、カヌマは暴力沙汰でドージョーを追放された危険カラテカ、タコサキは今回の遺跡で儀式を行いに来た狂ったカルティスト、だったらしい。加えてゴウジマは潜入デッカーであり、主催者のワキモダ含めてあの発掘隊にはマトモなメンバーがいなかったのだ。

「あの遺跡は何か呪われていたのかもしれないな」「かもねぇ〜」クロイワは手入れを終えたフランベルジュを壁の武器掛けに置く。そのすぐ上にはあの遺跡から持ち帰った金属片…スリケンが安置されていた。儀式が施されていたとはいえこれはタコサキが持ち込んだ市販のイミテーションスリケンであり、買い取り対象ではなかったのだ。

捨てるのも味気ないと考えた二人により結局このスリケンは壁を飾る無数のインテリアの一部となっている。じっとスリケンを眺めたクロイワの脳内には奇妙なイメージを思い浮かんだ。いく匹かの黒蟻が巨大な巣穴に忍びこみ、仲間割れをして生き残りが穴から出ていくイメージ。そして暗がりからそれを眺める巨大な巣の主。黒蟻はおそらく自分達だ。では巣の主は?

聞けば件の遺跡にはさらに地下へと続く階段があったという。タコサキが現れた、彼が邪魔がなければ先に進んでいたはずの横穴はその階段のある通路だったのだ。モーターヤブのガトリングによる崩落でその先にはもはや向かえないらしいが…。(我々はすんでのところで命を拾ったのかもしれないな…)

クロイワは唐突に更なるイメージを思い浮かべた。巣の主よりかは遥かに小さいがそれでもなお大きい不気味な怪物の影が、ビルや裏路地に潜んでいるイメージ。(考えすぎか…)「どったの?クロイワ=サン?」「なんでもないよ、シラカワ」クロイワのいい知れぬ不安はシラカワの示した新作スイーツによって脳内から追いやられた。壁掛けのスリケンが警告するように微かに、カタカタとなった。

【リトル・アンツ・アドベンチャー・イン・ザ・オールド・ネスト】終

リザルト

万札25、【名声】2、余暇3、『ソウルドミネイト・スリケン』獲得 山分け シラカワは万札13

ソウルドミネイトスリケンは事務所に安置しておくことに。

余暇

◆クロイワ

余暇1モータルハント 3 万札1
余暇2モータルハント 1 万札2  DKK判定1失敗(今はないが一応)
余暇3カラテトレーニング 6 カラテ4に

ブラックメタリストの「クロイワ」(種別:モータル)
カラテ    4   体力   6
ニューロン  2  精神力  2
ワザマエ   2  脚力   2
ジツ     –  万札   0
攻撃/射撃/機先/電脳  4/3/3/3
◇装備や特記事項
『◉突撃』、『◉頑強なる肉体』、『◉滅多切り』
『◉知識:オカルト』、『◉知識:犯罪』、『◉交渉:威圧』
チェーンソー

シラカワ

余暇1モータルハント 6 万札1
余暇2モータルハント 1万札2 DKK判定2失敗(今はないが一応)
余暇3ニューロントレーニング 5 ワザマエ4に

ハッカーの「シラカワ」 (種別:モータル)
カラテ    2  体力   2
ニューロン  4  精神力  4
ワザマエ   4  脚力   2
ジツ     –  万札   1
攻撃/射撃/機先/電脳  2/4/5/6
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子
『◉kill9』、『◉知識:ハッカーの流儀』、『◉知識:ファッション』、『◉交渉:誘惑』
LAN直結型ハンドガン、バクチクグレネード
サイバーサングラス、ストリートウェア

終わりに

今回は初めてモータルPCで遊んでみました!ニンジャよりも初期ステータスが低くなりがちかつ回避難易度も高く、色々な意味でヒヤヒヤしたプレイでしたね…。借金の存在であまり成長できていませんが頑張ってサンシタくらいは屠れるように強くしていきたいところです…。では次のリプレイでお会いしましょう!

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