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ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ【イービル・スピリッツ・イン・ザ・バッド・ランド#3】

初めに

これは以下の記事の続きのリプレイ小説です。初めから読んでいただくのストーリーがわかります。

これまでのあらすじ

磁気嵐の荒野、ここでは時折。墜落物資を狙ってニンジャ達が殺し合うニンジャロワイヤルと言われるイベントが発生する。今回集まったニンジャは9人。ブルーアント、ライトロード、ディスパッチ、バーゲナー、ニンブルラビット、ワーペンギン、メカモグラ、スイングダウン、クァドロコーン。

ライトロード、メカモグラ、クァドロコーンか倒れ、残るニンジャは4人。しかもその内、スイングダウンとニンブルラビットはニンジャソウルの闇に取り憑かれその凶暴性と戦闘力を増していた!サツバツとしたニンジャロワイヤルは遂に波乱の最終盤へと突入する!

本編開始

6ターン目

・マップ

・25は錆びついたオムラ戦車(爆発済み) 
・46は燃え盛る輸送機残骸 
・56はフローティングマイン地雷原
・61、65は湾岸警備隊トーチカ
・62は毒ガス汚染地帯
・64にアイテム取り残しあり(民間人(コモン

ディスパッチ

不利だが逃走するか?逃走しないか?1逃走! 連続側転 1d8 8 1d8 3 66へ

南東の高台。ニンブルラビットとスイングダウン、二人のニンジャに包囲されたディスパッチは自身を取り巻くニンジャ達をじっと観察する。いずれも明らかに剣呑なアトモスフィアに呑まれており、その戦闘力も増しているようだ。今この場に留まって二人の相手をするのは明らかに不利!状況判断、逃走するべし!

「イヤーッ!」ディスパッチはテッコに仕込んだフラッシュ閃光を炸裂させる!「「ヌゥ!?」」二人が目をくらましている間にサイバネから火花を散らして連続側転!高台の斜面を転げ落ちる!上手くいけば残った二人が争い、少なくとも一人は死ぬはずだ。そうでなくとも一旦他の場所のカーゴを漁りより強力な兵器を回収する時間を稼げる!

持ち物:カタナ アマテラスアームズ・チェーンソーブレード 万札:10 

スイングダウン

追うか?追わないか?2 追わない ニンブルラビットをどうする?殺す?見逃す? 殺す! 

高台を駆け降りていったディスパッチを見、スイングダウンは一瞬追うべきか考えたがやめた。逃げていったディスパッチも気になるが、今はそれよりも目の前にいる血塗れの装束のニンジャのほうが切り甲斐がありそうだ。

スイングダウンはカタナを今度はニンブルラビットの方に向けて口を開く。「獲物には逃げられてしまったなぁニンブルラビット=サン。どうだ?代わりにワシに現行犯キリステされるというのは?」その言葉にニンブルラビットは血走った目でスイングダウンを見返した。

持ち物:万札24  オムラ・アサルトライフル スダチカワフ・ショットガン チャカガン カタナ ミハルカスタム・スナイパーライフル アーク放電ライフル

ニンブルラビット

ディスパッチをどうする?追う?追わない?2、追わない 

スイングダウンをどうする?殺す!説得する!逃げる!1 殺す!

ニンブルラビットはスイングダウンからの挑発を受けると全身に殺意を滲ませた。「いいだろう、望み通りに殺してやる…」二人を取り巻く禍々しいアトモスフィアがより密度をまし、大気中に黒い霧じみて蔓延した。両者はカラテを構え、そのオーラと緊張が爆発に向けて充填されていく…。

持ち物:万札5 スダチカワフ・バズーカ、ミハルカスタム・スナイパーライフル、光学迷彩コート

ブルーアント

スウォームと合流 33へ イベント33:高台で投下物資をあさる民間人【コモン】 殺す?殺さない? 2殺さない
高台なのでニンジャを探すことができる。ワザマエhard剣と兎413、失敗

そのころブルーアントは近隣に高台を見つけ登っていった。道中に何人かの投下物資をあさるモータルを発見したが無視し、アリ達にも攻撃をさせなかった。カタギに対して無闇に手を出すのはソンケイの下がる行いだ。高台の頂上へと登ったがイクサや墜落輸送船の黒煙が多く、視界が悪い。

「一匹くらい他のニンジャが見つかるかと思ったんだがな…ん?」ブルーアントは荒野の端に異様なアトモスフィアが流れているのを感じる…。この荒野には超常現象めいた災害が多く起こるという。おそらくその予兆だろう。「さっきまでいたトーチカのあたりも巻き込まれそうだな、離れててよかったぜ。クワバラクワバラ」

持ち物:トロ粉末、スシ、家族の写真、ノダチ、オムラ・アサルトライフル×2

ニンブルラビットvsスイングダウン

スイングダウン連続側転541 強化強攻撃 541 11  ニンブルラビット 回避326成功

ニンブルラビット連続側転側転1656 カラテ43353 回避663

スイングダウン連続側転225 強化強攻撃133 36 回避546成功

ニンブルラビットカラテ51654 回避1313 残り体力3

ブルーアントが感じていた予兆はニンブルラビットとスイングダウンが対峙する高台でも感じられた!異様なアトモスフィアと風が辺りを包み込んでいる。しかし戦場の狂気とニンジャソウルの闇に呑まれている二人は周囲の変化に対して全く無反応だった。二人は殺意をこめて睨み合い…同時に襲いかかった!

先手を取ったのはスイングダウン!摺り足で接近し振り下ろし斬撃!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンブルラビットはそれを半身になってかわすとスイングダウンの側面に回り込んで回転蹴り!「イヤーッ!」「イヤーッ!」だがスイングダウンはこれを素早く翻したカタナで受け止める!

「イヤーッ!」そのままの勢いでスイングダウンは横薙ぎの水平斬撃!だがニンブルラビットはこれをしゃがみ込みで避けると、地面を蹴りつけて駆け上りアッパー!「イヤーッ!」「グワーッ!?」命中!たたらを踏むスイングダウン!

「グッ…まだまだぁ!」しかしスイングダウンはすぐさま体勢を立て直し、次なるイアイの構えを…取ろうとして静止した。ニンブルラビットも思わずカラテを緩めた。イクサに酔った二人すらも覚ますような大災害、全てを巻き込み砕く巨大磁気嵐が眼前に迫っていたのである!

イクサ継続

7ターン目

カタストロフィ→2 磁気嵐!
磁気嵐:このターンの「ターン終了フェイズ」から毎ターン、マップの最外周にいる者は回避不能の2ダメージを受け始める。また最外周の隣接マスにいる者は回避不能の1ダメージを受け始める。

・マップ

・25は錆びついたオムラ戦車(爆発済み)
・46は燃え盛る輸送機残骸
・56はフローティングマイン地雷原
・61、65は湾岸警備隊トーチカ
・62は毒ガス汚染地帯
・33、64にアイテム取り残しあり(民間人(コモン

磁気嵐、それは恐るべき荒野の災害だ。不自然なほどに猛烈極まりない地磁気の乱れは巻き込まれればサイバネ者はまず命はなく、そうでなくとも磁気と何故か共に生じる風により巻き上げられ、鉄屑や瓦礫にぶつかって打ち砕かれる。この地においてはまず避けるべき危険の一つ、それが磁気嵐なのである。

いまやニンジャ達の集う戦場の周囲には渦巻き状に磁気嵐が囲み、あらゆるものを外周から破壊しにかかっていた。「アイエエエ……!!」高く巻き上げられ悲鳴を上げる民間人や土砂中の砂鉄、輸送船の残骸などが砕かれ細かくなって風を染め、黒い触手のような姿となり、螺旋を巻いて舞い上って戦場をコロシアムめいて囲い込む。

奇妙なことにその猛威は戦場の外周で止まり、その周囲を取り巻くようにして強い風を吹き付けながら渦を巻いていた。まるで何らかの力が作用しているように戦場の中心部は無事なままであり、それは台風の目めいた安全地帯を形成していた。荒野に渦巻く謎めいた意志が最後のイクサ場をニンジャ達に用意したのである!

ディスパッチ

磁気嵐から逃げねば!44目掛けて連続側転526成功!

イクサから逃走していたディスパッチは戦場の最外周部分で磁気嵐と遭遇、即座にもと来た道を全速でUターンしていた。この段階に至っても常に思考をフラットに保つ訓練を積んだディスパッチは冷静のままであり、先ほどまでイクサした二人のニンジャの元へと戻るリスクと磁気嵐のリスクを考慮し冷静かつ的確に判断したのだ。

「イヤーッ!」幸いにも元の高台を通り過ぎる際に二人のニンジャの反応はなかった。今現在対峙している相手への警戒と磁気嵐への注意がこうをそうした形である。ディスパッチはそのまま安全地帯にまで駆け抜ける!

持ち物: カタナ アマテラスアームズ・チェーンソーブレード 万札:10 

スイングダウン

磁気嵐から逃げる?このまま戦う?逃げる!連続側転!142   33、34、43、44のどこに逃げるか?1d4 43へ

スイングダウンは磁気嵐がここまで到達するであろうと判断するとカタナを納めニンブルラビットに笑いかけた。「残念ながらお流れだ、命拾いしたな」そして呆気に取られるニンブルラビットを置いて連続側転!先ほど高台を駆け抜けたディスパッチと同様に自らも安全地帯へと急行する!「オタッシャデー!」

スイングダウン持ち物 持ち物:万札24 オムラ・アサルトライフル スダチカワフ・ショットガン チャカガン カタナ ミハルカスタム・スナイパーライフル アーク放電ライフル

ニンブルラビット

連続側転して磁気嵐から逃げる!14516 逃げる地点34

呆気に取られたニンブルラビットだったがすぐに我に帰る。「ぐっ…仕方ない!」もう磁気嵐はすぐそばまで迫っていたがニンブルラビットの脚力ならば十分に逃げ切れるだろう。「イヤーッ!」全速で連続側転!スイングダウンに倣って崖を転がるように降りていった!

ニンブルラビット持ち物:万札5 スダチカワフ・バズーカ、ミハルカスタム・スナイパーライフル、光学迷彩コート

ブルーアント

スウォームと共に移動43 スイングダウンと遭遇!イクサ!

「荒れてきたな…」ブルーアントは高台から磁気嵐が発達しこちらに迫ってくる姿を観察していた。あまり標高の高い位置にいれば飛来物にぶつかりかねない。ブルーアントは崖を滑り降りた。するとそこに一人のニンジャが連続側転してきた!磁気嵐から逃げてきたスイングダウンである!

スイングダウンはブルーアントの存在に気づきニタリと笑ってアイサツ!「ドーモ、ネオサイタマ49課のスイングダウンです。これは都合の良い、切り捨てられてもらうぞ?」ブルーアントもアイサツを返す。「ドーモ、ソウカイヤのブルーアントです。」

ブルーアントはアイサツを返しながらスイングダウンの血塗れの装束と剣呑なアトモスフィアに思わず冷や汗を垂らす。明らかにイカれていて、そして強い。

「ヤクザとはな!重点キリステ対象だ。」「そっちはデッカーか?にしちゃあ随分と凶悪そうだな。どっちがヤクザか分からんぜ。」「これは手厳しい!」ブルーアントは会話を長引かせ時間を稼ぎながらアリ達に地面の中を掘り進むように命令を飛ばす。相手は明らかに強い。無策での勝利は絶望的だ。ブルーアントは悲愴な気持ちでスイングダウンを待ち受ける!

持ち物:トロ粉末、スシ、家族の写真、ノダチ、オムラ・アサルトライフル×2

ブルーアントvsスイングダウン

スイングダウン 強攻撃162 11 ブルーアント回避3632 成功

ブルーアント連続側転663 スウォームダメージ6発生! 回避341失敗 残り体力2  サイバネ武器235 回避411 爆発四散!

「じゃあ…いくぞ!」スイングダウンはゆらりとカタナを抜き…「イヤーッ!」飛び出し斬りつける!「イ、イヤーッ!」ブルーアントは予想外の速度に面食らったが電撃的にブリッジ!間一髪で避けるも、装束の一部が切り飛ばされる!ほんのコンマ秒、体を倒すのが遅れていれば胴体が寸断されていただろう!戦慄するブルーアント!

(ン?)一方スイングダウンは剣を振り抜きながらもブルーアントの無事を目の端でとらえ違和感を受ける!今のは本来確実に当たっていた斬撃だった。しかし避けられた、何故?その時突如鋭い痛み!見ればスイングダウンの足に無数のアリがまとわりつき噛み付いているではないか!これこそブルーアントのスウォーム・ジツ!

ブルーアントのアリ達は地中からスイングダウンの足元まで掘り進み、スイングダウンに殺到!その動きを妨害していたのである!「ヌゥー!?」更なる追撃を放とうとしたスイングダウンの全身にたちまちアリ達がまとわりつきの噛みつく!「ウチの若ェモンの餌になりやがれ!」「グワーッ!?」スイングダウンは思わぬ攻撃に苦痛の声を上げる!

相手にできた一瞬の隙!勝機はここにしかない!「アッコラーイヤーッ!」ブルーアントは力強く跳躍してスイングダウンに突撃!すれ違いざまにその首肉を食いちぎった!「アバーッ!?」首筋にU字型の抉れが生じ激しく出血するスイングダウン!「グ…ク…クッハハハハ!」しかし…スイングダウンは壮絶に狂笑した!

「カッ!」「なっ!?」キアイを入れてアリ達を弾き飛ばすと、地面に正座!「一刀流/アリに勝てなかった/生まれ変わったら勝つ」そしてハイクを読み、カタナ握ってセプクした!「サヨナラ!」爆発四散!

スイングダウンは元来凶暴性と奇妙な冷静さを併せ持ったニンジャであり、荒野のアトモスフィアに大いに呑まれながらもその思考は平時と変わらず、むしろ力の恩恵のみを受けていた。間違いなく、強者だった。しかしイクサとは単純な実力にのみ左右されるものではない。

「ソウカイヤクザを…ナメんじゃねぇ…!」ブルーアントはそう呟くと地面に膝をついた。ほぼ賭けのような作戦、死ギリギリの攻防、ほんの一瞬だったとはいえ、スイングダウンとのイクサが彼の精神を削ったのだ…。

ブルーアント持ち物 持ち物:万札29 スシ オムラ・アサルトライフル×3 スダチカワフ・ショットガン チャカガン カタナ ミハルカスタム・スナイパーライフル アーク放電ライフル トロ粉末、スシ、家族の写真、ノダチ、

8ターン目

最終ターン!

・マップ

・25は錆びついたオムラ戦車(爆発済み)
・46は燃え盛る輸送機残骸
・56はフローティングマイン地雷原
・61、65は湾岸警備隊トーチカ
・62は毒ガス汚染地帯・
・33、64にアイテム取り残しあり(民間人(コモン


ディスパッチ

移動 34へニンブルラビットと遭遇! イクサ!

「ドーモ、ニンブルラビット=サン。ディスパッチです。」ブルーアントとスイングダウンのイクサか決着したころ、ディスパッチは殺意を研ぎ澄まし暴走しつつあるニンブルラビットと相対し、アイサツしていた。最後の対戦相手にニンブルラビットを選んだのには理由がある。先ほどの一合ほどのイクサからの分析によればニンブルラビットに対しては一つ明確な勝ち筋がある。

ディスパッチはカタナを抜き放ちカラテを構えるとニンブルラビットのアイサツを待ちながら油断なくその動きを観察する。イクサは一瞬で決まるだろう。仕留め損なうわけにはいかない…。

持ち物:カタナ アマテラスアームズ・チェーンソーブレード 万札:10 

ニンブルラビット

ディスパッチとイクサ

「……ドーモ、ディスパッチ=サン、ニンブルラビットです。」一方ニンブルラビットはゆらりとディスパッチに向き直りアイサツを返した。その白装束は血に染まり背中からドス黒いオーラか立ち上る。ジゴクじみた様相だ。既にその精神は完全にソウルに呑まれつつある。

(飛びかかり、顔面を打ち砕いた後、心臓を抉り取って殺す!)ニンブルラビットは脚部にカラテを溜め、静かに爆発の時を待つ。磁気嵐の巻き起こした風が一陣吹き抜けて土砂を巻き上げ、両者の視界を一時遮った。この土煙が晴れた時がイクサ開始の合図……!

ニンブルラビット持ち物:万札5 スダチカワフ・バズーカ、ミハルカスタム・スナイパーライフル、光学迷彩コート

ブルーアント

44へ移動 

ブルーアントは近場で感じたもう一人の気配を追っていたが既に移動した後だったようだ。「チッ…逃したか。」彼には知るよしもないことだが先程までここにいたニンジャ、ディスパッチはニンブルラビットを仕留めるためにそちらの方に向かったのである。

ブルーアントは磁気嵐の中に築かれた謎めいた安全地帯の端を見やった。磁気嵐は静止したわけではない。非常に緩慢とした動きだが、明らかに加速しながらジワリジワリと安全地帯の中央点に迫っているのだ!おそらくもう次の獲物を探す時間はないだろう。

「潮時だな、ここまで粘ってニンジャ一匹とは情けねぇぜ」ブルーアントはヘリに向けて合図のノロシを炊くと、アリ達を再び体内に収納し始めた。イクサの終わりは近い。

ブルーアント持ち物 持ち物:万札29 オムラ・アサルトライフル×3 スダチカワフ・ショットガン チャカガン カタナ ミハルカスタム・スナイパーライフル アーク放電ライフル トロ粉末、スシ、家族の写真、ノダチ、

ニンブルラビットvsディスパッチ

ディスパッチ カタナ強攻撃41425  回避3245

ニンブルラビット連続側転6415 カラテ23543 回避26

ディスパッチ カタナ強攻撃61166ナムアミダブツ! 回避446 成功

ニンブルラビットカラテ51554 ディスパッチ回避45 体力0 

土煙に覆われた南東の平原。今回のニンジャロワイヤル最後のイクサであるニンブルラビットとディスパッチの激突が今まさに始まろうとしていた。再び一陣の風が吹き、土煙が吹き飛ばされた。「イヤーッ!」粉塵の合間を縫うように駆け抜け、先手を取ったのはディスパッチ!

「イヤーッ!」ニンブルラビットはこれに対してカマじみたケリでカタナを受け止めて防御!そしてそのままロケットじみて跳躍!トビゲリを放った!「ヌゥ!?」ディスパッチはテッコで受け止めるが大きくたたらを踏み体勢を崩す!好機!

ニンブルラビットは残忍な笑みを浮かべる!「イヤーッ!!」地獄じみた疾走を開始!全速の勢いを乗せたヌキテ・チョップでディスパッチにトドメを刺さんとして飛びかかった!しかし、それを見たディスパッチは……不敵に笑ったのだ!(かかったな。)そう!ここまでがディスパッチの秘策!明らかな好機は罠!

ディスパッチはニンブルラビットの凶暴さを加味し、大きく体勢を崩してチャンスを作ってやれば防御を捨てた攻撃特化のカラテを放ってくると予想。そしてその瞬間にサイバネを駆使して体勢無理やり立て直し、突っ込んでくるニンブルラビットにカタナを突き立てて串刺し殺!

この相手の勢いとスラスターの推進を組み合わせた回避不可能の一撃を放つ一連の動きこそディスパッチの目的!「イヤーッ!」ナムサン!ディスパッチの背面サイバネスラスターが起動!体勢をその勢いに任せて立て直し、ニンブルラビットの眉間へとカタナが伸びんとする!イクサ決着か!?

ドクン。まさに死を迎えるその瞬間、ニンブルラビットはソーマトー・リコール現象に入った。死の瞬間に過去の記憶や謎めいた映像が引き延ばされた時間の中で再生されるという神秘的な現象だ。ニンブルラビットは数千倍に淀んだ体感時間の中で、ありし日のドラゴン・ゲンドーソーとの修行の記憶を見た。

「ニンブルラビット=サン、おぬしは死の淵からニンジャソウルに憑依されて蘇った。ワシはそのこと自体は嬉しく思う。」「ハイ」これはニンブルラビットがニンジャになってすぐのころ、ゲンドーソーに呼び出された時の記憶だ。当時のニンブルラビットは気づかなかったが、ゲンドーソーの表情には常の厳しさの中、ほのかに安堵や哀しみなど様々な感情が込められていた。

「だが、それは同時に未だ未熟な精神に見合わぬ強さをおぬしが得てしまったことをも意味する。インストラクションだ。ニンジャ・ソウルに呑まれるなかれ。手綱を握るのはおまえ自身。この言葉を忘れずに、真なるニンジャに至れ。」ゲンドーソーの神秘的な言葉が終わると景色は一変し、ニンブルラビットは荒野に打ち捨てられた天井のないドージョー跡で黒い影と対峙していた。

暗い影からは無数の触手じみた根が伸び、ニンブルラビットの体に突き刺さって侵食している。そしてそこからは苦痛のような快感のような悍ましい感覚と共に何らかの力が供給されていた。身動きが取れぬ!「ヌゥー!?」ニンブルラビットは苦悶!影は嘲笑う!

だがニンブルラビットは一瞬前の記憶を呼び起こし、冷静に呼吸を整えた。「スゥー!ハァー!、スゥー!ハァー!」実際それはかつて見たローシ・ニンジャのチャドー呼吸の拙い見真似であった。しかしここは精神世界、大事なのは気の持ちよう!ニンジャラビットの肉体にみるみる内にカラテが巻き起こる!

「ドラゴン!」キアイで影の根を振り払う!そしてカラテを構えニンブルラビットは敵を睨んだ!「私は私だ!そう簡単に負けはしないぞ!」そして飛びかかった!「イヤーッ!」影は声無く激昂し、迎撃のヌキテ・チョップを放つ!致命的なスピード!

「イヤーッ!」しかしニンブルラビットは脚力で無理矢理突撃を中断!相手のチョップのタイミングをずらした!「!?」「イヤーッ!」ニンブルラビットが放った回し蹴りがチョップを振り抜いた隙だらけの影に直撃し……「グワーッ!?」視界が現実に戻った!幻影と重なるようにニンブルラビットの回し蹴りを受け悶絶するディスパッチ!

((何が…起きて…!?))困惑する両者!ニンブルラビットがほんのコンマ秒の中で幻影を見ている間、現実では何が起こっていたのか?時をディスパッチがスラスターを起動させ始めたあたりにまで戻そう。勢いよく刺突を放ったディスパッチのカタナの切っ先はニンブルラビットの眉間へと正確に伸び、もはや決着は必然かと思われた。その時!

ニンブルラビットが突如として前方の地面にキック!脚力任せにブレーキをかけカタナ目前で止まったのだ。文字通り危機一髪!ディスパッチのカタナは皮膚を突き破り頭蓋骨まで到達していたがそこまでだった。ニンブルラビットはギリギリで串刺し死を免れたのである!

そしてニンブルラビットは地面に突き刺した脚を軸に、未だ殺しきれぬ突撃のスピードをも加算させてコンパスめいて回転!ディスパッチのコメカミに蹴りを打ち込んだのだ!ゴウランガ!なんたるソーマトーとドラゴン・ドージョーの教えが生んだ運命的カラテムーブメントか!!ニンブルラビットは師に感謝した。

一方ディスパッチ。「ピ…ピガー!?」サイバネが悲鳴を上げ膝をつく。ダメージは甚大だ。しばらくの回復は見込めまい。任務遂行は絶望的、ならばどうするか?ディスパッチは状況判断し、彼を捕縛しようとバイオ麻縄を取り出したニンブルラビットに向けて不適な笑みを見せた。「サラバ」

次の瞬間、ディスパッチは胸部サイバネに取り付けられたスラスターを発火!後方にピンボールじみて飛び出すと磁気嵐の只中に突入!打ち砕かれて爆発四散した!「サヨナラ!」こうしてディスパッチは所属不明の傭兵ニンジャとして死に、ニンジャ組織アマクダリとの関連を示す証拠は隠滅されのである。ニンジャロワイヤル最終戦、決着!

ニンブルラビット持ち物:万札18 スダチカワフ・バズーカ、ミハルカスタム・スナイパーライフル、光学迷彩コート、カタナ、アマテラスアームズ・チェーンソーブレード

ニンジャロワイヤル終了

:生き残りは二名。結果はニンブルラビット万札18、ブルーアント万札19でブルーアントの勝利!オメデト!

エピローグ

ニンブルラビットはディスパッチの壮絶なセプクを目の当たりにし、縄を取り出したマヌケな姿のまま一時固まると、ガックリと膝を落としさらに大の字になって倒れた。そしてそのままフトコロからノロシを取り出し雇ったヘリコプター操縦士に連絡した。そして空を見た。

巻き上げられた地上の様々なものを含む黒雲は皆同じ方向に螺旋を描いて白い空に登り、奇妙な紋様を描いていた。それは地上からみるとまるでこちらを睨みつける巨大な異形の眼のように思えた。それを見たニンブルラビットは思わず身震いした。

一分も立たずに倒れ尽くすニンブルラビットの頭上からバラバラと大きな音と縄梯子が降りてきた。ヘリコプター操縦士は自己判断し、すでに近い位置までニンブルラビットを迎えにきていたのだ。

ニンブルラビットにヘリの拡声器の音が落ちてくる。「お疲れさん、収穫はあったかい?」「私のは何も…アンタにとっては上々だ。」ニンブルラビットはそう言いながらディスパッチのドロップした品物をかき集める。生き残った場合、操縦士に回収した物資を報酬として払う契約だ。そして上昇し始めた縄梯子に取り付くと疲れた体に鞭打って登り始めた。

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そこから少し離れた荒野上空。『オメデトドスエ、優勝はブルーアント=サンです』キリステ紋のついたヤクザヘリの中でブルーアントは自身のIRCから発せられる電子音声を聞いていた。「ヤレヤレ、運が良かった。なんとかノルマは満たしたな。」ブルーアントはため息をつく。

今回のニンジャロワイヤルは闇カネモチ達に中継されソウカイヤ首領ラオモト・カン主催の賭けの対象になっていた。他のニンジャ一人倒すごとにポイントが付与され、そのニンジャの持つポイントが倒した側に付与されていき、最終ポイントが高いものが優勝となる。

今回ブルーアントはスイングダウン一人を仕留めただけだ。しかしあの段階でもっともポイントを稼いでいたスイングダウンのポイントを総取りしたことでブルーアントは一気に優勝台に躍り出たのだ。

賭けに勝ったカネモチは、優勝ニンジャに賞金の一部を何らかの手段で譲渡するルールがある。今回の場合は自組織のブルーアントに一点賭けしていたラオモト=サンからブルーアントに、おそらくボーナスとして引き渡されるだろう。

ブルーアントの目的は滅んでしまった自身のクラン再興だ。そのためにソウカイヤの中で一定の地位につく必要がある。今回の優勝もその糧だ。「見ていてください、オヤブン。」オレンジの光に照らされたブルーアントは懐の写真を撫でながら呟く。外はいつのまにか夕暮れ時となっていた。

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ニンブルラビットは縄梯子をようやく登り切り、ヘリコプターの座席に座っていた。荒野を離れていくうちに、先ほどまで肉体を満たしていた暗黒の力が抜けていくのを感じた。操縦士によれば自分たち以外にも、ソウカイヤのヘリとスカベンジャー民間人を回収しにきた地元ヘリが降り立ち、それぞれの相手を乗せていったという。それが意味することは…。

あの戦場で生き残ったのは顔も知らぬソウカイヤのニンジャと自分だけだという事実にニンブルラビットは身震いした。窓から先ほどまで自分のいた戦場を見ると磁気嵐はまるで役割を終えたかのように静まり返り、荒野は平静を取り戻していた。明らかに不自然だった。

あの場で自分は戦場の高揚感に飲まれ、未熟にもニンジャソウルに飲まれた。それが真実だろうか?否。ニンブルラビットのニンジャ第六感はそれが半分正解で半分不正解であると囁く。あの時に感じた力は二つ、一つは内から湧き出る力、もう一つから外から流れ込む力。湧き出る力はニンジャソウルのものだとしてもう一つは?

ニンブルラビットは一つの仮説を立てる。恐らくあそこに眠るレリックがニンジャ達を引き寄せ戦わせ、特に相性の良い個体を凶暴化させているのだ。目的はわからない。ふさわしい使い手を探しているのか、生贄を求めているのか、あるいは…。あの磁気嵐もレリックが引き起こしたものだろう。そもそもの起こりである輸送船団墜落の原因も磁気嵐だ。この地はニンジャロワイヤルが引き起こされる頻度が他より高いと聞いたが…。

ニンブルラビットはそこで考察を一旦打ち切る。もしこの考察が事実ならば自分がレリックを無事に回収したとしても逆にレリックに乗っ取られていたに違いない。おそらくセンセイはそれが分かっていたから自分たちに何も言わなかったのだ。自分は、センセイの気遣いを誤解し、勝手に飛び出して、殺生を重ね、そして何も為さず逃げ帰ったのだ。

ニンブルラビットは己の愚かさを呪い、そんな己をさらに恥じた。だが……少なくとも命は拾った。ニンジャソウルの恐ろしさを知った。ここまでの掟破り、場合によってはドージョーを破門される可能性も十二分にある。だがここで戦った事実が、己のエゴとカラテがなくなるわけではない。

ニンブルラビットは地平線を見やる。磁気嵐が巻き上げた粉塵はすでに吹き飛ばされ、異様ながらも美しい光を放つ夕暮れの太陽が現れていた。ニンブルラビットと、そして少し離れた地点のヘリに乗るブルーアントはそれに見とれしばし時を忘れた。

今日、9人のニンジャが戦い、二人のニンジャが生き残った。ニンジャの人生は過酷だ。生き残った者達も今日のうちに無様に爆発四散するかもしれない。あるいは何もなせずに落伍者としての道を歩むかもしれない。だが今は、今だけは、ニンジャ達の生存と未来を祝福しよう。

【イービル・スピリッツ・イン・ザ・バッド・ランド】終わり

リザルト

ブルーアント▶︎勝利!

勝利報酬として万札10 名声+1 余暇2

持ち物:万札29 スシ オムラ・アサルトライフル×3 スダチカワフ・ショットガン チャカガン カタナ ミハルカスタム・スナイパーライフル アーク放電ライフル トロ粉末、家族の写真、ノダチ

・取得した武器の中に特に欲しいものはありません。ソウカイヤに回収されたことにします。

ニンブルラビット▶︎敗北!

報酬はなし

ニンブルラビット持ち物:万札18 スダチカワフ・バズーカ、ミハルカスタム・スナイパーライフル、光学迷彩コート、カタナ、アマテラスアームズ・チェーンソーブレード

・物資類はヘリコプター代として支払い、なくなります。万札のみゲットです。

余暇

・ブルーアント 

ブラックマーケットで伝統的礼装、ニンジャレガース、オーガニック・スシ、ZBRアドレナリン注射器を購入。
余暇1、万札6でカラテ鍛錬36 成功カラテ4
余暇2、万札6でカラテ鍛錬39 成功カラテ5

・余暇後ステータス

◆ブルーアント(種別:ニンジャ)所属:ソウカイヤ 名声:2
カラテ5      体力6
ニューロン3    精神力5
ワザマエ3     脚力2   
ジツ2       万札6
攻撃/射撃/機先/電脳  5/3/3/3
回避/精密/側転/発動  5/3/3/5

緊急回避ダイス:1  即応ダイス:4

◇装備や特記事項
⭐︎スウォーム・ジツlv2、
▲▲戦闘用バイオサイバネ
伝統的礼装、ニンジャレガース
トロ粉末、、オーガニック・スシ、ZBRアドレナリン注射器、家族の写真


まだまだ弱いです。しかし万札が多くどうせなら派手に使おうと思い、装備は良くなりました。今後のパワーアップに期待しましょう。

・ニンブルラビット
余暇はありませんがステータスを通常ルールのものにコンバートしましょう。それが報酬代わりです。

・格闘系ソウルはカラテ+1、ワザマエ+1として処理します。
・乱射2は◉スリケン乱射とします。
・●タツジン:ジュージュツはあの荒野で得ていた力ということで思い切ってカットです。
・精神力+1は◉忠誠心:ドラゴン・ドージョーとします。

整えると以下のステータスになります。

◆ニンブルラビット(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー 名声0
カラテ4      体力4   
ニューロン3    精神力4  
ワザマエ5     脚力3  
ジツ0       万札18  
攻撃/射撃/機先/電脳  4/5/3/3
回避/精密/側転/発動  5/5/5/0

緊急回避ダイス:0 即応ダイス:5

◇装備や特記事項
『◉スリケン乱射』、『◉忠誠心:ドラゴン・ドージョー』

特に余暇もないのにステータスが2も上がりスキルが二つ手に入るのは中々破格ですがせっかく生き残ったのです。ヨシとしましょう。

今回はつけませんでしたが◉ニンジャソウルの闇も将来的につけましょうか。

終わりに

 ようやく終わりです。今までやってきた中で一番長いリプレイになりました。
 お互いを未発見状態にした結果、遠距離攻撃がだいぶ使いにくくなってしまっている感が否めないですね…反省です。しかしこれだけのイクサを一本のプレイで行うのは中々面白かったです。番狂せやダークホースの存在もあり満足感のあるプレイでした。面倒ではありますがまたやってみたいですね。
 最後になりますが、ここまで読んでくださってありがとうございました。それでは次の記事でお会いしましょう。

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