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【脚本】クマ吉の想い(仮)

自主制作映画のサークルに入っています。
その中に脚本(シナリオ)を書くグループもあって、それに参加しています。

毎回テーマを決めて10分ぶん(400字詰め10枚分)の作品を書いています。
素人あがりなので、いつもダメ出し食らってますけど(苦笑)

そんな(汗)な脚本ですが、気に留めていただけたら幸いです。


【テーマ】
400字詰め原稿用紙3枚分
カメラは固定

クマのぬいぐるみをカメラ目線にして話を書いてみました。

ホントは7枚位書いたんですが、3枚に縮めるの難しかったです。
会話文の次の行は一時下げ、ト書は3字下げなんですけど、上手くいかなかった😓


クマ吉の想い(仮)


               たらお


登場人物


 詩織(28)会社員 芳恵の養女

 芳恵(46)詩織の養母

 クマ吉(28)クマのぬいぐる

       カメラはクマ吉の目線




○詩織の部屋(夜)

   勉強机に座って何か書いている詩織
   時折り、ペンを揺らしたり頭を掻いたりしている。

クマ吉の声「俺の名はクマ吉。デパートのぬいぐるみ売り場で詩織のママと眼が合い家族になった。生まれたばかりの泣きじゃくる詩織と俺は施設に預けられママはそれっきり戻っては来なかった…詩織は俺を抱きしめ泣いたり笑ったり、今年で28年か」

   夜食を持って部屋に入ってくる、芳恵。

芳恵「どう、進んでる?」

詩織「まだまだ、かかりそうかな」

芳恵「だったら、こうした方がいいんじゃない?」

詩織「その手があったか、芳恵さんありがとう」

芳恵「どういたしまして」

   芳恵、手身振り振りしながら詩織に何か話している。

クマ吉の声「詩織は小5の時、芳恵さんの娘になった。芳恵さんも同じ施設で育ったらしい。歳の差は18ある。お母さんと言うより、お姉さんだな」

詩織「芳恵さん」

芳恵「何?」

詩織「私を養女にして本当によかったの?」

芳恵「え?また聞くの?答えは同じだよ。よかったに決まってるじゃない。嫌だったらもう縁切ってるって」

詩織「うん」

芳恵「私が施設に顔を出すと、詩織ちゃんてばいつもクマ吉持って私の所に走って来てたじゃない。あの姿が可愛くってさ。娘にしたいって」

詩織「クマ吉(笑)」

   笑いながらクマ吉(カメラ)の方を見る、2人。

クマ吉の声「2人して見んじゃねえよ、恥ずかしいじゃないか」

芳恵「腕が取れたクマ吉持って、泣きながら走って来た時もあったしね」

詩織「嫌なことがあって、ぶん回してたら取れちゃって(苦笑)」

クマ吉の声「あれは、キツかったな。目が回って気絶して気がついたら片方の腕、ねぇの」

芳恵「クマ吉は詩織ちゃんの心の友だからね」

詩織「所詮ぬいぐるみだから、何も返事してくれないし、一方通行だよ」

芳恵「何も言わないけど、それ分かってて詩織ちゃんは話すんでしょ?クマ吉は聞き上手なんだよ」

詩織「聞き上手、言われるとそうかもね」

芳恵「海外では、生まれた子にクマの縫いぐるみをプレゼントしてその子は大人なってもずっと持ってるじゃない?」

詩織「ドイツの」

芳恵「うん、そう」

詩織「クマ吉も私も28歳だよ。いい歳じゃん」

芳恵「2人して適齢期、だね。所で詩織ちゃん、阿部くんと、そろそろどうなの?」

詩織「まだ、その気ないよ。芳恵さんこそ46じゃん。いい人いないの?」

芳恵「私はいいよ。だって、こんなにいい娘がいるから」

芳恵、詩織の頭をくしゃくしゃにする。

詩織「芳恵さん、痛いよ」

芳恵「大丈夫、頭の回転よくなるから、じゃ頑張って」

   芳恵、部屋を出る。

詩織、席を立ちクマ吉(カメラ)のほうに来る。

詩織「クマ吉、抱きしめていいかな…泣いてもいいかな…」

クマ吉の声「おう。いくらでもいいぜ、俺は  詩織の心の友だからな」

(おわり)

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