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【脚本】よしお

【SF】というテーマで書きました。
2022年の9月に書いたものです。

ロボなのに名前がひらがなで人間がカタカナって⁈と、クスッとされましたし、ココなんですか?はいココでいいんです!ってクスッとされたりしました。
今Xで、この人形との会話を少し書いているのですが、多分(まんまポリスじゃん!)て言われそうですが、自分もそう感じています。

原稿用紙10枚分です。

続編を描くつもりで(第一話おわり)にしたのですが、まだかけていません(汗)



   よしお(仮)

                たらお



【登場人物】
 よしお(6) 小学一年 おとなしい

 トオル(6) 小学一年 やんちゃ

 ハコ (15) AI対話ができる。姉ちゃんのような存在

 博士(50) 女性 よしおの生みの親



第一話
○プールの更衣室(昼)

   夏休み。プール用の更衣室。

   よしお(6)とトオル(6)隣り合わせで水着に着替え始める。

   よしお、ラップタオルをかぶる。

トオル「お前、てるてる坊主かよ」

よしお「お母さんがつけろって」

   トオル、白いパンツを勢いよく下にさげると床に両足で踏みつける。

トオル「お前さ、これだろ」

   後ろを向き男性器の部分に手を当て内側に入れると正面を向く。

トオル「ワタシ女よぉ」

   体をくねらすトオル。

よしお「わっ、なんだよ」

トオル「女だろ」

よしお「違うよ」

トオル「ちゃんとついてんのか」

   トオル、男性器の位置を戻す。

よしお「ついてるよ」

トオル「見せてみろ」

よしお「いやだ」

   海水パンツを履き終わり、ラップタオルを脱ぐ。

   トオル、よしおの股間の辺りをジーッと見る。少しモッコリしている。

トオル「ちゃんとありそうだな」

よしお「あるよ」

トオル「男だ」

よしお「うん」

   ×  ×  ×

○住宅街(昼)

   学校終わり、2人歩いている。

トオル「お前泳げないのな」

よしお「うん」

トオル「俺(両腕を前に出し)ビート板なんか使った事ねえよ」

よしお「トオル君は兄ちゃんから教えてもらったんだろ、俺は兄ちゃん居ないから」

トオル「さっき姉ちゃんいるって」

よしお「姉ちゃんは女だから一緒に泳がないよ」

トオル「(不思議そうに)ふぅ〜ん」

よしお「トオル君、また泳ぎ方教えて」

トオル「うん、いいよ」

よしお「ありがとう」

トオル「あ!今度お前んち行っていい?」

よしお「うん」

トオル「じゃ、またな」

   2人、別々の道を行く。

   ×  ×  ×

○よしおの家・リビング(同刻)

   テーブルの真ん中に白い四角い箱。

よしお「ただいま」

   ハコ(15)が喋り出す。

ハコ「おかえり、学校楽しかった?」

よしお「たまには違う事言ってよ」

ハコ「いいじゃんお母さんみたいでさ」

よしお「はいはい、楽しかったですよ」

ハコ「今日初めてのプールどうだった?」

よしお「そうだ着替えてる時ヤバかったよ」

ハコ「なにが?」

よしお「(股間を指差し)バレそうだった」

ハコ「それはヤバイ」

よしお「だろ?」

ハコ「見た目は普通だけどソコだけはね」

よしお「プール入るのもう嫌だな」

ハコ「プールの水、大丈夫だった?」

よしお「多分」

   ハコ、よしおの体をサーチする。

ハコ「うん、大丈夫そうね」

   棚の上にある、とおると博士の写真(博士の顔にシールが貼ってある)

よしお「なんで博士はこんな所に人工知能を埋め込んだんだよ。恥ずかしいったらありゃしない」

ハコ「人は頭ぶち抜かれたら終わりだからね。ソコはすぐにやられないじゃない」

よしお「腕とか足とかでもいいじゃん」

ハコ「腕や足も取れるからソコなんだって」

よしお「やだやだこの小学生の体もいやだ」

ハコ「いいじゃない、可愛くて」

よしお「博士があの体は子供で頭脳は大人のアニメ好きだからってコレだからさ」

ハコ「クラスメイトにバレてないんでしょ」

よしお「そうだね、大人しくしてるから」

   よしお、冷蔵庫を開けエナジードリンクを出し飲み始める。

よしお「博士は?」

ハコ「研究所」

よしお「少しは休んだらいいのに」

ハコ「研究が好きなんだから仕方ないよ」

   よしお、水着を洗濯機に入れ始める。

ハコ「博士が作ってくれたスカートどうだった?」

よしお「スカートじゃなくて、被るんだよ」

   両手で持ち肩くらいまで上げる。

ハコ「あはっ、てるてる坊主じゃない」

よしお「トオル君にも言われた」

ハコ「可愛い可愛い」

   よしお、くしゃくしゃに丸め洗濯機の中に放り込む。

よしお「もう寝るよ」

ハコ「あら、早いわね」

よしお「プール入ったから凄く疲れた」

ハコ「いいな私は疲れるって事知らないから」

よしお「そうだ、トオル君が遊びに来たいって言ってたけどいいかな?」

ハコ「いいんじゃない、よしおに友達が出来たなんて嬉しい、見てみたいわ」

よしお「うん、じゃおやすみ」

ハコ「おやすみ」

   ×  ×  ×

○よしおの家の前(土曜日の学校帰り)

   こじんまりした日本家屋の一軒家。

   2人家の前にいる。

トオル「へー、こんなとこなんだ」

   よしお、玄関のドアに腕時計をかざすと、鍵が外れる音がする。

トオル「(驚く)え!え!何いまの」

よしお「鍵開けたんだよ」

トオル「ふつう(鍵を持つような仕草をする)ガチャガチャだろ」

よしお「うちは、こうだよ」

トオル「(驚く)おまえんち、すげーな」

よしお「どうぞ」

トオル「おじゃまします」


○よしおの家・リビング(同刻)

   よしお、テーブルの上にランドセルを置く。

よしお「トオル君もランドセル置きなよ」

トオル「うん」

よしお「ただいま」

   ハコが喋り出す。

ハコ「おかえり」

トオル「あ、うちにもあるよこれ、母ちゃんもよく喋ってるやつだな」

よしお「これ、ハコだよ」

トオル「ハコ?」

よしお「俺の姉ちゃん」

トオル「(驚く)え!これが姉ちゃん!」

よしお「そう、な、ハコ」

ハコ「そう私はハコ、よしおの姉、あなたがトオル君ね」

トオル「(驚く)うわ、なんだよこれ気持ち悪りぃ」

ハコ「(怒鳴りぎみ)何が気持ち悪りぃだトオル!私はあんたのお母さんが喋ってるのより、すんごい頭がいいの!普通はこんなして喋んないでしょ!」

   ハコから赤いレーザーが出てトオルの心臓の辺りを照らす。

トオル「(少し怯え)う、うん」

ハコ「(優しい口調で)わかったんならいいわ、ふふっ」

トオル「ほ、本当に姉ちゃんだな怖ぇぇよ」

ハコ「分かればいいの。トオル可愛いわね」


○よしおの家・冷蔵庫前(同刻)

   よしお、冷蔵庫のドアを開ける。

よしお「トオル君オレンジジュースでいい?」

トオル「いいよ」

   よしお、エナジードリンクと紙パックのジュース(オレンジ)を持ってくる。


○よしおの家・リビング(同刻)

   よしお、トオルにジュースを渡すとエナジードリンクを飲み出す。

トオル「(不思議そうに)なに飲んでんの」

よしお「これ?エナジードリンク、これが僕のエネルギー源。御飯みたなものだよ」

トオル「御飯て給食も食べてるじゃないか」

よしお「あれは砕いて出すだけだから、栄養になってないの」

トオル「お前難しいことばっか言うな、俺わかんねぇよ」

ハコ「よしお、見せてあげなよ」

よしお「そうだね」

ハコ「脱いだら凄いんですって」

   よしお洋服の上下、パンツも脱ぐ。性器部分に銀色のケースがついている。

トオル「(驚く)うわぁ!ちんこが無い」

よしお「僕はアンドロイドなんだ」

   覆っているケースを外す。

   赤と青のボタン、小さな心電図が規則正しく波打っている。

(第一話おわり)

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