歌詞や楽曲についての解析話が結構好きなのですが、
先日「転調」についての話を耳にしました。

一曲の中でこの転調を取り入れると、
聴いている側は「あれ？」と少し調子が狂う事で、
曲に変化をもたらすのだそうで。

まぁ確かにそうだよね。

ただ、最近の曲では転調しまくりな技を繰り広げているものもあり、
個人的には転調しすぎるのは心持ちがあちこち振り回される感じがして
『面白いけど心地良くないなぁ』なんて思ったりもしますが。

でも基本的には転調が入る曲は好きですね。

でもってそう言えばC-C-Bも転調する曲が
結構あるよなぁなんて思いました。

しかもC-C-Bは転調するだけじゃなく、
ボーカルも変わったりするから、
一曲の中でも雰囲気がガラッと変わる場面があり、
それが飽きなくて、だけどやりすぎないから面白くて心地良い。

「愛の力コブ」の歌い出しAメロからBメロで
「長い髪の〜」と転調する所好き。

「冒険のススメ」の「Take Adventure 〜」の後の、
間奏が転調する所も好きですね〜。

そしてこの曲「I SAY,I LOVE YOU」も転調祭りです。

良いですね〜。
「個人的C-C-Bで好きな曲ベスト10」では10位に選んでいます。

と言う事で、
今回の楽曲レビューは「I SAY,I LOVE YOU」についてです。

ちなみに「I SAY,I LOVE YOU」はシングルB面バージョンと、
アルバムバージョンがあります。
大きな違いはないけど、終わり方が違いますね。

シングルではあの「Romanticが止まらない」のB面なんですよね。
なのでB面とは言え、制作当時は気合が入っていたんじゃないかな？

アルバムバージョンは「すてきなビート」に収録されていますね。

作詞：松本隆さん　作曲：筒美京平さん　編曲：船山基紀の、
ゴールデントリオですね。

A面「Romanticが止まらない」は
C-C-Bにしてはやや大人っぽいチューンですが、
B面はわりと低年齢層向けっぽいピコピコ系テクノサウンド。

「Romanticが止まらない」のイメージとはちょっと違う雰囲気。

でも、B面にC-C-Bの（大人達が）売り出したい方向性が垣間見えます。

シンセドラムとシンセサイザーがとにかく耳につきます。
これまでにない新しいサウンドを
前面に出していこうという思惑が感じられます。
「Romanticが止まらない」は幅広い層に、
「I SAY,I LOVE YOU」は、若い人に聞いてもらう事を見据えているような。

それでもってコーラスの美しさも兼ね備えつつ。
コーラスはそれまでのC-C-B（ココナッツボーイズ）の強みだけに、
使わない手はないですよね。

「Romanticが止まらない」目当てでレコードを買った人に、
C-C-Bの本質をアピールするかのような楽曲です。

歌は男性と女性の言葉が、
追いかけるように織りなす手法が珍しい。

最初は渡辺さんと関口さんのちょっと不埒な男から始まり
（不埒なキャラはどうしてもこの二人の担当になりますね・・^ ^;）、
女の子役の笠くんの本当に女の子みたいな声が被ってくる。

この笠くんの声も「え？ 女の子じゃないの？」という
インパクトの狙いを感じます。
（余談ですが86年EASTライブでの笠くんの歌い方が、
一層ふんわり優しく歌っていて好きですね〜）

そして渡辺さん・関口さんと笠くんの掛け合いが終わると
転調する事により渡辺さん単独にも関わらず
「膝を抱いて〜」と入ってくる所がぐっと印象的になるんですよね。

本来ならAメロからBメロってさらっと過ぎていきがちなんだけど。

最後の方も「月を浴びて波が輝く」と
「あの娘の事ただのゲームさ」が転調して戻ってを繰り返しますね。
（「あの娘の事ただのゲームさ」の転調後のトーンが
ちょっとダークな感じで、
「この男はまだ浮気心が消えていないんじゃないか！？」と
勘ぐりたくなるような音なんですが・・）

転調の加減、音階や頻度が絶妙なんですよね。
これ以上転調すると鬱陶しい感じになると思います。

歌詞は全体的にはナンパな男と
それに気を揉む女の子の痴話喧嘩的な内容なのですが、
歌い出しの「月を浴びて波が輝く」というシチュエーションが
この歌の世界観を綺麗にしています。
（結局この歌の男は誠実なのかそうでもないのか、
私は今だにわからないんですけどね・・。）

そしてアルバムバージョンだけですが、
最後の締めの部分も「月を浴びて I SAY,I LOVE YOU」の
リフレインがきれいで幻想的です。（大好き）

実はこの曲はC-C-Bを封印していた間に忘れていたんですよね・・。

笠くんの事がきっかけで、
いろんな人のブログとか読み漁っていた時に、
どなたかのブログで「I SAY,I LOVE YOU」という曲名を見て、
「はて？ どんな曲だっけ？」と思ったほどで。

ロマンチックな題名からして「I LOVE YOU」的な
甘めの曲かなぁ（「I LOVE YOU」は覚えていた）
なんて思っていたのですが、
YouTubeで見てみて「うわ！ この曲あったあった！」と思い出した時は、
懐かしすぎて鳥肌が立ちました。

なんと言ったらいいのか、あまりない独特な曲です。

ロマンチックでありながら、少しコミカルな感じもあり、
でもってちゃんと聴き込むとかなり手が込んでそうな。

よかったら聴いてみて下さい。