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日韓基本条約及び請求権協定問題の通訳場面から考える韓国

韓国語使いの筆者の立場は、韓国側に日韓基本条約及び請求権協定を遵守していただく、これに尽きる。現在問題になっているのは「旧朝鮮半島出身労働者について」そのものではなく、あくまで韓国側が基本条約と請求権協定に反している問題なのだ。

筆者には交渉にあたっての場面場面での読み取りが興味深かった。韓国側でも大きく話題になったようだが、2019年7月に河野外相(当時)が韓国の南官杓大使(当時)に抗議した。

韓国の南官杓大使が韓国側での検討の提案に言及したところ、河野外相が「ちょっと待ってください」とさえぎり、「韓国側の提案は全く受け入れられるものではないことは以前よりお伝えしている。それを知らないフリをして改めて提案するのは極めて無礼」(動画8:00ごろ-)韓国語使いの筆者としては、この場面には非常に驚いた。

そもそも、通訳は日本側の通訳は日本語だけを相手国側の言語に訳し、相手国側の通訳は相手国側の言語を日本語に訳すことで、双務性が確保される。実際、企業の取引だと筆者が「往復」とも通訳してしまう場面があったが、
交渉ペースが当然ながら当方が握ることができてしまう。このため、外交交渉などでは必ずこの動画のように双方で通訳する。また通訳が入る場面で相手側の通訳の終わらないうちに話してしまうのはマナー違反とされている。双方が言いたいことを言い合うことを確保するためのルールと言える。

この外交上のマナー違反は認めざるをえない。ただし、このマナー違反を犯してでも、日本側として言うべきことをカメラの前で明言したのは政治としての判断であり、筆者はこの河野外相の判断と発言を全面的に支持する。

また、河野外相の座り方と南大使の座り方が面白い。河野外相は腰痛持ちで姿勢をたびたび変えている。これが映像になると何か尊大な態度にも映りかねない。特に韓国に対してだとこうした点が過剰に話題になりがちだ。実際、国会審議でクソ野党から座り方がどうだとかのつるし上げまであった。腰痛持ちで苦しんでいる方にもこの事実は知っていただきたい。(現在デジタル庁でバランスボールを使っているそうな)一方で、南大使のかしこまった態度は職業外交官として丁寧でおとなしい韓国人によくある誠実な態度ではある。この点は日本側のマナー違反の中で敬意を表したいところだ。

通訳のほうの動きを見てみよう。筆者も含め日本側の韓国語通訳の発音(特に男性)は正直あまりうまくない。20代で第3外国語以上での学習ではそれなりに限界がある。事前に調整した内容での逐次通訳は、比較的簡単で、淡々と通訳している。

ただ「ちょっと待ってください」は、訳せずに流した。「それを知らないふり」も、一瞬迷ってる。その後、「極めて無礼」は事前に全く打ち合わせしてなかったようで、たじろいで「欠礼」と表現し、通訳者のちょっとした動揺がよみとれる。自分でもたぶんそう訳したし、そうなったとは思う。一方で韓国側の日本語通訳(女性)の流暢で、自然な日本語には脱帽する。中途で通訳を遮られたときに非常に驚いてるのが印象的だ。

またこういう場面で活ける花は正直言って難しい。花言葉から、意図を別の意味の捉えたりしかねない。画像から、このひまわりの品種はサンリッチレモンかサンリッチオレンジだろう。

サンリッチオレンジの花言葉は「未来をみつめて」

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これは意味深だ。1990年代以降「未来志向」を言い続けてきただけに、この場面で改めてサンリッチオレンジをバックに強烈なことを言うのはなかなか味がある花の選択にも思った

一方、サンリッチレモンの花言葉は「願望」。色が薄いのでこちらのように感じるが。しかし、この場面で韓国側に対しての「願望」はあり得ない。「日本政府の考え方は以前よりお伝えしている」(河野外相)だからだ。

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実は、韓国での「ひまわり」は「待っていてください」の花言葉の意味になり、恋愛映画などで徴兵に行く際に恋人に持たせる花としてしばしば登場している。しかし、この場面で日本側から待っていてください、というような局面ではないし、あり得ない。

そういえば、ひまわりの黄色を見て思い出したが、彼女が使っている黄色いノートが筆者には強く印象に残る。これは韓国で売られているもので日本では売ってない。ソウルで学んでいた時に使っていて、懐かしく思い出される。日本と交渉するのに、持ってるノートが日本製では、、ということで彼女なりの意地のように思える。

彼女も使っている黄色いノートを、自分はソウルで何冊使っただろう。

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