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ネコの子育ては案外スパルタ

私はたくさんのネコを飼って来ました。

始めは、置き去りにされたネコを引き取ったのです。

私の机の下が産室になり、何匹もの子猫が産まれました。もらい手を探すのは私の役目でした。

母猫は、子猫が皿の縁をかじらずに餌を食べられるようになると、木登りを教えます。母猫は子猫の首をくわえて木に登ると、子猫を置いてさっさと降りて来ます。そして、木に背中を向けて座り込みます。子猫が降りようと、爪をたてたり泣いたりしてもじっと座ったままです。耳だけは子猫のいる木に向けているのです。そして、子猫の鳴き声が変わった瞬間に、木に登り降ろしてやります。これを子猫が自分で降りて来られようになるまで何回か繰り返します。

人間の親なら、
「危ないよ。しっかり掴まって!」
「右側に枝が有るから足をかけて!」
などと指示を出すものですが、母猫はニャーの一言も鳴きません。しかし、全身で子猫を見守って居ることは分かります。母猫の背中や耳が 子猫に向けられて居るからです。

人間の子育ても、こうありたいと思ったものでした。余計な言葉をかけずに、しっかりと見守る。そんな親で居なさいとネコに教えて貰った気がします。クールに見える猫ですが、実に愛情深くきっちり教育する動物なのです。

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