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陰謀論者(7):HAARP

前回はM7以上の地震を人工的に引き起こすことができるかについて取り上げましたが、今回は人工地震に関する陰謀論に出てくるHAARPについて取り上げます。

HAARPについて

高周波活性オーロラ調査プログラム(HAARP)を大雑把に説明すると

  • 高周波(短波)を用いた電離層ならびに地球近傍の宇宙環境で発生する自然現象について研究するプロジェクト

  • アラスカ大学などがこの研究に携わっている。当初は国防高等研究計画局(DARPA)などの米軍関係者もこの研究に携わっていたが2014年末をもって撤退した

  • アラスカ州のガゴナ近郊に研究施設がある

  • 研究施設の中核となっているのが180本のアンテナで構成された電波送信器で高周波を電離層に向けで照射することで電離層にあるプラズマの一部を一時的に励起(加熱)することができる

という具合にあくまで電離層加熱実験施設にすぎないが、陰謀論者の間では天変地異を自由自在に操ることができる超兵器として扱われているみたいです。

地震兵器

HAARPは人工的に地震を起こす手段として使われ、2011年3月11日に発生した東日本大震災もHAARPによって引き起こされと主張しているが全くのデタラメです。というのも、HAARPの研究施設にあるアンテナから高周波を空に向けて放射しても電離層のプラズマを加熱することができても水中や大地を通り抜けることはできません。ただし、極低周波(極超長波)の場合、水中や大地を通り抜けることができるが加熱する作用はありません。したがって、電磁波で地震を誘発させることはできません。ちなみに、東日本大震災の発生前に震源域上空の電離層に異常がみられたという報告があるみたいだが、原因は分かっていません。


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