売買手法の作り方とシンプルなリスクコントロール

ーローリスクハイリターンを地味に探して繰り返していけば資産は増えていく

株式投資で利益を上げるための基本は、なるべく損をしない売買を繰り返すことだ。
ローリスクハイリターンのものを徹底して狙うことである。

ー時間、労力、資金の三つが投資家のHP

投資家のステータス値があるとするなら、それは投資にかけられる時間的余裕、投資にかけられる労力、投資に使える資金量の三つだと考える。
それぞれに能力値があって、能力値の中で最大の利益を上げるのが目標だ。
あるいは能力値そのものを努力して上げて、HPを上げることで優位に投資というゲームを優位に進めることができる。


時間的余裕がないと、保有していれば上がる銘柄を、別の理由で今売らざるを得なくなって負けることになる。
当日に売らないと高額手数料で強制決済される流行りのデイトレ一日信用取引などがまさにこれだ。


投資にかけられる労力がないと、知識を学んだり、材料を調べたり、優位な銘柄を探したりすることで避けられる損失を回避できない。


資金に余裕がないと、今買えば上がる銘柄が目の前にあるのに、塩漬け株や信用の買いポジションでいっぱいなために買えず、チャンスを逃すことで負ける。

まずはこれらの可能性を確実に排除していくことである。
負けの要因を一つずつ潰していくと、時間の経過とともに勝ちが積み上がっていくのである。

次に今度は勝ちを積み上げるために売買の手法を作り、PDCAサイクルで回す。
PDCAサイクルとは、PLAN,DO,CHECK,ACTの頭文字をとったものである。
P有効そうな手法を思いつき、買いを入れる条件やロットを決める
Dそれを実践投入してみる
C有効性を確認・修正
A再試行して精度を上げる
使えなければまた違う方法を考える。
という手順になる。
長期やテクニカルなどでは過去のデータを使ってバックテストなどを行う方法もあるが、短期ではさっさとロットを小さめにして投入してしまったほうが早い。

ー手法の作り方の基本は理論上ほぼ確実に儲かる手法を作り、そこから条件をゆるめていく

詰め将棋やゲーム理論のような発想で、優位な局面を探して確実に詰む一手を見つけ出す。
フリーランチ(ノーリスクで儲かる局面)は表向きは一応ないってことにしとかないと頭の悪いバカがうるさいから、詐欺師や商材屋以外はみんなそう言ってるだけなのだ。
時価総額5億の銘柄に10億の買い指し値入れたら損するわけがない(それだけで確実に儲かりもしないが)。
まとめて10億入れると法的に問題だが、資金の限り無限買いすれば何の問題もない。


低位株を少額ロットで無限ナンピンしてれば倒産しない限り絶対損しない。
この考え方の応用でFXのトラリピという手法なんかはレバ1倍以下でやればアメリカが破綻しない限り損しない、など。
しかし利益がゴミのような額にしかならないから誰もやらないというだけだ。


街で配ってるティッシュだけで普段使う分をまかなえばティッシュ代分儲かることになるが、それだけをやっても時給換算したら割に合わないから乞食しかやらない。


無料で食事ができる場所で食事をすませば食事代分浮くから、そういうことを意識してやってる人はいる。
それはティッシュより利益が大きく効率がいいからである。
供給不足で値段が上がっていた時に近くの量販店で売っている任天堂スイッチをメルカリで転売すれば、バカでも数千円確実に儲かった。
一台だけにしとけば売れなかったら自分用にすればいいが、欲張って数十台転売しようとしたアホは大株主任天堂怒りの大量売り出しによって大損となった。
これもフリーランチであり、リスクを考慮して一台売れたら一台仕入れて売り、買値以上で売れなくなった時点での在庫を自分用にすれば損はなかった。

今の私にとってはメルカリでスイッチを転売して数千円を得ることは割に合わないからやろうとも思わないが、学生時代は貧乏だったので、
ティッシュは通りかかったときだけでももらい、無料の食事はありがたくいただいていたし、スイッチは確実に転売していただろう。

タダ飯が株主優待に変わり、せどりの対象が株に変わっただけである。
最初はティッシュがもらえるとこを見つけることからはじめ、タダ飯を食べてコツコツ貯めた資金を元手にはじめてスイッチの転売を1台ずつやれるレベルになる。


ところがこれが株式投資になったとたん、信用取引で借金して転売用のスイッチを100台仕入れるようなことをしているのである。
しかもそれをはじめるタイミングがスイッチの品薄が情弱メディアのテレビのワイドショーで報道されて、みんなやってるというのをツイッターで確認してからなのだ。
これで儲かるはずがない。

株式市場も同じで、小型株で数千円確実に儲かる場面はたくさんあるが、上へ登り続ける投資家はそれより効率よく、ローリスクで、大きく儲かる方法を見つけてしまうのだ。
そうするとそれより下位のランクの収益機会にいちいち参加することは時間と労力の無駄にしかならない。
こういう原理で、市場のどこかに必ずフリーランチ局面の空きがあるのである。

私が株をはじめた2005年時点では、東証の板が一秒更新、JQは遅延しまくりの3~5秒更新くらいだった。
大証ヘラクレス(現在はJQと統合した新興市場)に至っては売り買いの板一本ずつしか見えていない闇の取引所だったのである。

この当時はスキャルピング全般が超絶イージーなフリーランチだった。
今の中級者レベルがその実力のまま13年前にタイムスリップすれば、スキャルピングだけで100万を2,3年で億にするくらい簡単にできるだろうというレベルの低さである。

しかし私は当時からこんなもの気づかれてオンラインゲームが得意な人間や、頭のいい人間が本気で新規参入いてきたら続くわけないなと思っていた。
30万を数百万に増やした時点で考えたことは、小型株のスキャルピングは板が薄いのでロットを増やすと難易度がはね上がる。
このまま同じことだけ続けていたら、いずれ激しい競争に巻き込まれておいしくないし、頭髪へのダメージは計り知れないだろうと思った。
まだ20代半ばのこんなところでハゲるわけにはいかない。

そういう強い思いから、常に新たなフリーランチを探して競争の少ないところで戦い、学習し続ける今の私ができあがった。
そして13年後の今、やはり恐ろしいほどの数の新規参入と、売買手法がたくさんの人間に知れわたってしまい、自分だけが知っている手法はほとんどなくなった。
株ってものすごく簡単に儲かることがみんなにばれちゃったから。

売買手法自体は単なる教科書上の必修科目になり、それをどんな局面で使うか、今がどんな局面かを見分ける力が必要な時代へと変わったのである。
バブルで億儲けただけのにわかトレーダーの手法さらしは迷惑でしかないのだが、上の投資家はそれをみんな知ってるから時代に即応して違う方法を使うかということになる。
そして新たな作戦を思いつく。
手法に価値がなくなったから、いずればらされて教科書になってしまうなら、教科書をとてつもなく分厚くしてしまえばいいのだと。

恵比寿の隠れ家レストラン5選でお気に入りの店がばらされて予約が殺到してしまったため、
恵比寿の隠れ家レストラン864件を紹介して人工的に森を作ってその中に隠そうということだ。

すべての店を調べるのは時間も資金もかかるから、そういった資源のない人間に正しい情報を伝えることに価値が生まれる。

こうして無料だったレストラン情報も、株で儲ける手法も適正価格へと向かう動きが出てきたということだろう。
儲ける手法をお金で買ったり、本やセミナーで勉強するのはその値段が妥当であれば合理的な行動だと思う。
しかし最終的には流行り廃れですぐ使えなくなる手法をお金で買い続けても、そう簡単に前に進まないことだろう。

私はそれらを自力で効率よく見つけ出すノウハウや能力を身につけることが重要だと考えているので、例として具体的な手法を織り交ぜつつも、
なるべく時間、労力、資金というコストを減らしながら投資で効率よく儲けるという目的にたどり着く方法を共有していきたいと思う。


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