6/9 日本代表はオプションを増やせたか?
こんばんは、にゃんざきです。
エルサルバドル戦を終えて、少し時間が経ちましたが備忘録も兼ねてここに書いていきたいと思います。
今回のエルサルバドルについては、チームとしては世界的に見てもそこまでの強豪ではなく、日本がどういうテーマを持ってこのゲームに臨んだか?が問われる試合でした。
結論から言うと、戦術オプションを増やすというテーマであれば、エルサルバドル戦は目標は未達成であると考えられます。
理由としては…
①サイドに伊東、原口を配した意味が出しきれていなかったこと
②マークをズラすための工夫がGK~最終ライン~中盤で見られなかったこと
③国内リーグ用にオーガナイズされた3-4-2-1をそのまま持ち込んでいる(代表レベルにまで昇華できていない)こと
このみっつにあると考えられます。
まず、①については原口、伊東ともに自身の役割=チームに横幅をもたらすこと、相手の最終ラインに数的不利をもたらす、という部分が落とし込めていなかったことが挙げられます。
前半35分辺りからサイドで数的優位を作っていましたが、そこは小林祐希と橋本拳人のふたりの中盤でボールの出し入れを行ったことで生じたズレであって、能動的にサイドを拠点としたものではありませんでした。
同格以上の相手に守備のタスクをこなしつつ、サイドの幅を作る+数的不利をもたらす、という役割を考えると、現時点で特に伊東に関してはファーストチョイスにするのは難しい、という判断になるかと思います。
②についても、冨安はトップや2シャドーに縦パスをつけていましたが、CB→中盤にスライドしたりその逆がなく、4-2-3-1にシステム変更にする前までに後方からの効果的なビルドアップは、永井につけて先制点に繋がったものだけでした。
ここをオートマチックに動けるレベルにまで昇華できれば、アジアでは別格の存在感を発揮することができると期待しています。
③は森保監督の能力的な部分になるのですが…3-4-2-1のシステムが日本国内のリーグ戦仕様に特化しすぎていて、攻撃的なオプションとしては使いづらい、と現時点では考えられます。
何故なら、元々3-4-2-1の『4 』については、ピッチの横幅68mを4人で見る必要があり、特にウイングバックについては相手のSB+サイドハーフorウイングもケアするため数的不利になりやすいです。
一番問題なのは、サイドについてはウイングバックが下がって5バックになることで解決しようとしていたことです。
つまり守備時は5-4-1になるわけですが、ロングカウンター時にはウイングバックは自陣深くから敵陣まで侵入しなければならず、完全に機能させるなら一時期のユーベのようにアサモアやリヒトシュタイナーのような無尽蔵のスタミナを売りにする選手を起用する必要性が出てきます。
伊東や原口は元々サイドハーフで良さを発揮する選手であり、その点では室屋等にもっとチャンスを与えてもよかったのでは?と考えてしまいました。
日本国内ならPA内を5人で埋めれば崩される場面は減るし、バルサのように間受けを繰り返してこじ開けるチームは国内では見当たらない。
ただ、海外では同格以上の相手なら独力でこじ開けてくる選手は数多くいます。
『攻撃的オプション』どころか、今のシステムだとサイドを起点に押し込まれる可能性すら出てくるのではないか?というのが個人的な感想です。
コパでの結果次第では、大幅な軌道修正を強いられることが予想されるだけに今回の試合を手放しで喜べない、というのが首脳陣の本音ではないでしょうか。
あと、今回初めてAキャップを刻んだ久保くんについては、次回書きたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?