あの人、理解できひんという時点であなたの負けだ。ニューヨーク編②

“If you talk to a man in a language he understands, that goes to his head. If you talk to him in his language, that goes to his heart.” Nelson Mandela


この言葉はニューヨークの本屋さんの言語コーナーに小さく印刷されていました。言語を学ぶ際も日本語を教える際も僕自身が(心のどこかで)大切にしているマンデラさんの言葉です。
例えばイスラム教ではアラビア語で書かれたコーランをイスラム教徒は原典のアラビア語のまま読まなければいけなかったりしますよね。それだけ相手の言葉を学ぶことが大切ってことなんでしょう。グーグル翻訳さんに頼りがちな今だからこそ大事にしたい言葉な気がします。

さてニューヨークにいた時の話に戻りますが渡米してから3か月ほど。新しい友人ができました。マリ人の黒人男性で見た目はゴリゴリの金のネックレスをつけたBKファッションです。
みなさんにとってアフリカってどんなイメージですかね。
草原の中に部族と動物が対峙している感じじゃないですかね。
まぁ自分もアフリカは未だに行ったことないので何とも言えませんが、彼にGoogle earthでマリの街を紹介された時に「お主、シティボーイやん!お主ぃー」って英語で叫んだのを覚えてます。僕の地元よりもよっぽど都会な感じでした。
まぁアフリカといえども色んな国もありますし、地球儀をグルグルまわしてたってその土地のことはわかんないもんだなぁと思いました。行ったこともない国に対してイメージだけでどうこう言うのはやめようと思いましたね。

「俺は亡命男子だメン!」と明るく言う彼とは気が合い、一緒に散歩したり家でまったりしたりしてたのですが、たまには飲みに行こうと誘われ、アフリカンバーに行きました。
その時、彼の注文に衝撃を受けました。
「コーラ一つ。」
え。まだ一杯目やのに。さらに二杯目のオーダーに絶句しました。
「オレンジ一つ。」
さすがに僕は三重で鍛え上げた渾身の突っ込みをせざるを得ませんでした。
「え?飲まへんの?ギャップありすぎぃ!」と。
彼はきょとんと。僕もきょとんと。
変な空気が流れた後に彼が一言。
「俺、ムスリム。」
その時、僕は初めてイスラム教徒に出会いました。本当に不勉強で何も知らなかった僕はいろいろと質問しました。その中でも未だに僕の中に残っている言葉があります。
僕「お酒飲みたいって思わんの?」
彼「俺はお酒を飲まないから最初からアゲてけるんだぜメン!」
そう言ってオレンジジュース片手にアフリカンダンスを踊り始めた彼。僕はまだビール二杯目だったので照れくさくて踊りきれませんでした。
「悔しい。」そう思ってこの日から確実に僕の飲酒量が減りました。

まぁこんな感じで全くの無知だった僕が少し他文化・他宗教に興味を持ち出したのでした。

次回は謎のコロンビア人コンバットパイロットと魔女のおばちゃんについて書きたいと思います。

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