『産むか否か』の問いから逃れられない女
知人で、50歳を過ぎても、『子供を産むべきか否か』という、女につきまとう人生の問いから解き放たれていないひとがいる。
彼女はかつてブロードウェイでダンサーをしていて、30後半でミリオネアの男性と結婚。数年間不妊治療を続けて、何度も体外受精をしたのだけど、結局授からず。彼女いわく、元ご主人の方に問題があったらしい。
あろうことか、その間に、元ご主人が売春婦を自宅に連れ込んでいたことが発覚。1年近く悩んで40を過ぎた時に離婚.....という経緯を経て、卵子を凍結したのがもう10年も前。
当時、50歳までは諦めない、と決めたそのタイムリミットは過ぎてしまった。
卵子凍結美女のデートの結末
ケイト・ブランシェット似のブロンド美人の彼女は、デートのお相手には困らないのだけど、"デート=この相手は卵子を解凍できる相手か否か?を見極める場"となるため、話がとんでもなく複雑になってしまう。
出会ったばかりの相手にそんな話を持ち出すのはtoo muchだけれど、この先どうなるか分からない相手に時間を無駄にできない...いつもそのせめぎ合い。
これは!と思った相手に、その話を打ち明けては逃げられる.....を繰り返すうちに、あっという間に10年経ってしまったらしい。
というわけで、未だに独身で、卵子はニューヨークのとある不妊専門病院に眠っている。
そんな彼女は1年ほど前、友人の紹介で、ある同世代の男性に出会った。
カリフォルニアに住むバツ2の経営者。病死した最初の奥さんとの間に子供が3人。鍛えられた体と洗練された振る舞い、何より政治からアートまで、話題に尽きない相手。この人だ!と大変な盛り上がりようだった。
彼が、カリフォルニアまでのビジネスクラスのチケットとホテルを手配してくれて、2回目のデート。ディナーの後、キャンドルをはさんで赤ワインを飲みながら、「数ヶ月しか持たなかった2 度目の結婚がどんなに寂しいものだったか」という話を彼がしたのを合図に、彼女も凍結してある卵子の話をした。
その数日後
NYに戻った彼女にメールが届いた。
「僕と君とは合わないと思う。僕は、残りの人生をポジティブなエネルギーでシェアできる人を探しているんだ。」
50というのは、一般的には、とうに子供を持つ人生を諦めて、新たな道を歩んでいる年齢である。そんな年になっても、『まだ子供を持てるかもしれない』という可能性をごくわずかながらも持っている.....ということが女の人生に及ぼす影響は想像に難しくない。
女の人生の最優先事項
「あなたにとって、子供を持つことは、いまだに絶対の最優先事項なの?」
51歳になった彼女にそう聞いてみたことがある。
「違うのかもしれないけど、もうよく分からない。」
女の人生、分からないことだらけ
それでも
どこかのタイミングで、自分で決意するか
さもなくば、遅かれ早かれ、自身の意思とは関係なく、時が流れが結論を運んでくる。
だからといってどうするべきなのか、私にも分からないことはたくさんあるけれど。
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