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駐妻ホラーストリー

5〜6年前、脱毛に通っていた頃、ニューヨーク在住20年+の日本人のセラピストさんが

「私、この間、駐妻たちにひどい目にあわされたんですよ!」

と言った。

詳細を聞いてみると、婚活中であった彼女は、ひょんなことから知り合った、ある駐妻のグループに入り、『誰か良い人いたら紹介してください』と言っていたらしい。

そんな彼女に、駐妻グループから、『良い人がいたから紹介しますよ!』という連絡が入った。

嬉々として、お洒落して待ち合わせに場所に出かけると、そこにいたのは、ヒスパニック系の男性。

よくよく話を聞くと、地下鉄の中で、なんとなく駐妻グループ二人組に声をかけたところ

「私たちは結婚してて無理だけど、良い人がいるわ!」

と拙い英語で言われて、今ここにいるという。

某スーパーマーケットの本社で働いているらしい男性は、悪い人には見えなかったそうだけど、彼女は駐妻たちからの『仕打ち』にひどくショックを受けた。

その後

「これは酷い」

と抗議したところ、グループから総スカンをくらったんだそうだ。

セラピストが望んでいたのは、駐妻たちのご主人の同僚たちやなんかで、地下鉄で声をかけてくるランダムな男性ではなかった、というのは想像がつく。

彼女たちにしたら、ほんの少しの親切心と、これ幸いの退屈しのぎだったんだろうけど、普通に考えれば、海のものとも山のものともレイピストとも分からない男性を知人に紹介する、という行為は有り得ない、私も思う。

人妻というのは、長い期間、恋愛マーケットから遠のいている分、そこら辺りに疎い人も多いけど、特に駐妻は現地のルールが分かってない分、見当はずれなことする人もいるんだと思う。

それにしても、ニューヨークの日本人社会というのは、本当に狭い。

「それ以来、駐妻のお客さんがガクッと減ったんですよ」

とそのたいそう口の軽いセラピストは言った。

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