見出し画像

転落する女と栄華を極める女

かつては華やかなスポットを浴びて、美しさも、豊かさも、名声も、全て手にした女が、一転、その全てを失って、醜態をさらす。

ゴシップとして、これ以上面白いネタはない

なんて言ったら嫌らしいけど、なぜこんなことになってしまったのか?他人事ながら、色々と考えてしまう。

最近ニューヨークで、かつて誰もが羨むような人生を手にした女性の転落騒動がいくつか起きた。

一人は、かつてのソーシャライト、ティンズリー・モーティマー。

ヴァージニア出身の彼女がニューヨークのソーシャライトの仲間入りをしたのは、石油で富を築いたオールドリッチであるモティーマー家の御曹司、トッパー・モティーマと結婚したことがきっかけ。ティンズリーとモティーマは、プレスティージな全寮制の高校で知り合って交際をスタートした。

その後コロンビア大学でアートを専攻し、ヴォーグでアシスタントを勤め、いつしか、そのヴォーグの表紙を飾るほどになっていたモティーマは、日本のバックラブンド、サマンサ・タバサとコラボレーションも行っていたから、日本でもわりと名前が知れたソーシャライトだった。

彼女の転落が始まったのは、トッパーとの離婚から。

子供を欲しがっていたというトッパーと対照的に、ティンズリーは、自身のキャリアを築くこと、スポットライトを浴びることに強い執着があり、毎日のようにパーティーに出かけて、ゴシップ誌の常連であったティンズリーとトッパーの間には、次第に距離ができたらしい。

離婚後は、ドイツのロイヤルファミリーの一員と交際して、彼との結婚を目論んでいたと言われるけれど、結局遊ばれて終わった。モティーマーの名前をなくした彼女は、花形のソーシャライトから、リッチな男性を漁るただのブロンドの一人になってしまった。

ニューヨークにいずらくなった彼女は、フロリダのパームビーチに移り、イベントプランナーとして再起をはかったのだけど、そこで10歳年下のこれまたリッチなファミリー出身のプレイボーイと知り合う。バチ一のアラフォーで、悪い評判がついたティンズリーを、名門一族が認めるわけもなく、セフレのような扱いを受け、暴力まで振るわれていたというから、なんとも悲しい。

そして、その彼が新しいガールフレンドを一夜を過ごす自宅に、深夜忍び込み、大声で騒いだことがきっかけで逮捕されたのだった。

卵子を凍結し、トリー・バーチ並みの成功を目指していたというティンズリー。

近年のニューヨークの女子たちは、そのほとんどがトリー・バーチを神として崇めているんだけど、ティンズリーのように転落する女と、トリー・バーチのように成功の階段を上がり続ける女は、一体何が違うんだろう。

ティンズリーもトリーも、そこそこの家庭に生まれて、アイビーリーグで教育を受け、ブロンドで、美人で、結婚で名前を上げて、華やかなキャリアを手に入れた。

ティンズリーは一度、トリーは二度離婚しているんだけど、結局は、先回りして自分を守るだけの賢さとしたたかさがあるかどうか、の気がする。

トリーは、二度目の夫であるベンチャーキャピタリスト、クリス・バーチとの間に3人の男の子を設けたあと、クリスからの資金とリソースの提供を受けて、トリー・バーチのブランドをスタートした。

ところが、二人は2006年に離婚。その後、トリー・バーチの株式を巡って裁判沙汰になったり、どうみてもトリー・バーチのパクリであろう安価な新ブランド、Cワンダーをクリスが立ち上げてみたりして、しばらくはゴシップ誌を賑わしたものだった。

結果、Cワンダーは破産、トリーのその後の活躍っぷりはご存知の通り。

トリー・バーチがアメリカはおろか、世界的なブランドとなった時期での離婚は、完璧なタイミングだった。その後、華やかな面々と浮名を流すトリーは、もはや女たちの間では、レジェンド的存在だ。

一方で、ティンズリーは、

「これまでの決断に後悔はしていないけど、一つだけ後悔があるとしたら、不健康な関係を長く続けすぎたこと。」

と自ら語っているように、将来を見据えているようで、単に感情に流される生き方をしている。

トリーなら、自分にプラスにならない不毛な関係を、「でもやっぱり好きだから....」なんて理由で、ずるずる続けるような真似は絶対しないだろう

つまりは、男性脳と女性脳のバランスが良い、ということ

若くて賢くて美しければ、ある程度のものは手に入る。

それでも、本当に自分を高めて守れるのは自分だけ。したたかに生きられるか否か、というのは、結局、その自覚があるかどうかなんだと思う。

・・・・・・・・・・
☆ブログも更新中: NYでデトックス

Facebookに「いいね」して頂くと、ブログやウェブマガジン連載の更新状況が届きます
・・・・・・・・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?