『~寛永宮本武蔵伝 完全通し公演~』二日目
五話『竹之内加賀之介』
旅籠通りに来る流しの揉み療治、
侍に喧嘩を売っては投げ飛ばし、脱臼させて治療代を取る。
その男、実は柔術の竹之内加賀之介で、
武蔵と旅籠大広間での組みとグラウンドの攻防が聴きどころ。
その語りでマウントポジションの取り合い、上からの襟締め、
グラウンドで壁に押し付けられてからの脱出とか、
UFCスタイルの総合の試合模様が現出。
先祖が柔術家でプロレスも好きな伯山、語りで描いて行く。
(加賀之介のイメージ、聴いてて浮かんだのが『暗闇仕留人』で近藤洋介が演じた 村雨の大吉 職業も技も違うけど)
六話『山本源藤次』
守りが固く、相手の隙を逃さず一撃で決めるスタイルの源藤次との手合わせ。
(飛躍が過ぎる個人的なイメージです)
だが、そこに至る迄の口裏合わせコントと、武蔵への無茶振りも楽しい。
七話『柳生十兵衛』
本編前に昨今の風潮に対する私見と、
なればこそ、このお話はつべでは公開出来無い、との前置きが。
ここでの十兵衛、千葉ちゃんイメージは全く無く、
精神の均衡を欠いた剣の達人として描かれる。
『木剣ではなく、真剣で』との命で立ち合うも、
徒手の十兵衛に投げられ完敗。無刀取りの極意に触れる武蔵。
幼い荒木又右衛門も登場。ユニバース。
八話『吉岡治太夫』
この話には武蔵登場せず。
そもそも『寛永~』には、例の吉岡一門との対決自体が無い。
望まぬ他流試合で大怪我させられた弟子の仇を吉岡治太夫が討つ。
道場での暴力と血の描写を怒りを込めて読んでいく。
最後に、吉岡治太夫の息子で、名人と謳われる又三郎が
武蔵と手合わせする事が明かされる。
そうそう。話の序盤、
『弟子のその男に見込みがあったので、治太夫は手取り足取り教えた』
『見込みが無かったら、手取り足取り教えて無い』 のくだりで
「私も(見込みのある弟子だったので!)師匠の松鯉から手取り足取り教わったンですよ」と、いかにも客席が沸きそうな感じで決めるも、
伯ちゃんが想定したような拍手は来ず。 変な間が。
「…何、このビミョーな空気」
「(お客様も私も)お互い疲れて来ましたかね…」
てのが受けました。
三日目へ続く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?