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無染色は難しい

今日の制作記録

紡毛サンプルのファイルの整理

ジャコブのカーディングと糸紡ぎ

ジャコブはゴミが多い
自作の解毛器
編み地見本



糸をデザインするときはたくさん試作をする。

ジャコブは大体400g近くありそうなので、100g程度は服地を作ることにし、残りは夫にセーターを編もうかな。

きなりや茶色の色合いは中年が着ると野暮ったくなるのでナチュラルカラーっていうのはほんとに難しいなって思う。


 むかーしむかし染織研究室で学生をしていた。ある日先生と雑談してた時、「キナリっていうのは曲者だ」って話になった。「キナリは一歩間違うと汚れみたいな色と紙一重だ。着こなすには相当にオシャレじゃないといけない。中年になれば肌の色もくすむし太って見える。」
当時学生で肌のくすみについてはよくわからなかったが今なら先生の話がわかる。

「素材は素材のまま」がいいに決まってる。でも、ただ素材を並べちゃうのはちょいと安易かもしれない。

 染めや色彩の効果を研究した上でそれに辿り着いたのなら別だが、単に染めが苦手とか色を使いこなせないっていう理由でナチュラルカラーしか使わないのならば、すこし勿体無いのではないか、せっかく染織のしごとをしているのに、と言った文脈だったと思う。


「ナチュラルであること」がそのまま「デザインになるか」っていうとそうでもない。


 先生の影響もあるけど、私も個人的にはナチュラルカラーだけで制作するのは好きではない。
 
 無染色であってもいくつかの羊毛種を混ぜるとか、ほんの少し色を添えるとか。「自然は自然のままで美しい」のはわかってるけど、実験と観察を繰り返して自分にしかできないことをしたい…。まぁ、うまくいかないことも多いけど、だからこその試作だ。

どういう形であれ大切な一枚を作ろう。


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