傷心はフィクションですか
自傷行為が好き。どんな形にしろ自分を傷つけることは気持ちよくて仕方がなかった。いつもどんなときにも悲観的な考えをして、自分を哀れな存在にして、いわゆる悲劇のヒロインというものになり、分泌されるエンドルフィンに浸るのがたまらなく好きだった。傷口を作りそれに気づいてもらうという愚かしい行動をとったのもそれが理由だ。わかりやすく手首を隠し、「猫に引っかかれた」なんて嘘らしい嘘を並べて遊ぶのだ。だって知ってもらわなければ意味がないもの。小説だってアニメだってドラマだってみんなそうだ。