好きな映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』の話。
アタック・オブ・ザ・キラー・トマトと言う古い映画がある。
タイトル直訳で『殺人トマトの攻撃』
わかるか、殺人鬼や殺人エイリアンじゃない。殺人トマトだ。
それなりに有名な映画なので知っている人も多いかもしれないが、クソ映画だ。
あらすじはこうだ。
ある日突如アメリカ中に殺人トマトが現れる。事態を重く見た軍は各分野のスペシャリストを集めて対トマトチームを招集。トマト対人間の戦いが始まる。
クソ映画だ。
何がどうクソでどうツッコミどころがあるのかレビューした記事はすでにインターネット中にしこたまあるから各自検索してくれ。
クソ映画だが、大好きな映画だ。
俺はこの映画を5年前に初めて見た。
それ以前から伝説のクソ映画だということだけは知っていたが、実際に見終わって思った。
「すごいクソ映画だ」
だが不思議とクソ映画視聴後特有の後悔や脱力感はなく、むしろ何かエネルギーに満ちていた。
いや、もっとシンプルに言うならば超おもしろかったし、なんか感動すらした。クソだけど。
後日頑張ってレンタル落ちのDVDを見つけて購入し、何度も見た。
この映画はクソ映画でありながら見る人を楽しませようという意識は名作のそれと変わらない。そもそもタイトルの時点で見る人が期待するのはクソ映画。そこへテンポよく次々と繰り出される不条理ギャグと極上なクソポイント。
突き抜けたクソ映画であることと見る人を楽しませることを両立させている。今もなお愛され続けるクソ映画である理由はここにある。
そしてこの映画はクソなところや杜撰なところ、これら全てを狙って、本気で一生懸命クソなものを作ろうとして作り上げたクソ映画であるところが最高だ。(一部偶然撮れた事故シーンをそのまま使うなどしているが、それをそのまま使うという行為が狙いすましている)
適当に作ったうんこと、うんこを作ろうと一生懸命作ったうんこが違うことは明白だ。
どんな方向にでも何かしら突き抜けていれば誰かの心を動かすことができる。そのことをこの映画は俺に教えてくれた。
そして見るたびに「いつかこんな突き抜けたなんかを作って人の心に引っ掛かりたい」と、非常に曖昧でフワフワしたダメ学生みたいな思いを抱かせてくれる。
余談だがこの映画には続編が数本ある。二作目のリターンオブザキラートマトも面白い。一作目のような暴力的なクソポイントはないがストーリー作りもギャグもパワーアップしている。三作目以降はまだ見ることができていない。見たい。プライムビデオとかで配信してくれ。
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