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いつのまにか革命。

(フランス革命⤴︎のイントネーション)


2021年10月22日。
定期試験の前日、休日という名の自宅学習日。
昼食を終えていつものように携帯を見る。
ブログ更新の通知だった。1時間前。

何度もこんな日が来ることは想像していた。

けれど何事も、想像通りにはいかない。

友人が心配してくれていたらしい。
卒業発表を聞いた翌日も、私は学校に行き、
4日間の試験を終わらせてやった。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

2016年、某音楽番組を見ていたとき、
私はあるアイドルグループと出会った。

欅坂46の代表曲 サイレントマジョリティー

何故か私の興味をひいたのは、
歌詞でも曲調でもなく振り付けだった。
(そんなに腕回したらもげるて!)

それから少し経ち、友人に教えてもらって、
深夜のレギュラー番組を見始めた。
始まったのは、皆でバラエティを学ぶ企画。

そこで当時中学生の私に、人生で初めての、
いわゆる " 推しメン " ができた。革命だった。

可愛くて美人なのにキャリーバッグを駅に置いてくるような天然で、
好きなものには真っ直ぐな不思議な人。


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私はもう高校卒業の歳になった。
青春と呼ばれる真っ只中に推しメンはいた。

何度も何度も救ってもらった。

救ってもらった。というと、それはそれは
大層なことをしてくれたような言い方だが、

誰かしら "推し" がいる人は、そう感じたことがある人も少なからずいるんじゃないか。


一人になると考えちゃう。
最後に会う日は何を言おう。
この日が来るまでも、何度も想像してたのに。

部屋の中、満員電車の中、エレベーターの中でさえ、誰かの卒業の話を聞くと、
覚悟しとかなきゃいけないのかなと、発表の時のこととか、最後の握手会のこととか
それはもう色んな「想像」をした。

けれどそのときは突然訪れる。


女性アイドルの寿命は結構短いように思う。
最年長という立場であればなおさらだ。

あのでかい会社が受け持つ某男性アイドル達が
うらやましい。

それでも約5年と少し。
ファンクラブのカウントによると1636日。
(開設は2017年)

本当にいろんなことがあった。
初めて会って、緊張で可愛いしか言えなかった日のこと。専属モデルや単独表紙が決まった日のこと。初写真集の発売が決まった日は飛び起きて朝から泣いた。 覚えてるよって一日に何度も言ってきてくれた日のこと。

ぜんぶ、忘れられない。


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12月10日 1stアニラ2日目。
推しメンの最後のライブで、卒業セレモニー。

やっぱり私は、フル応募も虚しい結果だった。
それにまたもや、今度は試験初日と被ったので
配信視聴。

欅坂46というグループが大好きだった。

苦い時期もあったけど、深く深く表現してくれた、忘れられないあのパフォーマンス。
辛い時や泣きたい時、いろんなことに疲れた時、ずっと自分のすぐ後ろにいてくれて、
背中をそっと少し押してくれるような。

"頑張れ"じゃなくて、"大丈夫"って
言ってくれてるように感じていた。

改名した時は、複雑だったし正直嫌だった。
何で変わったの?と聞かれても、答えられない。
そんなの、私が聞きたい。

櫻坂46に変わっても、たくさん、いろんなことを言われたんじゃないかと思う。

でも、あのメンバーの、曲ごとのあの表情や歌、あのダンスは変わらず存在していて。
あの日を境に終わったんじゃない。
生まれ変わった主人公の人生は、
新しく、続いていた。

この空気感が大好きで、代わるものはない。

(私にとっては)

唯一無二で世界一のアイドル。


ライブ後半の卒業セレモニー。
初めて推しメンのドレス姿を見たかもしれない。

セレモニーの直前、
あぁ、これが最後のアイドル姿なのか、
と気づいた。気づいてしまった。
この幸せと涙で溢れた空間のまま、そのまま
時が止まればいいと思ってしまう。


それでもやっぱり終わってしまって、
画面を閉じれずにいた自分は、涙を止められなかった。
これからの人生泣けなくなるのではと思うくらい泣いた。

翌日自分の顔が別人になったかと目を疑った。(目腫れた悲しい)


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『推しは推せる時に推せ。』

よく聞いていた言葉だったけど、
最近は何だか胸に響く。

上等じゃないか。

大抵の人は(私だけかな?)、推している、という
感覚が常日頃からあるわけではないと思う。

いつの間にか、この生活がふつうになるからだ。

勝手に好きになって勝手に応援してる。
今、次に会う日のために、
その一瞬、一日のために。
その時のために頑張ること。

最高じゃん。

推せる時。そんなのわかんないし、考えない。


" ファンの方に恩返ししたかったから、
頑張ってる姿を見せたかった "

セレモニー内のVTRで言っていた言葉。

ファンの皆さんが支えだ、とか、応援してくれて〜とか、よく聞くと思う。
こちら側には 本当は どう思ってるとか
分からないし何でもいい。
応援とは、味方となって助けること、とある。


卒業を聞いてから、自分の部屋に入って

そこで初めて気がついた。

そうじゃなかった。支えられていたのは、
助けてもらっていたのはこっちだった。
部屋にはCDや集めたグッズやタオルや雑誌。
お揃いのものとか(ありがち)、特典のポストカードまで。
飾ったりはしていないけど、至るところにオタクの片鱗があった。

いつからか、明確にはわからない。
本当にいつのまにか。

明るいニュースやサプライズがあると、こっちまで嬉しくなる。
メンバーと笑ってる姿がとってもいとおしい。
会えるけれど遠い。近くて遠い存在。

誰かのファンの人には、それぞれの人に、
唯一無二な推しがいて。
誰が誰より優れてるなんてことは全くない。
絶対に。それぞれ、代わりなんていない。


綺麗事かもしれないけれど、
いてくれるだけで、
頑張れる。希望や、元気をくれる。

明日からもまた、と。


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私はこの約5年間、渡辺梨加推しを
全うできただろうか。

後悔だってたくさんある。
欲を言えばサイン貰いたかったし、
もっともっとたくさん会いに行きたかった。

でも、これだけは言える。


この約5年間、すっごく楽しかった。

会えるってわかっただけで、私はこんなに
うれしくて、こんなに頑張れる。

あれもこれも全部、推しメンのおかげで、
ありがとうでいっぱいだ。

全部ひっくるめて、すっごく楽しかったし
幸せだった。

あんな想像なんて、ばかだ。



12月18日。推しメンと話す最後の日。

何を言おうか、何が言えるかまだ分からない。
ちゃんと伝えられるだろうか。


一緒に卒業する守屋茜ちゃん、

渡辺梨加ちゃん、

6年間ありがとう。卒業おめでとう。




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