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ちょっと山までアートを撮りに。

今日は天気が良い日曜だったので、電車を乗り継ぎ、みのかも文化の森まで行ってきました。目的は「みのかもannual 2024」。毎年そこで行われている現代美術作家のグループ展で、屋外展示というのがポイントです。今、岡崎市美術博物館で開催中の「ひらいて、むすんで」で作品を出している植松ゆりかさんも参加しているので要チェック。

舞台となる「みのかも文化の森」は、その名の通り森(というか山)の中にあり、とても自然豊かな環境です。その中に、自然を借景にするかのように作品が置かれるというので、どんな感じの展示なのか前々から興味がありました。今年はうまい具合に開催日と仕事の休みと天気(ちょっと暑かったけど)が噛み合ったのでチャレンジしてみたというわけです。

結果から言うとまず「山登りができるくらいの装備必須」でした。特に足元!山道OKな靴に、足首が隠れる靴下が良いです。なぜか言うと、文字通り山の斜面の道がないところ、落ち葉や枯れ枝が積み重なって傍らにキノコが生えているようなところに容赦なく作品が置かれているからで、しかも近寄ってみないとキャプションも作品もよく見えません。まるで作家から「見れるものなら見てごらん」と挑戦状を突き付けられているかのよう。となれば、意地でも落ち葉を踏みしだき、木の根に足を取られながらも見に行くしかないじゃないですか。そして山の中にはさまざまな生き物がいるのですね。たとえば虫(チョウは綺麗だけどマダニには注意)や爬虫類(トカゲも綺麗だけどヘビは要注意)。

そこそこ苦労しながら歩き回りましたが、そのうち「考えるな、感じろ」の世界になってきて、とても面白い体験でした。気に入ったものをいくつか写真で紹介します。

右端のポスターがお目当ての「みのかもannual2024」
植松ゆりか《蚕を飛ばす》
天の虫と書いて「蚕」ですからね。
凧になっているので、これは飛ばしてみたい。
これ、真ん中の茶色い木の棒が作品です。丸山ナオト《燃えて眠る杭》
"Pile that has burned to death"という意味深な英語タイトルつき。
ここでは、こんな風に容赦なく山の中に作品が設置されてます。
細井章世「身の丈」シリーズ。
日光写真ともよばれる「サイアノタイプ」でプリントした作品とのこと。葉っぱが写ってる!
キノコのわきにしれっと置かれた胡椒の瓶。
食べたら美味しいのかな? いやいやこれも寺尾忠作品の一部です(全景は1枚に収まりませんでした。他にもそういう作品がたくさんあります)
森の奥にきらりと光るものがあるなと思ったら作品でした。
木の幹に透明ビニールが巻いてあり、その上に黒マジックで模様がつけてあります
桑原春香作。タイトルは見つけられませんでした(汗)
丸山ナオト《無知と犠牲 Ignorance and Sacrifice》
確かにignoranceは「無知」なのですが、「知らんぷり」というイメージが湧いてきまして…
私たちが知らんぷりを決め込んでいる間に犠牲者はどんどん増えていることを言ってるのかなと
推察せざるを得ませんでした。
もしかするとこれが本日の最大の収穫かもしれません。
銀竜草またの名を幽霊茸。菌類に寄生して栄養を得ている植物です。
葉緑素を必要とせず透き通るような白さ。
その存在を知ったときから本物を見てみたいと思っていたので、
ふと作品の傍らに見つけた時はびっくりして、怪しい人みたいに笑ってしまいました。

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