2024年4月24日 帰宅

 社内研修やビジネスマナー講習といった諸々の新社会人向けのガイダンス期間が落ち着き、本格的な業務を教えてもらうことが増えてきた。今まで触れたことが全くない、新鮮なあれこれ。メモを取りながら、手を、頭を動かしながら必死に覚えていく。

 “新”が付く期間に必ず感じる「覚えなければ」というプレッシャーが心を包む毎日。就業中、ずっと気が張っているかと言われれば、そんなわけじゃない。ただ、全く疲れないかと言えば、そんなわけでもない。


 あれこれのプレッシャーで疲労感を感じる日々だけど、最近、ちょっとした“お楽しみタイム”ができた。それは帰宅中の車内である。

帰宅中の車内では、もっぱら、深夜ラジオの見逃し(ラジオだから聞き逃し?)を聞きながら帰路に着く。ありきたりな話だけど、深夜ラジオの、ここだけ感というか、秘密の時間的というか、あの何とも言えない感じがすごく好きだ。

 真昼間では到底話すことのできない話、見えないけど繋がっている同じリスナーのメール、思いがけず刺さってしまったパーソナリティの一言、そのどれもが本当に好きだ。一人ぼっちの車内、誰に気を遣わずとも、大笑いできる、トーク間の曲を大合唱できる、パーソナリティの話やリスナーメールの内容に相槌を打つことだってできる。素晴らしい時間だ。


 実は学生の頃、下校中の電車内でも聞いていた時期があった。しかし、真に一人ぼっちの空間でないため、声を出して笑うことも、ましてや歌うことなんて、一切できなかった。気にしいな性格や、まっすぐに聞くことができないのなら、聞きたくない、という変な意地も相まって、どんどん聞く機会が減っていった。また、ゼミ関係で体力を使い果たし、寝てしまったり、追われる課題をこなしたりして、ぱったりと聞かなくなってしまった。

 ラジオを聞かなくなっていった当時のメンタルはひどいものだった。以前話したこと(2024年4月1日の回)もあり、下校中は心の荒れ具合がピークに達していた。周囲の同年代の楽しそうな人たちに対する憎しみと、そんな弱い自分に対する嫌悪感と、色々まぜこぜになった。
 下校するたびに、荒い金属のやすりで、ごりごりと削られていく感覚だった。自分でも、よく泣かなかったな、と思う。


 最近は、そのようなこともなく、ラジオのパーソナリティの話に耳を傾け、口角をあげたり、深くうなずいたりしながら、ハンドルを握っている。
 夕焼けがきれいだなとか、明日はこんなことをしてみようとか、帰ったらあれしなきゃ、今日の晩御飯はあれにしよう、などなど。あの、荒れ果てた下校の時は考えもしなかったことが頭を、心を埋め尽くしていく。


 こうなったのは、心の余裕の具合もあるのだろう。だけど、やっぱり、心動かされる話に対し、自分のしたい反応を、のびのびとできる空間、時間があることも、大きな要因だと思う。

 あの荒んだ時期にはなかった、自分だけの時間。これから、どんどん忙しくなってくる。だけど、この帰宅時間だけは、絶対なくしたくはない。二度とあんなメンタルにならないように、ここに宣言します。帰宅時間、絶対死守するぞ。


明日は、どのパーソナリティのラジオを聴こうかな。楽しみだな。


♪ Ado/オールナイトレディオ

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