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【90年代あれこれ③】思い出話 ~ビオランテは「クリスマス・イブ」の調べとともに~

 結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。(。-ω-)
 雨降りの日は「雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいい。自由とは、そういうことだ」とついゲーテを気取りたくなる、O次郎です。

先にコッチでこの言葉を知った人もきっと多いハズ。
『雨に歌えば』の方は世代ではないので…。( ´・д・)

 今日はいつもとは趣向を変えまして、自分の幼少期の映画館の思い出を書いてみようと思います。
 ”生まれて初めて映画館で観た映画”というのは、特に映画好きでない人にとっても覚えていることが多いと思いますが、私はゴジラVSビオランテ(1989)でした。

わりと序盤からゴジラが暴れてくれるので幼児でも飽きずに大興奮!
ストーリーとしては最新のバイオテクノロジーを巡る諜報戦が展開され、
ほぼコミカル描写無しですが、そのハードな展開は子どもにもカッコ良さとして響きました。

 しかしながら今回はそのビオゴジについて語るのではなく、その生まれて初めて映画館で観た映画のついでにもう一本観た映画と、それにまつわる思い出あれこれを書いてみようと思います。
 私と同じく90年前後に幼少期を過ごした方々、あるいはそのバブル期前後の青春の記憶が鮮やかな方々、懐かしみがてら読んでいっていただければ之幸いでございます。
 それでは・・・・・・・・・リッツパーティィィーーーッ!!

めちゃくちゃ似てたなぁ・・・コレ。
そういえば沢口靖子さん、生産終了に伴う最後のリッツパーティーで
結局一枚も食べなかったとかなんとか。



Ⅰ. アラフォー世代の幼少期の特撮事情

 私は昭和60年(1985)生まれですが、物心ついた頃には仮面ライダーの放映が終わってしまい(BLACK,RXでいったん打ち止め)、ウルトラマンも放映無し(80年の『ウルトラマン80』以降はキー局のTBSとの不和やタイの会社との海外販売権の法廷闘争が泥沼化)、スーパー戦隊シリーズメタルヒーローシリーズ(今の仮面ライダーシリーズの枠)は放映されていましたが、何十年も連綿と続く特撮ヒーロー作品のTV放映が乏しい時代でした。
 それゆえに『ゴジラ』シリーズは80年代末~90年代中ごろまでに幼少期を過ごした自分にとって、劇場用作品ということで気軽に毎週観られないにしろ、ほぼ毎年コンスタントに新作が発表されたことで思い入れも一入でした。ゴジラも世代や作品によって造詣が様々ですが、自分にとっては、撫で肩で鼻がデカく、着ぐるみメインでCGは火炎放射のエフェクトのみ、のこの平成初期ゴジラがナンバーワンのカッコ良さです。
 『ゴジラVSビオランテ』の公開日は89年末、当時四歳の自分は母親に頼み込んで地元の劇場に連れて行ってもらったのですが、兵庫県の片田舎の劇場でしたので当然ながらシネコンではなく、未だ二本立て興行・非入れ替え制でした。
 そしてその時にビオゴジと併映だった作品が、同じ東宝配給のラブコメ映画『君は僕をスキになる』だったのです。


Ⅱ. バブル期の山田邦子×野島伸司×山下達郎 = ???

 当然ながら母親はゴジラに興味が有ったわけでもないので、子どものわがままに付き合ってもらったわけですが、本作の方は多少なりとも母親の興味を惹いたようで、ゴジラ一本だけ観ようが併映作品と二本で観ようが料金一緒ということもあり、ゴジラの後に続けて母親と観ました
 内容は、若い女の子の親友二人が同じ意中の男性との恋かそれとも友情かに悩む、という幼児にも分かるようなド直球な展開だったことが幸いして寝落ちすることも無く、途中のコミカルなシーンもうっすら覚えています。
 ただ、当時のブームだったらしいバブリーな”純愛”については、身近な兄姉も4,5歳上で未だ小学生であり、公務員家庭だったことで家計の浮き沈みもほぼ無く、自分には本やブラウン管の中だけのまさに絵空事の世界でした。
 配給収入は8億円、ということで、特撮作品と比べると間違いなく製作費は安く上がっているでしょうからそこそこペイした、というところでしょうか。 ※ちなみにビオゴジは配収10億4000万円
 一応、DVD化もされてはいるようですが、後年になって作品として振り返って語られている気配は薄く、あくまで「バブル時代の落胤の一本」という位置づけでしかないのが紛れもないところかもしれません。
 ただ、製作スタッフを見ると後のビッグネームがズラリと並んでおり、そのビッグネームへの幼児なりのファーストインプレッションを以下に列記してみようと思います。


・主演 - 山田邦子さん

 おそらく、明確に意識したのは『クイズ!年の差なんて』『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』あたりだったと思います。
 特に『やまかつ』の方では、”ものまねベスト10”やドラマコントコーナーを楽しく見ながらも、”このお姉さん面白いけどあんまり綺麗じゃないな”などと子どもらしく失礼な印象を抱いていたのを覚えています。
 何事もカネと時間を掛けて盛大に飾り立てる時代の中に在って、彼女の飾らない豪放磊落なキャラクターが新鮮だったのかもしれません。”コメディエンヌ”というと自分は真っ先にいしのようこさんを思い浮かべますが、今思えば山田さんがコント番組にも積極的に出て大胆に汚れを演じて地平を耕していた土台があってこそ、ということでしょうか。

きんさんぎんさんのパロディとかもあったっけか?


・助演 - 斉藤由貴さん

 今回、びっくりするぐらい幼少期に彼女を作品内で観た印象が無いことに気付きました…。
 80年代末といえば、歌手としても女優としてもまさに順風満帆な頃で、かつ例の不倫スキャンダル前なので、幼少期の記憶として若き日の彼女の姿をブラウン管越しによく観ていてもおかしくないはずなのですが、不思議とこれといった作品が思い浮かびません。唯一、記憶をほじくり返した結果がコレでしょうか…。

世にも奇妙な物語』の一篇。
これから始まるのがコメディ話とホラー話のどちらか、
ドキドキしながら枚話の冒頭を観ていた記憶。
・・・字のフォントが時代を感じるなぁ。(*´ェ`*)
二人の意中の男性役の加藤雅也さんも若い頃のフィルモグラフィーが全く思い浮かびません…。
とりあえず「ワイドナショー」に出演された時のトークは安定の面白さですね。


・脚本 - 野島伸司さん

 当時のトレンディドラマを象徴するというか、”トレンディドラマ”の代名詞のような脚本家さんではないでしょうか。
 当時自分は小学生ぐらいでしたので、『高校教師』みたいなキワどい作品を観た覚えは有りませんが、『ひとつ屋根の下』はそんな少年にも一足早い甘酸っぱさを感じさせ、特に『家なき子』は続篇も含めてその後ずっと刺激の強いドラマを求める嗜好の原点になったように思います。

101回目のプロポーズ 』は『やるやら』での
ウッチャンナンチャンのパロディーの方を先に観ちゃってるパターン。


・主題歌 - 山下達郎さん

 そして山下達郎さんです。彼自身のアルバムをよく母親が社内のカーステレオで流しておりましたし、後に私が小学校高学年の頃にデビューして人気が爆発したKINKI KIDSの楽曲でより親しみました。
 上述の通り、本作はストーリー展開は非常にベタでそこまで印象に残らなかったのですが、ED主題歌に当時すでに人気が出ていた『クリスマス・イブ』が採用されており、アーティストなどろくに意識していない幼児にはあまりにも強烈なインパクトでした
 その後、毎年冬が来るたびにショッピングモール等、街中の至る所であのメロディーを耳にすることになる訳ですが、私の『クリスマス・イブ』のファーストインプレッションはこの映画、ということになりました。

「五飛・・・教えてくれ。
俺たちはこの冬あと何回、『クリスマス・イブ』を聴けばいいんだ?」

Ⅲ. その結果…

 而して、人生初めての映画館体験である『ゴジラVSビオランテ』と、山下達郎さんの時代を超えた名曲にして至高のクリスマスソングである『クリスマス・イブ』を同時に体験した結果、『ビオランテ』を見ると『クリスマス・イブ』のメロディーを思い出し、『クリスマス・イブ』を聴くと『ビオランテ』の禍々しい触手のフォルムが脳裏に甦るようになりました。もしかすると私ぐらいの年齢の地方出身の男性のあるあるかもしれません。
 
 そう考えるとちと惜しいと思えたことが一つ。
 平成の『ゴジラ』シリーズの次作は『ゴジラvsキングギドラ』ですが、その公開日は一年飛ばして91年末。もしそれが90年の夏に公開されていたとしたら、併映作品は同じ東宝配給の『少年時代』だったかもしれません
 だとすれば『キングギドラ』を見ると井上陽水さんの『少年時代』のメロディーを思い出し、『少年時代』を聴くと『キングギドラ』の金色の三本首のフォルムが脳裏に甦るようになっていたかもしれません。
 
ユニークな映画とヒット曲のミックスの原体験の二回目を逃したかと思うとちょっと勿体無いかもです。

映画は巨匠篠田正浩監督による名作にもかかわらずあまりヒットせず(配収3億円)、
井上陽水さんの楽曲の方がすっかり有名に。
こないだ逝去された藤子不二雄Aさんの原作漫画も少年コミュニティーを題材に
日本社会のヤクザ性を鋭く捉えている力作です。


 
というわけで、今回は自身の初映画体験にまつわるなんやかやを語ってみました。
 よろしければ皆さんの映画原体験とその周辺の話もコメントいただければ恐悦至極にござりまする。
 今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。




子どもにとってはコミカル描写も大事よね。



 


 
 








 

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