相田周二のはなし

三四郎フィーバーがなかなか収まらない。私は何かハマっていることがあると何も手につかなくなる質なので、なるべく早く鎮火させたい。これまでの経験的に、マイブームは1~3ヶ月のスパンなので、できるだけ早く燃え尽きるようにせっせと燃やすことにした。

とはいえ、前回で三四郎の漫才の好きなところは書き尽くした気がする。だから今回は違う話。

三四郎を見れば見るほど、知れば知るほど、「相田周二スゲー!」って思う。ネタを書いてるのは小宮さんだし、実際注目されてるのも小宮さんだし、確かに小宮さんもめちゃめちゃすごい人だけど、相田周二すごい。

スーパーサブ??とでも言ったらいいのかな。ほんとになんでもできる。小宮さんが出来ないこと全部。器用だな〜って思う。

芸人においては、器用であるよりも、不器用ながらも必死にやるほうが評価されるのかなとも思うけど、相田さんの器用さがあるから、小宮さんが思う存分不器用でいられるんだろうな。

私が相田さんすげー!って思い始めて1番すげー!って思ったのは、お笑い大統領のネタの出だし。

登場してすぐ、導入部分を話し始めた小宮さんに対してのクスクスっていう笑いが起きた。三四郎の、小宮さんの知名度が上がってきて、小宮さんのキャラも認知されてきて、あっやっぱり滑舌悪いねこの人っていう笑い。そんな状況での2人のセリフ。

小宮「まだ面白いこと言ってないですよ。」
相田「ねえ、クスクスしてらっしゃいますけど。」

この!!相田さんのひとこと!!素晴らしすぎる!!

ここで相田さんが「あなたの滑舌が悪いからでしょう」とか「漫才中なんか食ってんのか?」とか、そういう返しをすることも多分できた。それまでの流れというか状況を活かして笑いを取るのだとすればこうするのが一般的なのかなとも思う。

でもそれを言ってしまったら、このネタが“小宮さんの滑舌”を笑ってもらうネタになってしまう。本人たちの意図していない笑いが正当化されて、それに沿って彼らがやりたい手紙のネタを削ってスマホの音声認識や焼肉屋の件をやらなきゃいけない。2人はそれを良しとしなかった。そこがかっこいい!!自分たちのネタで笑わせたいっていうこだわりがかっこいい。

「まだ面白いこと言ってないですよ」って一言にはたぶん、お客さんは「いやお前の滑舌だよwww」って思ったはずなんだけど、相田さんが「クスクスしてらっしゃいますけど、」って言ったことで、「ここは笑うところじゃないんだ」っていう思いが芽生えたはずなんです。きっとそこまで深い見方はあの一瞬じゃできないし、私も何回も見る中で気づいたことだけど。でも多分その効果はあったはず。「あっ」て思わせたと思う。

あれがアドリブだったのか、打ち合わせのもとに生まれたのかはわからないけど、アドリブだったのだとしたら、最高にかっこいいなと思った。

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