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完成できなかった文章は、いつの日かの副菜に

先日行った文章ワークショップで「文章を書いていても途中で終わってしまう」というお悩みをお寄せいただきました。

「今日のnoteはこのネタで書こう!」そう意気揚々と書き始めたものの、あれれなんだか尻すぼみ・・
まあ、そこまで書くネタでもなかったかな。今日は更新しないでいいや。

そんな途中で終わってしまったnote記事、私はたくさんあります。

だいたい人間はそんな毎日、書きたいことばかりではいられません。言葉が溢れて止まらない!今日は3万字書けた!なんて変態は基本的にそんなにいません。村上春樹くらいしかいません。

そんな常にネタ切れと戦うへっぽこライターの私は、冒頭の「書いていても途中で終わってしまう」のお悩みに対して「とりあえず副菜として保存しておいてください」とお答えしました。

文章はまず自分の主張と、それを彩る具体例があると強くなります。例えば

「自分をまず大切にしましょう」

という文章は、それだけではあまり読み応えがありません。でも、

「航空機事故にあったら、酸素マスクをまず親がつけてください。親御さんはお子さんにまず酸素マスクをつけようとしますが、親が先に倒れたらお子さんにつけてくれる人はいません。まず自分ファーストで動くことが周りのためになるのです。
だからみなさん、日常でもまず自分を大切にしましょう」

といった具体例を添えると、がぜん文章は説得力を増します。具体例の積み重ねは、強い文章になります。

なんだかシンプルな文章になってしまった。このネタだけで文章一本書くのは難しそう。

そんなときはぜひその途中まで書いた文章を消さず「いつの日か使えるかも」と保存しておくことをおすすめします。いつの日か書いた別の文章に、足すことで使える日が来るかもしれないからです。

思えばこれは料理の献立に近いかもしれません。

きんぴらごぼうやカボチャの煮つけはそれだけではなかなかメイン料理を張れません。でも複数出てくるとなんだか豪華な感じがするし満足感も増します。
その一品だけでは戦えなさそうでも、他の一品と一緒にするとあれ不思議、なんだかいい感じとなったりします。

また場合によっては自分は主菜だと思って作った料理があまり皆には好評ではなく、自分ではただの副菜だと思っていた料理が好評になることもあります。

「ここ絶対受けるな、ヒヒヒ」とにやけながら書いた部分はあまり反応が集まらず、自分ではあまり気持ちを込めずに書いた箇所に反応が集まったりするように、文章の中では主菜と副菜が逆転するという現象はよく起こります。要は何が受けるかは出してみないとわからない。

「こんな文章、出さない方がいいよね」と削除するのはちょっと待って「これはいつか使えるかもしれない」と、副菜メンバー待機室に入れておくのがおすすめです。






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