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合唱コンクールで求められる力は、他者理解だったと20年越しに気づいた

最近はまってる、合唱曲を歌うyoutubeチャンネル「行け!ミラ中合唱部」。


最初パッと見た時「ずいぶん歌のうまい中学生さんたちねえ」と思ったのですが、うまいはずです、全員プロの声楽家さん(20~30代)とのこと。

たまにミラ中の皆さんがおしゃべりしている動画もあるのですが、興味深かったのが女性の声楽家さんについて「ソプラノ歌手は目立ちたがり屋さんが多い」「アルトの女性歌手は大人しい、地味目の方が多い」というところでした。

自分の中学時代を思い出してみると、中学のクラスでも明るくて勉強も運動もできる、いわゆる一軍女子はソプラノが多く、大人しめであまり目立たない生徒はアルトが多かったような気がします。(女子校だったのでパートはソプラノ・アルトのみ)
わたしですか?ええ、もちろん合唱ではアルトパートでしたよ。

ちょっと懐かしくなって中学生のとき全員参加型の合唱コンクールのことを思い出し、CDを出して聞いてみました。

当時は合唱コンクールの基準がよくわからず、学年賞は音程がうまく取れたクラスが取るものくらいにしか思ってなかったのですが、中1~3まで学年賞を取ったクラスを中心に聞いているうちに、ある共通点があることに気づきました。

賞を取るクラスに共通していること。それはアルトがうまいということ。
うまいというかアルトパートがイキイキして、しっかり旋律やバランスが取れているんです。

ソプラノがうまいクラスはたくさんありました。一見アルトはあまり目立つパートではなく、いてもいなくても同じようなもののように聞こえます。しかし賞をとってるクラスはみんなアルトの旋律がくっきりと、それでいてソプラノとしっかり調和していました。

自分の記憶をたどると賞を取れなかったときは、やけにソプラノのクラス委員だけが「絶対に賞とるよ!」と燃えていて、居残り練習やスパルタ指導をされた気があります。
燃えているソプラノパートとは反対に、アルトパートには「なんでこんなことしなきゃいけないんだろう」というしらけた空気が流れていました。

逆に賞を取れた時は、ソプラノもアルトも関係なく曲に集中していたような気がします。なんというか大人しい子も目立ちたがり屋な子も、全員のコミュニケーションが取れていて、お互いのパートに敬意を払っているクラスが受賞した気がします。

そう思ったとき、合唱コンクールが生徒たちに求めていたことに気づきました。それは違うものどうしが一つの目標に向かって調和していくことの大切さをどれだけ学んだか、ということです。

学生時代は、気が合う友だちと付き合っていればそれでいいです。しかし社会に出るとそうもいきません。「なんだこいつ?」と思うような人とも協力して、一つのミッション(仕事)に協力せにゃなりません。

だからこそ相反する性格のクラスメイト達が、合唱の練習を通して「なんだ、話してみればこいつもそんなに悪い人じゃないやん」「へえ~意外な一面があんねんな」とお互いを理解した上で、一つのハーモニーを生み出すプロセスを学ぶ必要があるのです。

違うもの同士、いや異なるからこそ、お互いを理解し受容したときに奏でられられる調和の美しさはひとしおなのでしょう。

それにしても何かの意味に気づくのに20年かかるとは・・いや、これが私にとって必要なタイミングだったのでしょう。


大切な想いが一つのハーモニーになってるのって、いいなあ。


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