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事業を行き詰まらせ、停滞させる5つの要素「DUMPS」

下記の投稿の逆の話をしています。

スタートアップ事業、起業未経験でも無事にスタートが切れた、これから業績をどんどん積み重ねて行くぞ、と勢いづいたときにふと立ち止まって組織を見渡して見て下さい。一見順調な操業も、社員の不満や疲弊を必要以上に生んでしまったりするものです。それに気付いた時はもう停滞の真っ最中だったりすることもままあります。
スタートの切り方は我流でも仕方ないんです。ただ、いづれ来たる停滞期を視野に入れて、組織をチューニングしておく必要があります。人員は拡充したのに収益が低迷するとか、サービスの新規ユーザー数が伸びないとか、当初の勢いはどこへいったのか、というサービスや事業の行き詰まり、閉塞感の原因としてよくあるケースをまとめてみました。

Dreamy  / 非現実的

会社のビジョンや経営理念はどのように決まるのでしょう。策定するためのメソッドもちゃんとあるはずですが多くの場合、それらは「それっぽさ」で決まります。もちろん夢は大きく、広げる風呂敷が非現実的でも問題ないのですが、用意すべきは夢に至るための成長戦略です。
月に行くためには、予算や準備期間から具体的な見積もりが必要になります。それが抜けているとメンバー内に「この会社はビッグマウスなのではないか」という懐疑が生まれてしまいます。
収益目標も現実的な施策ありきで立つものです。この点は徹底的に協議される必要があります。

陥りがちな例
・X年以内に上場という目標から逆算して、収益計画に無理が発生する。
・現場の工数を無視したタスクスケジュール

Unrecorded / 非文書化

会議のアジェンダは用意されていますか?会議の時間もコストなので具体的な決定事項やネクストアクションがないならやる必要もありません。また、一つのプロジェクトでも気分やメンバーの変化によって議論が振り出しに戻っては意味がありません。同じ議論をまた繰り返す無駄を省くためにも議事録を残しましょう。せめて決定事項は文字に起こされているべきです。
文書化されていれば他のメンバーへの共有もスムーズです。
決定事項に対してプロジェクト全員がなるべく納得するために、その結論に至るまでは残っていた方がいいでしょう。

陥りがちな例
・同じ内容の会議を繰り返す
・アジェンダがないから会議が様々な内容に飛び火する
・新規参加メンバーにこれまでの経過を説明する手間が発生する

Mystery / 不可解

「最初からこのやり方でやっているからそのやり方を続けている」といった慣習に全員が納得しているものなのでしょうか。新しいツールは次々出てくるのに、プロジェクトに使用しているツールはそれでいいのか?そのツールの運用も各々によって差異が生まれていませんか?様々な惰性を疑ってください。
「これは会社の文化だから」という言い回しがあります。「これは会社の文化だから(疑わないでこの慣習に倣って)」という意味なんでしょうが、法律だってアップデートしなければ制度疲労を起こすように、文化だって悪しき面を切除し、いい作用を取り込んでアップデートしていかないとあかんでしょ。不可解な文化をなくすことはメンバーの懐疑を払拭することにつながります。

陥りがちな例
・Todo管理ツールはあるが完了定義がない
・毎日手間のかかる謎のタスクが発生する

これ意味あるの?みたいな話は定期的に議論した方がいいです。

Personalize / 属人的

作業のノウハウはできる人に習う。日本の職人文化にはそういう面も少なからずあります。ただ、その人がいないと回らない状況というのは、会社の実力とは言えないように思います。
誰がやっても同じようにできる作業というのは専門性が高ければ高いほど、少なくなっていきます。ただ、ノウハウを「経験則」や「センス」という言葉で片付けてしまうと効率的にPDCAを回せません。
「経験則」や「センス」は何を意識しながら身に付けるのか?という方針のディレクションは先人から新人への大切なアドバイスだと思うのです。
教育スキームを組み、それぞれの知見を浸透させる仕組みが作られているかは配慮しなければなりません。

陥りがちな例
・XXさんが入院になってプロジェクトが進みません!
・XXさんのセンスで回っている事業なので、後継に引き継ぎできない

Sensuous / 感覚的

「長年やってきた経営者の勘」それはそれとして時に尊いですが、そればかりで様々な義材を決定していくと、メンバーの不満も増大します。大体のことは計測できたり、資料として裏付けがとれるものです。
感覚的に進めすぎた施策は、特にエンジニアの機能追加によく見られます。
「ここにこういうコンテンツがあれば離脱を回避できるんじゃないか?」
という仮説をそのまま課題にするのは危険です。計測をみるとそもそもそのページにたどり着いていないことが判明することがあります。
「誰も使わない機能の開発に血道を上げていました」というのは家電製品のリモコンによく感じてしまいます。こんな機能使ったことないけどちゃんとユーザーの統計とったのかな?って。
データの裏付けがないなら、なるべく計測から行った方がいいでしょう。

陥りがちな例
・使われない機能の開発に工数をさく
・こっちのほうがいいんじゃないか?という軸がないままのピポット

DUMPS(停滞)

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以上が事業を停滞させる5つの要素です。これらの単語のイニシャルで「DUMPS(停滞)」
中小企業でこんな体制をとっていると遅かれ早かれ低迷すると思っています。また、これらの要素はメンバーへの負荷も大きく、モチベーションを維持するのが難しいように思うので、もし心当たりがあるなら脱却するため施策を考えた方がいいかと思います。 ご参考までに。

#ビジネス #スタートアップ #エンジニア #ベンチャー

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