“エグゼクティブ就活”としての「編集・ライティング」

大学を休学して、編集者・長谷川リョーに弟子入りしてから一年が経過しました。いわゆる「アシスタント業務」に始まり、現在はプロジェクトを丸っと任せていただけるようになりました。

原稿の執筆や編集はもちろん、企画立てから進行管理、記事、書籍、動画と幅広く業務に取り組ませていただき、編集者の仕事を全方位的に経験できたと思います。

(今年で24歳になるのであまり言いたくないですが)一応、春から大学4年生です。いわゆる、社会に出る直前の時期。腰を据えて就職活動を始める時期でもあります。

ただ自分は、復学後にいわゆる「真っ当な就職活動」をするつもりはありません。というのも、編集者の仕事は、言ってしまえば就職活動のようなものだと思うからです。

仕事を「就職活動」と表現してしまうと、舐めていると思われてしまうかもしれません。しかし、編集者としてメディアに関われる最大のメリットは「人に会えること」です。何者でもない大学生が、立場や年齢を越えて正面から対話ができる機会はそう多くありません。しかし僕は、昨年だけで経営者や企業人事、広報担当者…と年齢も性別も業界も異なる数多くの人に取材しました。

実は、本題から逸れる、個人的に気になることを質問することもあります。プロとして仕事をした後に、大学生という立場と機会を利用して表に出ない情報を引っ張っていました。そのお礼に、渾身の記事を書きます。「ありがとうございます」と返していただけるよう、全力を尽くす。去年はこの繰り返しでした。

就活とは、“好きを見つめる小旅行”

原稿の執筆を担当させていただいた、NewsPicksの「私がいま22歳だったら」シリーズで、SHOWROOMの前田裕二さんが「僕にとって就活とは、“好きを見つめる小旅行”なのです」とおっしゃっていました。

自分に徹底的に向き合い、己を見つめ直すことに、人生における大きな意味があるそうです。前田さんは自己分析をノート30冊分行ったといいます。そこで、自分は何がどうして好きで…ということを完璧に理解したそうです。

とはいえ、バイトと面接を受けながらノート30冊分自己分析を行うのは大変です。「大学生は時間がある」とよく言いますが、大学生だって忙しい。OB訪問に行くのもアポを取らなくてはいけないし、説明会に行くのもお金がかかる。

その点、編集者はラッキーです。仕事として、企業のエグゼクティブに会えるからです。ときに、幼い頃に大好きだったテレビ画面の向こう側の人に会うこともできます。

多様な人生に触れ、選択肢は無限にあることを知り、自分の“好き”を突き詰めることができる。もちろん本や記事でたくさんの情報を得ることは可能ですが、編集者は直接話が聞けます。自分の目と耳と心で、情報に触れることができるのです。

“エグゼクティブ就活”としての「編集・ライティング」

去年一年を振り返ってみて、まさに僕の仕事はそのまま就活でした。クリエイターやアーティスト、経営者、YouTuber…インタビューを通じて、選択肢を次々に得たわけです。

ずいぶん機会は減りましたが、弟子入りから続けている「文字起こし」も就活の一つ。正直に言って、作業自体は面倒この上ないこと山の如し。「お前がやれ!」とたまに叫びたくなることもありました(笑)。

ただ、この「文字起こし」こそが「イチ人間」としての基礎を築いてくれたと思っています。労働だった文字起こしが、気がついた頃には「知らないことを知る」ための手段になっていたのです。

ある種貧乏くさいこの仕事は、刺激的な情報で僕の視座を引き上げてくれる、いわば“お勉強”でもあります。会いたくても会えない「あの人」の言葉を聞き、「こんな選択肢もあるのか!」と常に驚きをくれるからです。

夢を叶える原理原則

取材を重ねると、突き抜けている(やりたいことを仕事にして生きている)人の共通点に気づいたりします。僕は何か一つのことで突き抜ける「クレイジージャーニー」になりたいので、トップオブトップの人に取材できることが幸せで仕方ありません。

ちなみに、突き抜けている人の共通点は「やりきっている」の一点。親に反対されようが、同級生全員が会社に入ろうが、バカにされようが、彼らはやりたいことに言い訳しません。

その原理原則を知ったので、「じゃあ、自分もやりたいことに言い訳しない人生にしよう」と思うことができます。こうやって情報を得て、選択肢の多さを知り、夢の叶え方を知ることこそに「就活」の意味があるのではないかと思うのです。

だから、僕はいま会社に入る必要はないのではないかと思っています。気になる企業もありますが、たとえば入社試験を受けて不合格でも、それ以外の会社を受けるようなことはしません。それでは、就活する目的と手段が逆転しているからです。

丸山ゴンザレスが教えてくれたこと

先ほど「クレイジージャーニーになりたい」と言いましたが、実は番組にも出演されている丸山ゴンザレスさんと、一度だけ飲んだことがあります。新宿の思い出横丁で友人と飲んでいたら、偶然席が隣だったのです。そのまま二丁目のゲイバーに連れて行っていただき、わりとひどい目にあいました。

そのときに丸ゴンさんは「何でもいいから、一つのことを続けなさい」と教えてくれました。「大学生活は別に崇高なことをする必要はない。酒を飲むでも、ナンパをするでもいいが、それを365日続けてみるといい」とのこと。

もう5年前の話ですが、今ならその意味が少し分かる気がします。継続は、一つ上の世界線を見せてくれる。

きっと丸ゴンさんは自分が言ったことを体現していたからこそ、テレビに出演して誰かの心を揺さぶる存在になっている。

よく「編集者(ライター)を続けるなら専門分野を持った方がいい」とアドバイスをいただきます。しかしそれでは、編集者の醍醐味を無駄にしてしまっていると思うのです。所詮、「食べていくため」のアドバイスにすぎない。食べていくことが目的なら、さっさと「真っ当な就職活動」をします。

「好きなことで食べていきたい」と本気で思っているし、見つかるまではふらふらとしていたい。無論、手段と目的がすり替わってしまわないようにするのは当たり前です。

「22歳で就職する」は幻想だし、1〜2年の遅れは誤差だし、就職することが目的化した人生は悲しい。後で言い訳することほど悔しいことはない。

僕は「今は仕事をしている」「今はプライベートの時間」などと考えることをしたくないので、その境目すら感じられない何かが見つかるまでは、ずっと編集者を続けながら「就活」をしていたいなと思っています。


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コメント1件

24歳で既に書くキャリアを重ねている。素晴らしい価値ですね。私はメーカー勤務からの転職(そんな概念すらない時代でしたが)で27歳からのスタートでした。
突き抜けている人の共通点は「やりきっている」の一点。→100%、納得します。
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