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【2】「書くのが上手い人」は「読むのが上手い人」 #小原課題図書

#小原課題図書 の第二回です。先週に引き続き、内容をログしていきます。

今週の本は以上の3つ。分量的にはややライトですが、先週よりはやや堅い文体に。『本を読む本』は、指でなぞって、印をつけ、メモをとらなければ読み進めるのに一苦労。思いの外時間をかけてしまいました。では、s

『本を読む本』**

今週最初の一冊は『本を読む本』。優れた読者になるための方法や規則について、体系的ににまとめられています。

「なぜ、優れた読者になる必要があるの?」という疑問はあるかもしれませんが、本書には「一生のあいだずっと学び続け、『発見し」つづけるには、いかにして書物を最良の師とするか、それを心得ることが大切なのである」と書かれています。

先週読んだ『学問のすゝめ』で、人は常に学び続けなくてはならないということを消化済み。この二つの事実を照らし合わせると、本を読むことは学ぶことであり、本を読み続けるということに意義があることがわかります。これが、まず最初の学び。

具体的な読書の方法についてですが、本を読むレベルは、①初級読書②点検読書③分析読書④シントピカル読書に分類されるのだと言います。つまり、いい読み手になる(=良質な学びを得続ける)ためには、初級読書から順番に読書のレベルを引き上げていかなければなりません。

一読しただけでは、規則を事細かに覚えることはできませんでした。つまり、あまり上手に咀嚼できていません。ただ、自分の読書レベルが第三のレベル(分析読書)にないことは明らかでした。この本は、自分のレベルを確かめ、さらにレベルアップするために、近いうちにもう一読します。

『思考の整理学』

続いて『思考の整理学』。30年前に書かれた本であるのに、内容自体は先々に通ずるものがあるように思えました。アイデアの出し方や問題解決の手法について書かれているものの、ハウツー本ではないため、読みながら思考が拡散していくような感覚に。自分だったら…と普段の生活を省みながら読んでいました。

特に印象的だったのは、第1章の「グライダー」。人から言われたことをそつなくこなす優秀な学生も、自分から学ぶことには長けていない。筆者は、彼らのことを、飛行機がなければ飛べない、さながらグライダーのようだと指摘しています。

では、どうやってその状態を脱却して、本質的な学びを得るにはどうしたらいいのでしょうか……。僕が考えたのは以下の3点。

**①自分の置かれた環境を見つめ、今何をしなければならないのか考える
**
ここは「グライダー」に当たるところ。今ある環境の中で、既に用意されたものを学ぶことは誰でもできる。であれば、本当に重要なのは、用意されたことではなく、自分自身で何を学ぶのか考えて実践すること。

つまり、第一に置かれた環境の特徴やその環境から自分が受ける影響を考る。次に、自分は今何をすべきなのかを導き出し、それを行動に変えることが求められるのだと思います。

②やらないことを決める

こちらは三章を読んでいて感じたこと。頭の中が煩雑としていたら、思考がばらつき、価値あるアイディアも出てこない。だとするとしっかりと余白を設けることが大切なのではないかと思いました。

これまでといえば「今年は絶対これやる!」と何かを足していくことが大半でしたが、やらないことを決めていくと、残るものは本当に自分が大切にしたい価値観や重要なことになりそう。学ぶべきことが見えてくるような気がします。

③本を読み、何かを得て、それをシェアする

『本を読む本』にも通ずる話ですが、新たな思考に触れることは積極的に学ぶことに他なりません。すぐにできる「新たな思考に触れる」方法は、まず本を読むこと。もちろん、その本から何か一つでも得ること。それができたら、文字にすることで学びを深めること。

本はお金を出せば所有物になるけれど、その中にある価値を血肉に変えなければ、知識を所有することはできません。もちろん本に限った話ではないですが、違和感でも、発見でも、感動でも、それを自分のもにするためには言葉に変える必要があるのだと思いました。

『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』

先週読んだ古賀史健さんの『20歳の自分に受けさせたい文章講義』に引き続き、書く技術について綴られた一冊です。池上さんと竹内さんの対談によって、お二人が言葉を手にしていく過程を詳細に紹介しています。せっかくですので、古賀さんの本と比較しながらログしますね。

両書とも「書く技術」について書かれてはいますが、例えるなら、古賀さんの著書が“書きたくない人でも文章が書けるようになる本”であるのに対し、こちらは“書きたい人が読むに値する文章を書くための本”であると感じました。

個人的に面白かったのは、書くことを生業にするためのスタンスや、過去の名文から得た学びを血肉に変える方法など、よりマクロな視点で展開されていること。

古賀さんの本は「アウトプットを最良なものにする=(綺麗に書き起こす)」ための技術について述べた本に感じられましたが、本書は、「最良なアウトプットをするために、如何にして良質なインプットをするのか」ということを説いているように思えます。つまり、この本から吸収すべきは、書く技術ではなくて、書くための習慣。

簡単にまとめると、書くためには、大前提として教養が必要。その上で、その教養を持ってして、読者にもわかるように嚙み砕く書く力が必要。書くためには、読まなければ、学ばなければいけません。背筋が伸びました。

・・・

第2週を終えて思ったことですが、本は違えど、書かれていることに共通する部分は非常に多いのだなと。例えば、「いい書き手はいい読み手であることに違いない」ということは、『本を読む本』にも『書く力』にも書いてある。もっと言えば、書き手だとかは関係なく、「社会に価値を生める程度の人間になるには、よく学ぶ(=よく読む)ことが大前提になければならない」というようなことが『学問のすゝめ』にも書いてあった。

僕の今までの読書といえば、(もしかすると)こんなものだったのかも。

ビル・ゲイツなど、大富豪の読書量は、年収300万円の人の38倍「でも、有名になりたくて、仕方がないミーハー著者の本を読んでも何も変わらない。」

そのどれもが、エナジードリンクを飲んで、一瞬覚醒しただけだったのだと思います。


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