大浜 紙

高校中退。翌年違う高校に入学、卒業。大学除籍。シュウウエムラメイクアップアーティスト専…

大浜 紙

高校中退。翌年違う高校に入学、卒業。大学除籍。シュウウエムラメイクアップアーティスト専門学校卒業。フリーターから美容部員、OL、主婦、自営業ときて、宮仕え。引越し19回。バツ2。転んでもタダでは起きない懲りないおばさん。素顔が亀に似ている。低所得。高好奇心。好きな作家は宮本輝。

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書くということの分の悪さ

私の趣味は「書くこと」なのだろうか?最近こうやってnoteをを書いているが、なかなか報われない趣味である。 もちろん、趣味なんだから報われようが報われなかろうが好きだったら関係ないだろという話なのだが聞いて欲しい。 (不特定多数に)音楽は聞いてもらえるし、絵も見てもらえる。料理は食べられないこともあるが、写真に撮れば映えるし誰も傷つけない。 魚釣りは釣ってる姿や獲物や仕掛けを写真で見せることが出来る。スポーツやファッションなどもそうである。そして、そのレベルを特に問われ

    • 韓国のエンタメが持つ政治性

       最近、韓国語を勉強している。元々現実逃避の手段として何かを学ぶことが好きだったが、今回はちょっと事情が違う。今更ながら韓国のアイドルグループ「防弾少年団」通称BTSのファンになってしまったからだ。ここで、うんざりしている読み手がいらっしゃるのが分かる。なぜなら、私自身、最近まで韓国ドラマにもK-POPにも全く興味が無く、そういう話題をスルーしてきたからだ。  しかし、映画や文学の方面では興味を持っていた。非常にポリティカルで、プロレタリア文学のような作品が多く、非常に短期

      • きもつき熱中小学校

         先日、肝付町で行われた「きもつき熱中小学校」にスタッフとして参加してきた。今回は帯広畜産大学の学長、長澤秀行先生と、日本司法支援センター本部国際室長かつ常勤弁護士の冨田さとこ先生の授業を受けることができた。    1時限目は、鹿児島から遠く離れた北海道の、東京ドーム40個分の広さを持つ、日本で有数の畜産大学の学長の長澤先生から、じきじきに免疫や寄生虫から細菌、ウィルスの話まで1時間以上聞くことができた。今もまだ終わる気配のない新型コロナウィルスに関する先生の知見は、改めて、

        • 白足袋は、遠い日の花火ではない。

           先日、肝付町の二階堂邸で行われた住吉社中のお座敷を見に行ってきた。住吉社中というと、いちき串木野市を拠点とする町芸事の連で、住吉小糸氏と仲間、そしてお弟子さんによる踊りや三味線、小唄で楽しませてくれる。    まず、二階堂邸には玄関がなく、高い縁側の外に置かれた沓脱石から「よいしょ」と上がると、小糸氏を筆頭に小学生から大人まで全員の挨拶で迎えられた。小学生も、もちろんきちんと髪を結い、浴衣ながらお太鼓結びに白足袋の姿である。一瞬、私はどこに来たのだろうかと不思議な、まるでタ

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        書くということの分の悪さ

          老後の心配はいつするのか?

           たまに人様から「老後のことちゃんと考えてる?」と訊かれる。そういう時はいつも「何も考えてません」と答える。本気で心配してくる人もいるし、呆れる人もいる。両親はいつまで経っても私の行く末を心配していて「年をとってから貧しいとみじめだよ」と、父からこの前も言われた。だからなんだ?この年齢で今から公務員になれるわけでもないし、高給取りから求婚されるわけもない。万が一そういうことがあったとしても、金さえあれば誰でもいいわけではない。えり好みをしている場合か!と怒られそうだが

          老後の心配はいつするのか?

          価値がつなぐ両輪

           先日、五十の誕生日を迎えた。すっかり忘れていたのだが、亡くなった元夫は私と生年月日が全く同じだった。「今頃、○○君のお母さんが陰膳を供えてるだろうね」と母がふいに言ったのを聞いて思い出した。いつまでも39歳の彼の事を。  恥ずかしながら、「陰膳」という言葉を数か月前まで知らなかった。父が高校を卒業して集団就職をしたときに、遠くに行ってしまった息子を思い(父の)母親が、しばらく陰膳を供えていたという話を聞いたのが初めてだった。「陰膳」には故人のためのものと、遠くにいる家族の

          価値がつなぐ両輪

          「娘」とは女親が唯一ケアしなくても良い存在

           今年の春から、実家住まいである。身体も精神も弱り果て、仕事にも行けず、ただ引きこもっていた私のことを父が見かねて「帰ってこないか?」と。いつもは強権的な父親が「帰ってこい」とは言わなかった。自分で思っているよりも、よっぽどひどい有様で、同情心しか湧かなかったのかもしれない。  4月初旬から同居を始めたのだが、最初は病院に行くのが精いっぱいで、家で本や漫画を読み漁り、ひたすらダラダラしていた。しかしそのうち何もしないのが心苦しくなってきて、夕ご飯を作る役を買って出た。もと

          「娘」とは女親が唯一ケアしなくても良い存在

          SNSとポピュリズム

           今更ながらSNSは、明確な目的への手段として使用する以外は、やらないに越したことはないと実感する。つい最近ツイッターで発信された、ある人の「意識高い系の特徴」という呟きに対し、SNS上で一番危惧される行動「ミイラ取りがミイラになる」=(異論を述べ、重箱の隅をつつかれ炎上し、不毛な議論で精神的に疲弊)を起こしそうになったので、ここに記す。まず、その発端となった呟きの内容だ。 「昨今の意識高い系の特徴」 ・夫婦別姓 ・同性婚だったりする ・夫、妻ではなく「連れ合い」「パートナ

          SNSとポピュリズム

          サード・アイ

           生まれてこのかた誰にも話したことが無いが、実は、私には目が三つある。二つは顔の平均的な場所に存在するのだが、三つめは後頭部に、12歳で迎えた初潮とともに少しずつ現れてきた。そんなところに目があったら美容師にバレるのでは?と思うかもしれないが、第三の目はもともと髪の毛で保護されているからか、まつげが生えておらず、ギュッとつぶれば、「子供の時にジャングルジムから落ちたときにできた傷」ということにして今まで誰にも異議を唱えられていない。こういう時、「女」であるがゆえ、体の傷につい

          サード・アイ

          私がオバサンになっても

           私は子どもの頃、相反する憧れがありました。一つはお姫様になることです。美しさで王子様に選ばれるシンデレラ。シンデレラをいじめていたのは、醜い継母と義理の姉妹でした。当時私は自分のことを唯一無二の存在で、誰よりも可愛く、全ての人が羨む美貌の持ち主だと信じていました。  片や、男の子になりたいという気持ちも多くありました。小学生の頃、女子は男子より成長が早く,体も大きく、言語能力に長けていたので、「男子なんて」という気持ちでいましたが、家庭では父から「男子は小学校中学校では女

          私がオバサンになっても

          摩擦感傷旅行

           金木犀の香りが漂ってきた。私が「お姉さん」と呼ぶ大好きな女性の香水がその香りだった。今も使っているのかはわからないけれど、金木犀の香りをかぐと、彼女のことを思い出す。そして、この時期に誕生日を迎える過去好きだった人のことを思い出す。  彼は、私の「理想の夫像」を体現した人だった。ビールが好き、巨人が好き(私は嫌いだけど)、いじられ上手で聞き上手、やさしい低い声、暖かい手。この人のことは、スチャダラパーや真心ブラザーズを聴いたときも思い出す。私が今まで好きになった人は、ほぼ皆

          摩擦感傷旅行

          想像力の欠如とは

           遡ること19年前の2002年、当時の首相、小泉純一郎氏が北朝鮮に訪問し、拉致被害者5名が帰国した。私はその時、ある百貨店で働いていた。休憩時間に昼食を食べながら見ていたテレビ番組は、その報道でもちきりだった。そして近くに座っていた60歳近い女性が、曽我ひとみさんとジェンキンスさんが、故郷である佐渡島に戻ったというニュースを見て言った。「いいよねぇ、この人たち、もう一生国が世話してくれて、お金に困らない生活なんだよ。羨ましいわ。」  私の箸がピタリと止まった。この人、何を言

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          お母さん、ごめんなさい

           私の母は、会話泥棒だ。私が話し始めると、必ず「お母さんもね」「お母さんなんかね」と言われて、既に何十回も聞かされた話をされる。特に盗られやすいのは「北海道」の話である。その話についていうと、母は6年間北海道に住んでいたので、誰に話をしてもうらやましがられるらしく、十八番である。確かに初めて聞く人にはとても面白いだろう。シャケの筋子を買ってきて、バドミントンのラケットでポロポロにほぐして醤油漬けを作る話とか、襟裳岬は本当に何もないとか、「北の国から」の舞台となった富良野のラベ

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          親ガチャ考

           最近インターネットで「親ガチャ」なる言葉が物議を醸している。自分的にこの言葉は数年前から、あるブロガーがやたらと使っていたので「何を今頃騒いでいるんだろう?」と思ったのだが、茂木健一郎氏が「親ガチャ」についての動画を上げていたので、改めて考えてみた。  まず、「親ガチャ」とは「親はガチャガチャ」の略で、「ガチャガチャ」とは昭和の昔からある、硬貨を入れてハンドルを回せば、おもちゃが入ったカプセルが出てくる販売機である。その、「何が出てくるか分からない」「ランダムなもの」「当

          親ガチャ考

          修行のように文化を浴びる

          ある人が言った「修行の様に本や漫画や映画を見た時期があった」と。その人は私から見れば、今でも超多忙の中、何かしら見たり読んだり聴いたりしている。    私も10代後半から20代後半までは、それこそ「修行」の様に色んなものを読んだり見たりしていた。特に小説や漫画はその頃読んだものが一番多いし、私の人生観や価値観に大きな影響を与えた。「何者か」になりたかった私は、才能のある人の作品に触れることで、少しでも「何者か」に近づけると思っていたからだ。私は非凡な人の感性を盗むべくして修

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          令和版・関白宣言

           先日とあるイベントで久しぶりに、さだまさしの「関白宣言」を聴いた。若い人は知らないと思うが、この曲は今から42年前の1979年(昭和54年)にリリースされたヒット曲である。初めて聴く人は、歌詞の内容に衝撃を受けるだろう。  まず「お前を嫁にもらう前に言っておきたいことがある」に始まり、「俺より先に寝てはいけない 俺より後に起きてはいけない」「飯は上手く作れ いつも綺麗でいろ」と続く。ここまで聴いて一緒にイベントに来ていた20代の女性が「これ、無理ですよね。厳しすぎる」、近く

          令和版・関白宣言