Ethereumで何を作るべきか?イーロンマスクとのやりとりでヴィタリクが提示した13のアイデア

平成最後の昨日、Tesla/SpaceXなどの創業者であるイーロンマスクが「Ethereum」とだけツイートしたところから、イーロンとEthereum考案者のヴィタリクの間で面白いやりとりがありました。

「Ethereumで何作ったらええの?」

これに対して、ヴィタリクがいくつか例を出していまして、とても良いスレになっていたので簡単に日本語で要約してツイートしてみました↓

思った以上に反響があったのと、ここでヴィタリクが提示しているアイディアはブロックチェーンで何か挑戦しようという日本人にはとても有益なのではと思い、もっとしっかり深掘りしてまとめてみます。

1. グローバルにアクセス可能な金融システム

決済や価値保存といった基本的なものから、保険などより高度なものまで。いわゆる、ここ半年くらいでブロックチェーン界隈の用語に定着したDeFi(Decentralized Finance)ー分散型金融の領域と言えると思います。
保険サービスの例として、VitalikはEtheriscによるHarricaneGuardが挙げられています。これは自分の住所と掛金を設定すれば、特定の場所での風速がハリケーンレベルに達した場合に給付金が支払われるという仕組み。

DeFiとして代表的なものでは、手持ちのEtherをデポジットして価値が固定されたステーブルコインではあるDAIを受け取れるMakerDAOがあり、ここ半年でデポジット額は2倍以上に成長し、現在Ether全体の約2%がデポジットされています。

2. (Web)アイデンティティ

現在実質上のWebアイデンティティになっている、"Facebookログイン"に替わって、Ethereumアカウントを使って仲介者の必要のないログインを実現するようなアイデア。

3. あらゆるタイプの登記

ブロックチェーンを活用してより高度なセキュリティと容易な承認プロセスを実現するために。

例えば学位といった資格を国を越えて証明しようと思うと多くのプロセスが必要になるのではないでしょうか?場合によっては母校まで足を運んで手数料を支払って証明書を発行しないといけないかもしれません。そしてそれがあなたのものであるのを証明するには...と大変です。

下記の連続ツイートの中でより深いアイデアが発信されています。

4. DAOなど、人類の新たな組織形態の実験

DAO(ダオ)とは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語では自律分散組織と言われます。これは、中央で管理する者がいなくても、ステークホルダーが自律的に行動するインセンティブが自動的に整えられて自然に進化していくような仕組みです。...なんのことかいまいち分かりづらいかもしれませんが、ビットコインの仕組みを想像すると近しいかもしれません。ビットコインの経済圏では中央で管理する者がなく、マイニング報酬というインセンティブの元、自律的に計算能力を提供して取引の承認を行うマイナーが出現して活動を行う形になっています。食物連鎖のようなサステイナブルな自然の仕組みを人類の手で作り上げようとしてる感じがあって個人的にはとても興味深いです。

イーサリアムをはじめとして、多くのプロトコルと呼ばれるようなプロジェクトはこの形態になることを将来的に想定して設計がなされています。

ここではVitalikはここ数ヶ月イーサリアムコミュニティの中でも注目されている試みであるMolochDAOを例として挙げています。

5. マイクロペイメント

ペイメントチャネル(複数回の細かな取引をメインブロックチェーン外で処理して効率的に記録する仕組み)を介した様々なケースにおける少額決済。

この領域で進めている代表的なものの一つは、アダルトの数分のライブストリーミングにも都度課金を行えるようにしているSpank Chainでしょうか。ちなみに上記のMolochDAOはSpankChainファウンダーの @ameensol が中心になって動いています。

6. プライバシー保護が可能な機械学習(プログラム)向けの個人データ市場

これは何を言っているのか。現状、多くの機械学習プログラムが走り、個人の行動データなどが縦横無尽に読み込みまれています。その全てにおいて、プライバシー保護の視点がしっかりなされているかというとそうではない。

そこに対して、「Xを支払ってくれれば、プログラムYを自分のデータに対して読み込ませたりさせてもいいよ 」というようなマーケットを作り上げてあげることによって、プライバシー保護された前提で機械学習を実現できるのでは、ということかと思います

7. SNSにおけるスパム防止のためのクリプトエコノミクス

"クリプトエコノミクス"も日本語だとまだふわっとした言葉ですが、「金銭的インセンティブに基づいた、ステークホルダーの行動コントロール」と捉えて大丈夫かと思います。

Twitterで特定の人に対して罵詈雑言を放ったり、Facebookでフェイクニュースを流したりする行為は今のソーシャルネットワークにおいて日常茶飯事ですよね。そういった行為を、人間が自力で検知して正しいアクションを限りなくすぐに起こすには限界があります。それを仲介者が管理することなくスパムのないSNSを実現するためのアイデアがここで話されていることです。

2018年2月にバンコクのイーサリアムミートアップに参加した際にヴィタリクが話していた内容をまとめたのですが、それがまさに上記の内容なのでリンクを貼っておきます。

8. 良質なコンテンツを発信する人向けのクリプトエコノミクス・マイクロペイメントスキーム

良いコンテンツを発信した人に対して、読者などが直接投げ銭できて、良いコンテンツがもっと増えるような仕組み。

これは日本だとAlisさん、海外だとSteemitなどが取り組んでいる領域ですね。

9. 新たなマーケットデザインの実験台

トークンのトレーディングにおいて、ヘッジファンドが行なっているような様々な取引手法を創出するための土台になるようなアイデア。

先日、元セコイアのメンバーが立ち上げたParadigmらから調達を発表したUniswapが例として挙げられています。イーサリアム上でのERC20トークンの自動交換プロトコルを開発している企業です。

10. ステッカーやバッチなど一種の印

チャリティなどでは昔から存在する、ある団体に寄付を行ったらその団体のロゴが入ったバッチなどがもらえるような仕組み。赤い羽根募金がいい例ですね。

ブロックチェーンを記録の仕組みとして利用して、ある寄付を行ったユーザーはそのアカウント上にバッチが増えていくようなアイデア。

11. インターネット接続やメッシュネットワーク向けのP2Pマーケットプレイス

ウェブホスティングやメッシュネットワークを仲介者が介在することなく、かつ途切れることなく走らせ続けられることを目指すアイデア。

この中だといちばん壮大で野心的な試みかも。DAOに近いとも言えるかもしれません。

12. 難民などのためのアイデンティティ、評価、クレジットシステム

ブロックチェーンだからこそできること、の一つは信用創造だと思っています。これはまさに技術を活用して、そういった証明できるものが現代の社会の仕組みでは用意できない人の課題を解決するアイデアです。

Ethereum Foundationの宮口さんがイーサリアムに参画する前から取り組んでいたEverIDがまさにその例ですね。

13. 分散型DNS(ドメインネームサーバー)

現状のインターネットのDNSの仕組みを分散型で実現しようというアイデア。代表例としては現状は数列であるイーサリアムウォレットアドレスをドメインのように登録できるようにしようというプロジェクトENS (Ethereum Name Service)があります。

と、以上になります。

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