読みたくもない記事を無理矢理読まされる紙媒体はすばらしい

「クーリエ・ジャポン」が2016年2月26日発売号を最後に10年間の雑誌の歴史に幕を閉じます。3月からは会員制デジタルサービスへ移行するとのこと。定価800円の月刊誌の「クーリエ・ジャポン」。私の身の回りで読んでいるという話を聞いたことがありませんし、比較的ビジネス雑誌の揃っている会社の1階のコンビニにでも売られていません。要するに紙雑誌としては売れなくなったのでコストもリスクも小さく、情報のアップデートも迅速な電子媒体へ・・・ということなのでしょう。

ただ、この雑誌が電子媒体になったら・・・たぶん読みません。だって、私にとっては電子媒体をわざわざ画面で読まなければならないほど重要な雑誌ではないから。

では、なんでそれを今まで毎月読んできたかと言えば、紙版にはキーワードで記事を集めてくれる機能もなければ、多くの人が読んでいる記事を推奨してくれる機能もないからです。雑誌として、あらゆる記事が雑多に、しかもある方針に従って編集されて完成した物が、毎月有無を言わさず送られてきて、無理矢理それを読まされる・・・そこにメリットを感じているからです。

今月号の記事で言えば「ISの矛盾する論理を知る答えは彼らが熱狂する詩にあった」とかいう「マクロスかよ!!!」ってつっこみたくなるような記事。これ、ネットでタイトルだけ見てクリックして読みますかね?<自分

あるいは、キーワードで自動収集した記事を読んでいる限りにおいては、タイトルさえ目にすることが無かろう記事です。でも、雑誌で届けば読むし、たとえ読まないとしても読む or 読まないの判断は少なくともタイトルを読んで記事を想像しなければできないことなので、「へぇ、そんなことがあるのね」くらいの記憶には残るはずです。

つまり、紙媒体で送り届けられることによって、自分の興味の無いジャンルの記事、それほど読みたいと思っていなかった記事に触れることができることが雑誌体の最大の価値だと思っているからです。

キーワードによる自動記事収集は便利なので私も活用しています。でもそれとは別に新聞もあえて紙版を(電車の中で画面で)読むし、雑誌も紙で読んでいます。むしろキーワードを設定できるということは、そのことについて何らかの知識や興味を持っているということなので、それらの記事こそ、収集だけしてフォルダに放り込んでいるだけのことが多いです。

ナショナルジオグラフィックも電子版をおもしろがって読んでいたのは最初の頃だけで、今は冊子体しか読んでいません。たしかに電子版は動画のインタビュー記事なども充実はしていますが、なんか欲しい情報はコレジャナイ感がぱないです。インタビューだって文字で読んだ方が頭に良く定着される気がしますし、クジラが泳いでいる映像をわざわざ時間をかけて見なくても良い気がします・・・。時間が有り余っていれば、そういう貴重な映像を堪能したい気持ちはありますが、動画のタイムパフォーマンスつまり、かけるコストに対する得られる情報はあまり良くないと感じています。紙媒体って、作るのに手間暇かかるだけの価値は内包しているのは間違いないのでダイジにしたいですね。

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