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落語ディーパー! とっておき高座SP「死神」 (Eテレ)

借金まみれの男が死神に出会い、似非医者として財を成すが、禁じ手を使った挙句にどうなるか...。初代三遊亭圓朝がグリム童話をもとに創作したと言われている、有名な落語。

様々な師匠が様々なサゲを持ち、いろんなパターンで噺されているネタ。今回は柳家わさび師匠で、変化球ではない直球勝負の死神を聞かせてくれた。

勉強熱心で実直なお人柄がうかがえるわさび師匠。見た目よりお若く見えるが、なんとなく林家木久扇師匠にも似ているような。髪型のせいかな?

私は「死神」はあまり好きではない。やはり不吉なイメージがあるし、人の心の弱さがストレートに出ていると思うから。

「落語とは人間の業の肯定である」と言ったのは、立川談志師匠である。いろんな人間の素の姿が物語となる落語は、良きにしろ悪しきにしろそれらを業として肯定するのだ。

だから「死神」の主人公は特別ではない。誰もが自分の中に宿している業が、主人公となり「やっちゃいけない事をやってしまう」のである。

そんな自分を肯定できたとき、私も「死神」をやってみたくなるのかもしれない。

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