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テンバガーなるか? C3.AI(AI)!

テンバガーなるか? C3.AI(AI)!

今回は人気の米国株で、2024年2月28日に決算を発表したC3.AI(AI)の最新の決算と財務諸表を解説します。

C3.AIは、企業のデジタル化を加速するAIソフトウェアとサービスを提供するリーディングカンパニーです。

40種類以上の「ターンキー」AIアプリケーションと、AIアプリケーション開発のためのプラットフォーム「C3 AIプラットフォーム」を核に、幅広い業界の企業の課題解決に貢献しています。

「ターンキー」とは、製品やサービスがすぐに使用できる状態で提供されることを意味します。

つまり、C3.AIのAIアプリケーションは、顧客が特別な設定や開発を行わずに、すぐにビジネスに導入できるように設計されています。

彼らは、さまざまな業界の企業向けに、その企業が直面する特定の問題を解決するための「ターンキー」AIアプリケーションを40種類以上提供しています。

これらのアプリケーションは、製造、金融、政府機関、公共サービス、石油・ガス産業、化学業界、農業、そして防衛や情報機関など、幅広い分野で利用されています。

さらに、C3.AIはC3 AIプラットフォームと呼ばれるサービスを通じて、企業が自分たちでカスタマイズ可能なAIアプリケーションをより簡単に、かつコスト効率よく開発できるよう支援しています。

これにより、企業は自社のニーズに合わせたAIソリューションを効率的に構築し、ビジネスのデジタル変革を加速させることができます。

例えば、法律分野における成功例としては世界的な法律事務所のDLA Piperとのビジネスが挙げられます。

複雑な法的契約書の分析を合理化する世界初のジェネレーティブAIアプリケーションを開発し、弁護士業務をサポートし、弁護士の業務時間を3ヶ月で80%程度削減できたと同社は説明しています。

基本情報は、こちらの表のとおりです。

この記事を読めば、C3.AIの株を買うにあたって、最低限知っておくべきC3.AIの業績や財務状況を把握することができます。

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株価のチャート

株価のチャートは、こちらのとおりです。

株価は、2020年12月頃に161ドルを付けた後に下落し、2022年10月頃に株価は、12ドルまで下落しました。

その後、株価は上昇し、現在の株価は35.87ドルとなっています。

PSRの推移

PSRは、Price to Sales Ratioの略称で、時価総額を年間売上高で割ったものです。

これは、新興成長企業の株価水準をはかる指標として用いられます。

この倍率が高いほど、株価は割高と判断されます。

C3.AIのPSRは、2024年3月1日現在で14.23倍です。これは過去1年間の平均値12.35倍から上昇し、過去3年間の平均値16.87倍には若干下回っています。

この推移は、市場がC3.AIの収益能力に対して最近より高い評価をしていることを示していますが、過去3年間の水準にはまだ達していないことを意味します。

PBRの推移

PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、株価を1株当たりの純資産で割ったものです。

これは、現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する指標として用いられます。

この倍率が高いほど、株価は割高と判断されます。

C3.AIのPBRは、2024年3月1日現在で4.79倍です。

これは過去1年間の平均値3.68倍および過去3年間の平均値3.91倍を上回っています。

このデータは、C3.AIの株価が基礎となる資産価値に比べて高い評価を受けていることを示し、市場が同社の将来性や成長ポテンシャルに対してポジティブな見方をしていることを反映しています。

最新の決算

C3.AIは、2024年2月28日に2024年第3四半期決算を発表しています。

EPSについては、アナリスト予想-0.28ドルに対して、結果-0.13ドルで、アナリスト予想を上回りました。

四半期の売上高については、アナリスト予想7,614 万ドルに対して、結果7,840 万ドル、前年同期比17.6 %増で、アナリスト予想を上回りました。

四半期のサブスクリプション収入については、アナリスト予想 6,677 万ドルに対して、結果7,040 万ドルで、アナリスト予想を上回りました。

四半期のプロフェッショナル・サービス収入については、アナリスト予想950万ドルに対して、結果800万ドルで、アナリスト予想を下回りました。

次期四半期の売上高については、アナリスト予想8445万ドルに対して、結果8200万から8600万ドル、中値8400万ドル、前年同期比約16.67%増が、アナリスト予想を若干下回りました。

2024年4月期通期の売上高については、アナリスト予想3.08億ドルに対して、結果3.06から3.10億ドル、中値3.08億ドル、前年比約15.36%増でアナリスト予想に一致しました。

また、同社は、次期四半期の営業利益について、マイナス43.5億ドルからマイナス51.5億ドル、中値マイナス47.5億ドル、前年同期比34.9%増を見込んでいます。

顧客数は 445となり、前年比で80%増加しました。

また、サブスクリプションが好調で7,040 万ドルの売上高となり、売上高全体の約90%に達しました。

企業向けのAIビジネスの拡大は驚異的

同社の経営陣は、カンファレンスコールで、「企業向けのAIビジネスの拡大は驚異的であり、

現在、事実上すべての商業、軍事、政府組織はAI を活用して業務を改善、プロセスの最適化を行っている」とコメントしています。

また、米国政府向けのサービス提供も好調で、2024年第4四半期は前年同期比100%増となり、米国の国防総省や米国空軍と新規および契約を拡大したと報告されています。

直近4回分の決算のサプライズ率

EPS

2023年第4四半期から2024年第3四半期までのEPSについては、全ての四半期で、アナリスト予想を上回っています。

アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は約38.36%となっています。

売上高

2023年第4四半期から2024年第3四半期までの売上高については、3つの四半期で、アナリスト予想を上回っています。

アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は約0.69%となっています。

業種別の予約高の分布

C3.AIの2024年第3四半期の業種別のサービスの予約高の分布を見ると、州政府および地方自治体が29%と最も大きな割合を占めており、これに連邦政府、防衛、航空宇宙が25%で続いています。

製造業が16%で、農業が11%、化学が8%となっています。

さらに専門サービスが7%、エネルギー・公益事業が2%となり、食品加工・消費財、石油・ガスがそれぞれ1%で、業種別の契約高分布を形成しています。

業種別の予約高の分布を踏まえた考察

C3.AIの2024年第3四半期の業種別のサービスの予約高を見ると、同社が多様な産業にサービスを提供していることがわかります。

特に州政府や地方自治体、連邦政府、防衛、航空宇宙といった公共セクターが全体の約半分を占めることから、C3.AIの技術が公共インフラや国防関連の分野で高い関心を集めていることが伺えます。

これは、AI技術の進化が社会基盤の向上や国家安全保障の強化に直結する可能性を示しています。

一方で、製造業や農業、化学といったセクターでも一定の割合を占めており、これらの産業におけるデジタルトランスフォーメーションや効率化のニーズが高まっていることがうかがえます。

特に製造業におけるAIの応用は、生産性の向上やコスト削減、品質管理の強化など多方面に渡り、企業の競争力強化に寄与する可能性があります。

しかし、エネルギー・公益事業や食品加工・消費財、石油・ガスなどのセクターでは契約高の割合が比較的低く、これらの産業におけるAI技術の導入や活用がまだ初期段階である可能性があります。

これらの分野では今後、エネルギー効率の向上、サプライチェーンの最適化などの課題解決にAIが果たす役割が期待されています。

総じて、C3.AIの業種別契約高分布は、同社が幅広い産業に対して影響力を持ち、特に公共セクターや製造業での需要が強いことを示していると考えます。

売上高の推移

C3.AIの売上高は2022年第4四半期に38.5%成長後、変動があり、2023年第3四半期には前年同期比で減少しましたが、その後2024年に向けて再び成長が加速し、第4四半期には16.7%の成長が予想されています。

C3.AIの売上高推移は、成長の途中でいくつかの挑戦に直面しつつも、2024年に入ってからは安定した成長を見せています。

これは、市場の需要に合わせた製品と革新に成功している証拠であり、技術の進化と業界トレンドへの適応を通じて、C3.AIが長期的に成長する潜在力を持っていることを示しています。

営業利益とは?

営業利益は、企業が本業で稼いだ利益です。

営業利益は売上高から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費を除くと求めることができます。

営業利益の推移

C3.AIの営業利益の推移は、過去数四半期にわたって一貫して負の値を示していますが、2024年第4四半期の見通しでは、前年同期比で改善が見込まれています。

C3.AIの営業利益の推移は継続的な損失を示していますが、最近は損失幅が縮小しており、将来的な収益性向上の兆しが見られます。

特に、2024年第4四半期の損失見通しの改善はポジティブなサインですが、持続可能な利益達成にはさらなる改善が必要と考えられます。

営業利益率とは?

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。

営業利益率

C3.AIの営業利益率は、過去四半期にわたって一貫して大きなマイナスを記録していますが、2024年第4四半期の見通しは以前の四半期に比べて損失率が大幅に改善されることが予想されています。

C3.AIの営業利益率が次第に改善する見込みは、経営の効率化やコスト管理の強化を示唆しています。これは、同社が将来的に財務健全性を高め、収益性を改善する方向に進んでいる好ましい兆候です。

「利益」は意見、「キャッシュ」は現実

損益計算書(PL)に記載される売上高などの「利益」は、本来であれば来期に立つ売上を、今期の売上として計上することや架空の売上を立てることで、意図的に「利益」を過大に見せること、いわゆる粉飾が可能であり、明らかな粉飾でない限り、このような粉飾を見抜くことは難しいと言われています。

他方、キャッシュフロー計算書(CF)に記載される営業キャッシュフローなどの「キャッシュ」は、実際にどれだけの現金が出入りしたのかを表し、意図的な調整をする余地がありません。

そのため、会計の世界では、『「利益」は意見、「キャッシュ」は現実』、または『キャッシュフローは嘘をつかない』とされています。

また、損益計算書では黒字にも関わらず、倒産してしまう「黒字倒産」の原因は、売上が発生しても、その入金、現金収入が大幅に遅れ、企業が現金不足に陥ることで起こるとされています。

そのため、企業の「利益」だけでなく、企業の「キャッシュ」を確認することが重要です。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

それでは、C3.AIの営業キャッシュフローを見て行きたいと思いますが、続きの内容については、動画付きの有料記事となります。

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メンバーシップは、初月無料ですので、月末までに退会すればご負担0円で、お試しすることができます。

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続きの記事では、C3.AIを、成長性、効率性、現金の生成能力、財務の安定性、割安性、決算のサプライズ度の6つの観点から総合的に分析・評価しています。

https://note.com/observatory393/membership?from=self

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