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レジ精算できなくても男がいればいいと思っていた20歳のわたしへ

2020年11月、その時わたしは25歳。
ある人の誕生日のお祝いのため、COTTON CLUBのチケットを購入し共にジャズを鑑賞しにいった。
あの看板をみて、ふと思い出したーー。

20歳の夏のことだ。
わたしのことを好きと言ってくれていた年下の男の友人と丸の内のつるとんたんに行った。天ざるうどん3玉を余裕でたいらげてしまい、彼は若干引いていた。
そのあとに、怪しげなブロードウェイ字体の「COTTON CLUB」という文字につられて入り口をふたりで覗いた。
赤いカーペットが奥まで繋がっており、細くて薄暗い道が続く。誰もおらず、謎の静けさがあり、この暗闇の奥に一体どんな世界があるのかしらと、ふたりで興奮したのを今でも覚えている。
(カルト映画好きが起因し最初は新興宗教の聖地的な場所かと思っていた ※20歳の時点で思考回路がやばい)

▼2014年夏に撮影(怖じ気づいてちょっと遠めから撮影、、)

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▼2020年秋に撮影(堂々と接近して撮影。画素数も全然違う)

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でも、6年前のわたしはというと
カフェのアルバイトを始めて1年経つのに何度もレジの精算を間違えて
さすがに店長から「いい加減にして欲しい」的なニュアンスのちょい強めな個人ラインがきた時にも
「自分でも何故間違えるのかわからないのです。」
と怒る気力を失わせるほどには、真面目にとんちんかんをやっていた始末だった。
更に、当時モテ期が到来していたこともあり、男性に依存することが多々あった。なので、

「レジなんかうてなくてもわたしのことを好きな男はたくさんいるもんっっ!ふんっ!!」

、、、という有様で、世紀末ばりのハードめな思想でやらせてもらっていた。
それに、やりたいことがなかなかできていなかったらかどこか厭世家なところもあり、
「COTTON CLUB」を目の前にしたときは、どんな貴族がこんな洒落た店に行くんやろか顔でもみてやりてーわと、投げやりな感情だった。

そして、25歳の秋ーー。

この場所に、髪を束ねてドレスアップしてジャズを聴きにきているわたしが、そこにはいたのだ。
レジでまともに精算もでず店長に大迷惑をかけていたくせにうどんだけは3玉余裕で食べられる、20歳の愛おしきわたしに教えてあげたいのだ。


レジ精算と男がすべてじゃないぞと。
レジ精算ができなくても、男に依存しなくとも、
この世界でわたしにできることは数え切れないほどたくさんあって
5年後には、自分とは一生無縁だと思っていた「COTTON CLUB」に
自分のお金で、しかも隣に人を連れて、
ジャズを聴きにくるような人間になっているぞと。


教えてあげたいのである。


※ついでに、5年後はうどん3玉入るようなブラックホールばりの胃ではないので今のうちに何玉でも食べとけと伝えねば。

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