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気まぐれ文献紹介:Point of Test のリスク予測スコア(SOARS)を用いたCOVID-19 の早期予後予測

気まぐれで文献紹介してみます(初回かつ最終回です)。英語とか全然よくわかんないので、不正確なことがあったら指摘お願いします。Resultの最後らへんの、" the same individuals who could be identified for safe outpatient monitoring."がマジでよくわからんくて、フィーリングで翻訳しました。あと、医療情報は呼吸器内科医ブログとかの方が人生の役に立ちます。

リスクが高い患者さんを外来で早期にピックアップする方法。数あるリスク因子の中で、SOARSSpO2(92%以下)、Obesity(肥満: BMI31以上)、Age(年齢:50歳以上)、Respiratory rate(呼吸数: 25回/分以上)、Stroke history(脳卒中の既往)で層別化する。SpO2と呼吸数さえわかれば、その他の検査なしに、年齢、身長体重や既往だけで死亡リスクが高い患者さんを識別できるのです。なかなかすごいです。むしろ死亡リスクを低い人を見積もれるのが良いのかもしれませんね。現在のトリアージ、重症者判別に何か役に立つかもしれません。その他のリスク因子評価のTableも、SOARSの点数での死亡率のtableも図もなかなか興味深いです。個人的には一読を勧めます。

Chua F, Vancheeswaran R, Draper A, et al.
 A. Early prognostication of COVID-19 to guide hospitalisation versus outpatient monitoring using a point-of-test risk prediction score.
 Thorax. 2021 Jul;76(7):696-703. 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33692174/

Summary
COVID-19の有害な転帰をとるリスク因子は定義されているが、病院受診前に、検査を用いずにCOVID-19の死亡率を層別化するスコアは不足している。

方法
COVID-19と確定診断されて急性期病院に入院した患者を対象に、ブートストラップ法を用いた多変量回帰により、独立した死亡率予測因子を特定した。予測因子をISARICコホートの大規模ランダムサンプル(N=14,231)とAintreeの小規模コホート(N=290)で検証した。

結果
11週間の研究期間で983名の患者(年齢中央値70、IQR53-83、院内死亡率29.9%)が対象となった。連続モデルから、COVID-19の重症度を低、中、高の3つの死亡リスク層で相関することができる、SOARS(SpO2、Obesity、Age、Respiratory rate、Stroke history)と呼ぶ5つの予測因子を用いたスコアを開発した。このスコアは院内死亡をよく判別した。派生コホート、Aintreeコホート、ISARICコホートのArea Under the Curveは、それぞれ0.82、0.80、0.74だった。
両コホートの予測正確性(較正確度)は、軽症患者(SOARS 0-1)において一貫して高く、安全な外来患者としてモニタリングの対象と識別されうる。軽症患者が非致死的転帰をとる予測は、高い感度(99.2%)と陰性予測値(95.9%)を伴っていた。

結論
SOARSスコアはCOVID-19による死亡のリスクを予測するために、正確かつ迅速に評価できる個人の特性を用いている。このスコアを導入することで、迅速かつ信頼性の高い意思決定がキーとなる、入院前のトリアージに役立つ可能性がある。SARS-CoV-2が再流行していることから、このスコアの性能をさらに検証し、アップデートする機会をもたらすこととなった。

データ提供について
データは合理的な要求に応じて入手可能である。本研究の発表後、著者に参加者のデータを開示請求することができる(ORCID identifier:0000-0001-7845-0173)。

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