たばこを吸ってると、いずれはCOPDになる

タバコってこう、文学とともにあるというか、サブカルっぽくもあり、ちょっとイケてるワルぶった人が吸ってますよね。僕はサブカルのことしかわからないので、次元大介がかっこよくPALLMALLを吸ってたり、NANAでいえばヤスがBlack Stone Cherryを吸っていたり、もしかしたら吸っていればモテるのでは?などと思ってしまうかもしれません。

若気の至りで吸って、そしてモテてしまっても、残念ながらモテなくても、気がついたら早くやめてしまうのが良いと思います。禁煙禁煙って説教臭いなって思っていたけど、実際医者になってみると、将来ヤバいので正直オススメできないというのが本音です。

タバコを吸うと、いろいろな疾患になるのはご存知と思いますが、大きく断言できるのが、かなりの確率でCOPD(慢性閉塞性肺疾患)になります。

喫煙者全体の20%が患うといわれています。これはタバコを吸っている人で運が悪ければ5分の1の確率でCOPDになるわけではないようです。COPDを発症する時期には個人差があり、累積の本数で発症する確率が上がって行くことを見ているようです。

20 pack-years (20本を20年)の喫煙者のうち、20%がCOPDになっています。つまり、二十歳にタバコデビューした若者がアラフォーになったとき、もう2割はCOPDを発症しているわけです。一方で、60 pack-years(20本を60年)吸った方は7割がCOPDと言われています。なんだ、3割は80歳になってもならないのか、と思うかもしれませんが、個人的な経験からすれば診断されていなくて、もっと多いのではないかという実感があります。

COPDの診断基準は、①長期の喫煙歴などの暴露因子があり、②気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーでFEV1/FVCが70%未満であること、③他の気流閉塞を来す疾患を除外することとあります。(日本呼吸器学会:COPD診断と治療のためのガイドライン第5版、メディカルビュー社、東京 2018)

この基準を満たしているって、肺活量では立派な閉塞性障害をすでにきたしている状態です。もう立派な呼吸器疾患になっています。不可逆的であり深刻な状況ということが患者さんに伝われば、とくに若い人に伝わればな、と思いながら診療にあたっています。

COPDの治療薬は以前よりたくさんできました。でも、やっぱりそういう薬のお世話にならない人生を送ることを強く推奨しています。


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