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戦え!当直決め太郎!

突然ですが、僕は1年間、当院の「内科医の当直を決める当番」となりました。これは、文字通り、今日は誰が当直をするのかというスケジュールを組むという大切な仕事なのです。最終的に数人しか候補がない中、最後は自ら志願したのです。まさにvolunteer(志願兵)。

目的は「皆さんの夢を叶える」ことでした。夢をかなえるんだゾウ。

おじさんでも夢かなえる!シングルおじさん43歳で起業!ツイッターフォロワー四捨五入して2000間近!月商100万円負債1億円!夢を叶えるインスタグラマー!それが僕なのです。

病院によっていろいろなルールがあると思います。当院の当直医制度は、自各自から「不可日」と「希望日」を募り、日程を組んでいくのです。
不可日は除外し、当直可能な日で日程を組むのですが、「希望日」を優先する制度なのです。

つーかそれ希望ガッツリ言ったもん勝ちじゃない?どうにでもなるやん?
まさに性善説が試されているのです。
希望日不可日に上限付けろや。

僕はどうやらディープな大人の世界に迷い込んできたようです。
でも、大丈夫です!そんな僕が大人の事情を暖かく包み込み、みんな幸せになれば、きっとみんなが僕に優しくなるに違いない!

そう、たださみしくて、ただ構ってほしくて志願しました。
それが全ての間違いでした。

前の先生から、当直の引継ぎファイル一式をもらいました。
ここに赴任してから、当直表が作られるのは毎年同じ感じでした。だから、やり方は昔から完成していたと思っていたのです。引継ぎ資料にはもうExcelとかすっごいのがいっぱいあると思っていたんです。

俺がExcelでさらに改善して、関数とかめっちゃ使ってついでにExcelの技術磨いて、何なら「おーちゃん先生のスーパー当直表作成術ver4.0」とか自己啓発本を書いて一儲けしてやろうと思ったわけですよ。

かちかちっ「当直表.xslx」

は???マジでまさかの全部手入力????カレンダーも全部手入力やん。
もうね、これは嫌な予感しかしなかったっていうか詰んできましたね。突然ですが背水の陣。ウォールマリアは俺が守る!!

さて、そんな大ピンチな僕に
皆さんの夢と希望が詰まったメールが次々と集まってきました。
お便りの一部を紹介しちゃいます。

ラジオネーム「イライラしてる診療科長」さん
○日が第一希望。以上。
→ははあああ 仰せのままにーーーー!!

ラジオネーム「医者夫婦は人生の勝者」さん。
第3土日が外勤だけど、嫁さんが日直(第2土曜・第3日曜)のときはやめてほしい。あと、第4火曜日は嫁さんが(ry
→さっさと結論を書け。

ラジオネーム「病院に住んでいる内科部長」さん。
希望なし。
→僕も将来こうなるんすかね。

ラジオネーム「どうせ年度末で辞める無敵のレジデント」さん。
1日、5日、6日、8日、13日、15日、19日、20日、23日、29-31日は無理です。あとできれば火曜日は避けてほしいです。

→大変お忙しくて大変ですね。てめーの毛を毟るぞ。

その他大勢のみなさん。
送ってこない

→タンスの角に足の小指ぶつける呪いをかけておくね(^ω^)

これはもう完全に需要と供給を満たすテトリス。接待やんけ。
などとまあ、言ったもん勝ちシステムであったことに驚愕を受けつつ、
何を優先に決めるのか、どうやって決定しているのかなどが引継ぎファイルに・・・・

書いてなかった。

おまがーーーー!!

これは大変なことである。30人を超える内科医を、ランダムに選びできるだけ平等性を保たなければならない。
かつ、できるだけ7日あける。科の偏りもつくらない。パワプロで打線でも作るのかよこの野郎。そんなことができるのか。

そんな簡単にできるわけねえだろーーー!!(発狂)

そんなどうしようもない僕に天使が降りてきた。
それが、当直決め太郎である。

説明しよう、当直決め太郎とは、医師による医師のための医師の当直表作成アプリケーションである。遺伝的アルゴリズムで当直表の最適解を作り出すまさに最強、片翼の天使

当直決め太郎は素晴らしいソフトウェアです

デュフフフ・・・31人分の希望日と不可日を全部入れたぜ・・・
これでスイッチオン!ファイナルフュージョン承認!

CSVが作られずまるごと焼失した。

おまがーーーー!!(発狂2)

当直決め太郎が落ちた。。。ちょぉ期待してたのに。。
せっかく31人分の希望日不可日を全部書いたのに落ちた。。。
どぉせゥチわ決め太郎に遊ばれてたってコト。。。
もぅマヂ無理。。。あみだくじにしょ。。

よい子のみんな、安請け合いしちゃだめだぞ!
(※当直決め太郎が落ちたのはおそらく環境の問題です)

<Summary and Recommendations>

【安請け合い反省日記】
・当直作成係を引き受けた。
・引継ぎにすごい量のエクセルがきた
・よーしおじさんエクセルの技術磨いちゃうぞーとおもった
・めっちゃ関数とか覚えて自己啓発本とか書いちゃうぞー
・全部手入力だった 
・キレた(1回目)
・各自要望の形式が違いすぎて原辰徳
・まだ希望日送ってこないお忙しい方々がタンスに足の小指をぶつけていい呪いをかけた
・ランダムにするのとバランスはどうすればいい
・同じ科が連続しないとか知ったことかよ
・キレた(2回目)
・エクセル止まりすぎ
・キレた(3回目)
・手書き最強、アナログこそ正義、エクセルは放棄。当直決め太郎さんは悪くない。
→俺が覚えるのはエクセルではなくパワプロで打線を組む技術だった。(Q.E.D.)


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