リネージュの思い出

書くネタがだいぶ尽きてきたので、今日はお題にあるゲームについて書こうと思います。

リネージュ(Lineage)についてです。
これは、僕の人生の黒歴史、備忘録、そして思い出です。色褪せかけてますが、残しておきたいです。

リネージュと留年

リネージュとは、1998年に始まった、MMOPRG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)です。要は、世界に自分のキャラクターをつくってグループを作って強力なモンスターを討伐したり、戦争をしたり、城を勝ち取ったりするゲームです。流行った当時、僕は大学生でした。
天才的で優秀だった(嘘)僕でも、リネージュをやりすぎて1回留年してしまいました。しかも、大学4年生になってからの留年でした。
後悔しかしておりません。
医学科は6年あるため、卒業アルバムは4,5,6年と3年間の「よく知らん同級生」しか載ってません。入学式や解剖実習やら、部活やらいつものメンバーは載ってない。くそ高い卒業アルバムを買わされるわけですよ。
そして、友達はみんな1年先に卒業しました。友達に卒業旅行に誘われても、僕はポリクリ(今でいうクリニカルクラークシップのような病院実習)でしたし。サボったらまた留年だし。
自分が卒業した時は、みんな研修医してるんで卒業旅行も適当に神戸の中華街で肉まん食べて終わりました。
留年の影響は卒後永遠に付きまとうのです。なんといっても入学年度よりも卒業年度がキャリアとして重要になります。いわゆる何年卒、ってやつですね。たとえば同級生が偉くなっていても、何故か卒業年度が違ったりしていると「あ・・・(察し)」と言われたりか、とにかく取り返しつかない程度にはたくさんのものを失いました。
まあ何というかリネージュせいですよね。うん。
そんなのおめー自分のせいとか言ったら正論過ぎて、頭が地面にめり込んだまま上がりませんが、それでもこの、悪魔的ゲームと黒歴史について書かずにはいられないのです。

ストイックで絶妙なゲームバランス

そのときやっていた家庭用ゲーム機のRPGといえば、ファイナルファンタジー10とかその辺だったと思います。RPGってレベル上げしたらだんだん強くなるじゃないですか。1日かけたら全然違いますよね。雑魚キャラでも一瞬で倒せるようになるじゃないですか。それで沢山お金も手に入る。冒険も進むし達成感があるわけじゃないですか。
これがリネージュは全然違って、それはもう雑魚キャラにどつかれて死ぬ死ぬ。もうボッコボコ。所持金は半分になるし、装備は落とすし。PK(Player Kill)とかされるし。
はいクソー!もう辞めたろ。何度もそう思いました。しかし、ちょっとずつ強くなるんですよ。ほんとちょっとずつ。スーパーM仕様なんですが、攻略サイトとか見ながら努力を重ねると、少しずつ強くなっていく。そうしたらお金がだんだん儲かるようになる。それまでにすでに膨大な時間がかかっているのです。もうFF10ならクリアしているんちゃうんかと。もうここら辺のゲームバランスが絶妙の廃人生成マシンなんですよね。

楽しい血盟ライフ

リネージュでは血盟を作ることができます。クランってやつですね。
まあ、徒党を組むわけですよ。盟主1人に、ナイト、エルフ、ウィザードが集まるんです。盟主のステータスのうち、カリスマ値の2倍くらいの血盟にすることができます。
パーティーを組んでダンジョンにモンスターを狩りにいったり、ボスキャラに挑んだり、戦争をして城主になることを目指したり・・・画面の向こうに人がいるという感覚がとても新鮮でした。
当時、フリーゲーム(βテスト)だったので 中学生(は殆どいなかった)、高校生、大学生、社会人、ニートのゲームオタクたちの集まりだったわけです。そりゃ気が合うわな。みんな友達。
それはもう、チャットが楽しかったですね。もう1日中みんなゲームに張り付いていったので、「ごはん食ってきます」「くてらー」とか、「俺パソコンの前離れるわ(away from keyboard : afk)」とか、ゲームしてたまま寝てたことを「寝落ち」とか言ってました。笑うことを「w」と言ったり、結構ネットスラングってオンラインゲームからなんじゃないでしょうかね。
それだけみんなが四六時中ゲームでコミュニケーションをとっていたってことです。気が合う仲間と毎日お祭りです。やばいくらい面白かったです。

そのときの大きな黒歴史の一つですが、女の子(かどうかネカマかどうかは不明)と仲良くなって、2人で狩りとかやってました。まさにバーチャルですね。iモードの携帯が地獄で、それはもういびつな生活を過ごしました。黒歴史ってこういうときのためにある言葉なんだー(棒)。実際に結婚しちゃった人達も居ました。
オフ会もしました。渋谷のネットカフェとかで。そりゃあもうオタクたちの集まりでしたよ。でもね、変態男だと思ってたのがめっちゃ可愛い女子だったりするんですよ。思わせぶりの態度を複数にとって、一番よさそうなやつと付き合うやつですよ。もうね、クランは分裂ですよ。これが、サークラ。オタサーの姫。わかるか?俺たちネットゲーマーこそが時代の最先端だったんやで。もう20年以上前の話やで・・・やっと時代が追いついたころには俺たちアラフォーや。生まれた時代が早すぎたんや・・・

そして廃人へ

気が付くと、生活はネットゲームが中心になっていました。なんといっても、18時~24時くらいは人が多くて狩りにならない。効率が悪い。だから一晩中起きていて夜中に狩りをしていました。
とくにボスキャラは少数で叩けば分け前が多く、「やべえそろそろドレイクタイムだ」とか「早朝のDK(Death Knight)にはハズレがない」と、早起きは三文の得みたいな金言を言っていました。もう、言語中枢は完璧に破壊されてましたね。
夜起きて、ゲームをやって、授業に出て(超寝不足)帰って寝る。夜目を覚ましては狩りをする、それはもう廃人生活が始まりました。

チャットばかりやっていたため、常人でないレベルのタイピング速度を手に入れました。しかし、人間として言語を発する能力は低下していきました。
コンビニの店員に「あたためますか?」と聞かれて「はい」と答えるだけでした。マジ、1か月くらい「はい」としか言わないことがありました。
そうすると、本当に人間の言語中枢って駄目になるんですね。まず、頬の筋肉が落ちました。鏡で見て、口元にしわがない。ほうれい線も消えました。
いざ会話しようにも、物理的に口が回らない。「はい」が限界。何より、脳みそが伝えたい言葉があっても、うまく表現できない。何か話そうとするにも「え、、、あ、、、はい。」みたいに。言葉が出ない。


組織のマネジメントを学ぼうとするが・・・


僕のいたサーバーはJP2(カノープス)、伝説の厨房サーバーです。
最初のキャラクターはプリンセスでした。名前は「灰被り姫」でした。そう、シンデレラですね。Cinderが灰で、Cinderellaが灰被り姫。そう、12時でログアウトしちゃう姫(ネカマ)なの・・・。もうね、今ホントどうして生きているのか疑問に思うことがよくあります。
ナイト、エルフ、ウィザードと、ひと通りサブキャラでリネージュを楽しんだ灰被り姫は血盟を作りました。最初はお気楽、適当に血盟を運営しました。
ですが、責任感が強かったのか、連帯が強く楽しい組織をつくりたいと思うようになりました。組織のマネジメントについてとても考えるようになりました。今考えたらまず、大学の講義に出席して、テスト勉強をするほうが大切だと思いました。
ただゲームをするわけではなく、クランのサイトを立ち上げました。あの頃はWeblog(今でいうBlog)が始まったばかりの頃で、リネージュのプレイ日記もよくありましたね。ドレイクテイマーのIkukoさんだったり、WA氏だったり。
お互いがオンラインでない時間にも、例えばお互いがゲームやらリアル日記を書けるようにして、交流できるようにしました。
2chの【Lineage】Canopus(JP2)板を見たり、リネージュ記者クラブ(リンク先はじぞう氏の特集)に載りたい(叶いませんでしたが)だとか、情報交換もしました。お互いのサブキャラが別のクランに入ったり、他のクランとの交流をしたりしました。

さようならリネージュ

その頃からでしょうか。ゲームが苦しくなっていきました。ゲームをやるついでにいろんなスキルを身に着けてやろうと思っていたんです。しかし、実際はゲームが現実世界をむしばんでいくような気がして、どんどん嫌になりました。今考えたら、とっくに飽きてたんだろうなと思います。
もう詰まんねえな、潮時だなと思うようになりました。いやもう、潮時って何回あったかわかんねえだろ気づけよという話ですが。最後にド派手に面白いことをしてえなー。そう思いました。

ここからはゲームの具体的な話になります。
まず夢になるのは、城主になることでした。かといって、ガチでやってる人が沢山いるような大きな城は無理で、オーク城という、一番しょぼい城に目を付けました。城をとるのに、王冠を奪えばいいんですが、それを同盟同士で交換し合う、いわゆる「王冠回し」というクソみてえな手段があるんですが、戦争終了の最後の瞬間にリネージュの幻のアイテム「酒」を内服し特攻し王冠回しを阻止(という記憶ですが、酒つかってないかも。違ったらすみません)、わけわからんうちに城主になれました
その翌々日でしょうか。次の城の攻防戦がありました。クランの規模からも絶対に負けるとわかっていました。そこで、血盟みんなが「パインワンド(モンスターが湧き出る杖)」を城中に、もう限界まで振りまくってモンスター地獄にしました。これは過去にない新規性のある振舞いでした。
あまりにひどすぎてNPC(Non Player Character)のサーバーが落ちてしまったようです。あの時のパインワンドの人、それが僕たちの血盟の思い出になりました。

とまあ、その後はしばらくエルフで全茶厨をしてフェードアウトするのでした。すぱっと辞めるのは難しかったですね。

そんなこんなで常軌を逸した生活を送りました。
これ以来、あんなにゲームが好きだった自分が、まったくのめりこむことはなくなりました

くそげーだけど大好きだった。
でも、ありがとうリネージュ。

当時の知り合いがいたらまたお話ししたいですね。そのときの仲間がもしこれを読んでたら Wis Plz。人生は一回きりですよ。

そして僕は現実に戻り、部活に明け暮れる日々を送るのでした。
リネージュの思い出は、ネタの宝庫ではありますが、黒歴史過ぎて人に話せないという欠点があって、話のネタにもできませんでした。
時は過ぎ、こうやってSNSにで書ける日がくるとは思いませんでした。
なんとかして残りの人生は決して無駄にしないように頑張ります。

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