けものフレンズ3における外の世界(2) ~大企業の陰謀?~

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で、アニマルガールの存在が一般的に信じられていない理由について、以下の3つを検討した:

1. ジャパリパークへの立ち入りや取材が制限されている

2. 信頼性の高いメディアが存在しない

3. メディアが到達困難な場所に存在している

記事内では、このうち2. だけがあり得そうな状況であると述べ、次の話に進んだ。

しかしその後、ここに第4の選択肢が加わる可能性に気づいた:

4. 何者かによって報道が規制あるいは妨害されている

この場合、その何者かの正体と、目的が気になるところである。

以下、その何者かをXと表記する。

Xについて、以下のことがわかる:

1. Xは世界的な報道に影響を与えることができる

2. Xはアニマルガールの存在を開園前に知られることを望んでいない

3. Xはジャパリパーク自体の開園を直接妨害していない

この中で、特に2. Xはアニマルガールの存在を開園前に知られることを望んでいない というのはかなり特殊な条件である。なぜアニマルガールの存在が知られるとXに不利益があるのだろうか?しかも、ジャパリパーク自体の開園を阻止することは目的としていないというのも不自然である。

そこで、開園前にアニマルガールの存在が知られることによる影響を考えてみる。

これはけものフレンズ3内でも言及されていたが、「アニマルガールの存在とセルリアンとの戦いが知られることで、外部からの支援を受けられることが予想される」という点を重要だと考えた。つまり、アニマルガールの存在が知られることで、ジャパリパークに資金が集まるということだ。

また、ジャパリパークが開園してしまえば、多くの来場者が見こめるため、資金難は迅速に解消されるであろうことも容易に想像できる。

資金不足については、けものフレンズ3内においてもカコ博士が「まともなセキュリティを組む資金が無い」と言及しており、ジャパリパークは慢性的な資金不足であることがうかがえる。その原因は、いうまでもなく多額の投資と開園の遅れである。

つまり、Xはジャパリパークが資金不足になることを望んでいる、ということだ。ここから、Xの正体を推測してみよう。

ジャパリパークに限らず営利組織が資金不足になった際、取られる選択肢には次のようなものがある:

1. 資産(設備、土地等)の売却

2. 不採算事業の撤退あるいは売却

3. 銀行からの借り入れ

4. 株式の新規発行

このうち、1. はジャパリパーク全体が1つの設備であることを考えると難しい。つまり、遊園地にある遊具のうち一部だけを売却、などということはその移動の難しさや、それが大きなパークの一部であることから不可能である。

また、3. は汎用性の高い選択ではあるものの、銀行から借りられる資金にはどうしても限度がある。ジャパリパーク建設のために投入された金額を考えれば、すでに借りられるところからは借り切っていると考えた方がよいだろう。

すなわち、Xの狙いは2. と4. のどちらかであるということだ。

2. 不採算事業の撤退あるいは売却 は、特にあり得そうであると考えている。ジャパリパークは広大であり莫大な投資が行われており、これだけの投資を行える運営母体は限られる。それは巨大企業である。ジャパリパークはその会社の一事業として始まったと考えるのが自然である。

その会社にとって、「不採算事業」とは言うまでもなくジャパリパーク事業である。莫大な投資と初期費用を行い、にもかかわらず未だに開園すらできていないジャパリパークは、会社の経営が傾いたら真っ先に売却が検討されるだろう。ジャパリパークは今は資金難とはいえ将来的には莫大なリターンが予測されるので、その経営権は天文学的金額で売却することができるだろう。そうすれば、母体企業としては経営が安定し、また開園できないというリスクも回避できる。

4. 株式の新規発行 もありうる選択肢だ。この場合、ジャパリパーク全体の経営権ではなく一部を売り渡すことになるが、それでも株主としては大きなリターンが見込める。

つまり、Xの正体は、アニマルガールの存在が知られないようにすることで、ジャパリパークの経営を傾かせ、経営権を取得しようとしているライバル企業であると推測できる。その動機は、将来的な利益とブランド力であろう。

さらに言えば、こうしたことを行っている企業はおそらく一つではない。ジャパリパークが生み出しうる莫大な利益と権力を考えれば、世界中の大企業がそれを手中に収めようとしていることは想像に難くない。そしてそれらの大企業は皆、現在のジャパリパークの資金が尽きるのを待っているのだ。しかし言うまでもなく、これは自分の手中に収めることに意味があるので、ジャパリパーク自体を破壊するような真似は決してしないのである。

すなわちジャパリパークを幾度となく襲っているセルリアン危機は、巨大企業同士の争いの「巻き添え」のようなものであると言えるだろう。

それでは現在ジャパリパークを運営している企業は、なぜ頑なにジャパリパークを売らないのだろうか。それは利益やブランドといった面もあるが、やはり、ジャパリパークがその会社の「夢」だからなのだろう。ジャパリパークは前代未聞の一大プロジェクトであり、目の前の資金のために、それをやすやすと売り渡すことはしたくないはずだ。しかしすでに資金は底をついており、外部は敵だらけで助けを求めることもかなわない。セルリアン危機のために軍事力を動かすといったことも当然かなわず、今いるアニマルガールとパークスタッフにやらせているというのも納得がいく。

以上はあくまで私の推測に過ぎないのだが、企業同士の争いのためにアニマルガールが危険にさらされているとすれば、何たる皮肉だろうか。しかし歴史的にも、野生動物の乱獲によって絶滅にまで追い込まれたケースは、「ライバルに取られる前に取れ」の精神で行われたことが多い。ジャパリパークを巡る企業同士の争いは、自由競争と環境保護の相性の悪さというものを如実に表しているようにも感じられる。

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