見出し画像

レビヤタンシステム 秘訣2 Awesome Oscillator

はじめに

レビヤタンシステムの根幹をなす手法は、ビル・ウィリアムズの著作
Trading Chaos と別の本かと思うほど大幅に書き換えられた第2版である。
実は第1版と第2版のあいだに New Trading Dimensions というのがある。
これには邦訳があって「相場の達人ー常勝のカオス思考」という。
New Trading Dimensions(相場の達人)で詳説されているAwesome手法や
Accelerator Oscillator を使う手法は、レビヤタンには組み込んでいない。
このことは以前にも書いた。気になる向きは各自調べていただきたいと
海外のYouTube動画を3点紹介しておいた。

Awesome Oscillator By Bill Williams - Best Strategy Guide
Top 3 Best Awesome Oscillator Trading Strategies
Top 3 Awesome Oscillator Strategies

その後日本語の説明を見かけたので、ここに合わせて紹介しておく。

さて、今回はAwesome Oscillatorの秘訣ということで
AOで買いと売りの勢力(モメンタム)
買い方・売り方の感情(センチメント)
などを可視化する秘訣について書く。

なお、今回解説する手法は、いずれもそれ単独で用いることを推奨しない。
レビヤタンシステムの根拠として総合的に理解し活用することが肝要だ。

AOのヒストグラムの色について

忘れてはならない基本的な事項であるが
AOのヒストグラムが緑色のときは買いに絞る。
AOのヒストグラムが赤色ならば売りだけを考える。
これはAOのシグナルでトレードする場合だけではなく
フラクタルやワニや然るべきサポレジを根拠にエントリーする時にも
ロングでエントリーしようとしてAOのヒストグラムが赤であれば
そのエントリーはもう一度考え直したほうがよい。
ショートを打とうとしてAOのヒストグラムが緑色であるならば
そのエントリーを見送るか、緑から赤に変わるのを待つのが賢明だ。
ここで言うヒストグラムの色はゼロラインの上か下かを問わない。
AOがプラス圏で推移していようがマイナス圏であろうが
ロングしていいのは緑のヒストグラムのときだけであり
ショートしていいのは赤のヒストグラムのときだけである。

AOのヒストグラムの色とエリオット波動

エリオット波動論的視点でいうと
AOのヒストグラムが緑のあいだは推進波が形成されている。
AOのヒストグラムが赤のあいだは修正(調整)波が形成されている。

すべての緑のヒストグラムが推進波ではないし
すべての赤のヒストグラムが修正(調整)波というのではない。
ノイズのような小さなさざなみもあるからだ。
しかし、すべての推進波は緑のヒストグラムである。
また、すべての修正(調整)波は赤のヒストグラムである。

たとえば、エリオット波動をカウントしていて「ここは第2波だ」と
当たりをつけたときAOのヒストグラムが赤でないならば
そのカウントは間違っていると判断していい。

Zero Line Crossover

AOがマイナス圏からプラス圏に向かってゼロラインをクロスするとき
半値ベースの5 SMAと半値ベースの34 SMAがゴールデンクロス(GC)。
AOがプラス圏からマイナス圏に向かってゼロラインをクロスするとき
半値ベースの5 SMAと半値ベースの34 SMAがデッドクロス(DC)。

画像1
画像8

移動平均線のGC・DCの勝率が決してよくないことは周知の事実である。
まず、レンジ局面で頻繁に多発して負けを重ねる。
さらに、トレンド相場であってもシグナルが遅いので初動に乗り遅れる。
AOのゼロラインクロスも同様のデメリットからは免れない。
とはいうものの、MACDのシグナル線のGC・DCと比較してみると
AOの優位性は一目瞭然である。

画像2

The Saucer

AOがプラス圏(ゼロラインの上)は大局的には買い目線。
AOがマイナス圏(ゼロラインの下)は大局的には売り目線。

プラス圏において緑のヒストグラムが続くあいだは
買い手のセンチメントが強気であることが見て取れる。
買いの勢い(モメンタム)が増加しているということだ。
プラス圏にありながらも、ヒストグラムの色が赤に転じるとき
買い手のセンチメントが強気から弱気へとシフトしていると知れる。
買いの勢い(モメンタム)が減少したということである。
しかしゼロを割り込むことなく1本かそれ以上の赤色の後再度緑に転じれば
買いの勢い(モメンタム)が復活したと解釈していい。
具体的には、上昇トレンド継続中の押し目買いの場面だと判断する。

画像12
画像13

これとは逆に、マイナス圏において赤のヒストグラムが続くあいだは
売り手のセンチメントが強気であることが見て取れる。
売りの勢い(モメンタム)が増加しているということだ。
マイナス圏にありながらも、ヒストグラムの色が緑に転じるとき
売り手のセンチメントが強気から弱気へとシフトしていると知れる。
売りの勢い(モメンタム)が減少したということである。
その後ゼロを越えることなく1本かそれ以上の緑色ののち再度赤に転じれば
売りの勢い(モメンタム)が復活したと解釈していい。
具体的には、下降トレンド継続中の戻り売りの場面だと判断する。

画像17
画像18
画像9

The Twin Peaks

上記2つと異なりゼロラインより下のマイナス圏でロング
セロラインより上のプラス圏でショートのシグナルが発生する。

ロングの場合
● マイナス圏で1本以上の緑色のヒストグラムが出現
● ヒストグラムが再び赤色に戻る
● 赤色に復帰したヒストグラムがそれ以前の赤色ヒストグラムより短い
● 次のヒストグラムが緑色で確定したらロングでエントリー

画像13
画像14

ショートの場合
● プラス圏で1本以上の赤色のヒストグラムが出現
● ヒストグラムが再び緑色に戻る
● 緑色に復帰したヒストグラムがそれ以前の緑色ヒストグラムより短い
● 次のヒストグラムが赤色で確定したらショートでエントリー

画像14
画像15
画像5

New Trading Dimensions(相場の達人)でビル・ウィリアムズは
ダイバージェンスをエントリーの条件に定めていないが
これは是非ともエントリー条件の1つとするべきである。
つまり、AOのTwin Peaksと価格のあいだにダイバージェンスが
発生したときのみをエントリー根拠として採用するということだ。

画像6

AOと価格のダイバージェンスはエリオット波動における5波が
完成したときに出現する現象として、レビヤタンシステムでは
かねてより最重要視していることは先刻ご承知のとおりである。

画像10

3つのAO売買シグナルを合わせて使う

画像16
画像19
画像20
画像21

このように、AOの売買シグナルで、エリオット波動の1波から5波までを
ごっそり利益にすることが可能である。上のチャートは米国株の例だが
FX、CFD、先物、仮想通貨などでも有効なことは言うまでもない。

また、コカ・コーラ日足チャートの ⑤ に注目してみよう。
このTwin Peak Sellは、アップトレンドが転換する局面で出現している。
その後株価は数日間にわたり下げ続けることとなった。
「コカ・コーラ反落」という経済新聞の見出しが1日前に予測できるのだ。
Bill Williamsが、AOは『ウォールストリート・ジャーナル』の明日の朝刊を
読むに匹敵する、と言ってのけたのはこのことである。

ちなみに、Trading Viewを使ってこのトレード手法を
過去検証(backtesting)できるストラテジーがある。

ゾーントレード

おまけのつもりで、New Trading Dimensions(相場の達人)で解説している
Awesome と Accelerator をあわせて使う手法に触れておく。
Accelerator Oscillator はMT4に標準で搭載されている。デフォルトで使う。

Awesome Oscillator(AO)と Accelerator Oscillator(AC)のヒストグラムが
両方揃って緑の時を「グリーンゾーン」または「買いゾーン」と呼ぶ。
積極的に買い増しする局面である。

AO と AC のヒストグラムが両方揃って赤の時を
「レッドゾーン」または「売りゾーン」と呼ぶ。
積極的に売り増しする局面である。

画像7

この手法は単独で売買シグナルとして使うものではなく
Alligator、Fractalなどの条件でエントリーをしているときに
増し玉するタイミングを知るために用いる。
Bill Williamsは、先物・株のトレードに活用した。
強いて言えば、日足など比較的長期足でのトレードでより機能する手法だ。

なお、AO と AC のゾーンをローソク足の色で示すインジケーターがある。

AO と AC が揃って緑色のとき、ローソク足は緑色になる。
AO と AC が揃って赤色のときは、ローソク足の色は赤。
AO が緑で AC が赤のときは、ローソク足はグレー。
AO が赤で AC が緑であれば、ローソク足は白となる。

なお、Trading Viewには、これらの手法を網羅した力作がある。

OS Alligator
OS Fractals
OS AO (P-unity MACD)

網羅的すぎてデフォルトのまま表示するとトンデモナイことになるが
シグナルやアラートは好きなように取捨選択することが可能だ。

画像11










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?