芋虫「さきこ」伝ーキアゲハが教えてくれたいろいろ③

「愛おしい」
この気持ちはどこからくるのだろう。

さきこを飼って5日もすると生活の中心がさきこになった。

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最初はオーガニック育方とかなんとかいって外に出していたけれど、
心配になってついには室内にいれるようになった。

寝て、食べて、うんちをするという典型的なあかちゃん生活。
35歳、母性が止まらない。

ところが事件がおきた。

我が子を思う気持ちでインスタグラムのストーリーに上げていたら
長年の親友から

「本当にごめんなさい、
虫が苦手すぎてしばらくフォローを外します。
蝶になったらフォローするね!」

と連絡。
先輩からは

「虫を見ると死にたくなります。
名前だけで沼の真ん中にいるような気持ちになる。
虫を飼っているの、本当にすごいね

と、メッセージがきた。

さきこを愛した結果、私はフォロワーを失った。

本当に、親バカが過ぎたと反省。
虫が嫌いな友人はこのブログは絶対見ないだろうけれど心の底から
謝罪の気持ち。

はしゃぎ過ぎて、ごめんなさい。。。。

でも、その気持ち、本当にわかる。
私も、これだけさきこのことを愛していながら
実はいまだに彼女に触れられない。
情けない、けれどどうしても一歩が踏み出せない。

この恐怖心と愛着の矛盾はなんなんだろう。
調べてみると、

人間は異なる形や機能を持つ生物に違和感や嫌悪感を覚え、防衛本能が働く

らしい。

似ているものを好きになる、違うものには違和感を感じる。

よく言われている言葉だけど、それを見て
この感情こそ、いろいろな意味で社会を構成する大きな要素だなと思った。

私だって、芋虫への違和感や嫌悪感はかなりのものだった。

でもこうして生活してみると、その感情は愛へと形を変えた。
さきこはもう怖くない。
それは、さきこを毎日30分近く見つめ続けた結果だ。

嫌悪感を乗り越えるのは相手を知ることでしかない。

ただ最終的に、それを「完全に」乗り超えることの難しさも改めて感じた。

これだけ愛を持っても触れないという、本能の殻を破るのは
勇気がいることだし、自分の殻を破ることでもある。

「防衛本能」が目覚めてしまった問題はいろいろとややこしい。

私がさきこに触れられた日が、世界平和の第一歩になるんだと
そう思えた1日だった。

ちなみに、さきこはめちゃめちゃ大きくなりました。

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次回へ続く








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