経験値0から体験版を作り上げられた理由を考える

 どうも、おちょこ口です。
 昨年末に体験版を作り上げ、当初目標にしていた二つのイベントでの頒布を無事終えることが出来ました。
 声優さんの演技やBGMの出来、スクリプトの演出など、概ねスタートの時に描いたクオリティ以上のものになり、個人的には満足しております。

 スタートを切った時は、シナリオ、イラスト、スクリプト、いずれのスキルもほぼゼロのノベルゲーム作成未経験者でも、半年間走り続けて、なんとか人に遊んでもらえる程度のクオリティで形にすることが出来ました。
 まだまだ改善の余地はありますが、現状を肯定的に捉え、
 『一体何が功を奏して体験版を完成させられたのか』
 という視点で、この半年の製作を省みたいと思います。
 これからノベルゲームを作り始めたいと思っている方にとって、何かの為になれば幸いです。

※項目が多いので、2回に分けて配信します。

1 締め切りを決めて、出展表明して、逃げられない状況を作った

 下の記事は、製作の本格的なスタートを切った時に、一番初めに書いたものです。
https://forestgreen-and-lakeblue.hateblo.jp/entry/2018/08/14/210546
 この時点ではイベントCGや背景には全くの未着手でした。幸いなことにシナリオと立ち絵は終わってました。
 そんな状況なのに、「冬コミに出します!」って大口叩いてます。よくこんな無理難題ネットに書けてるなコイツ・・・。
 というふうに、イベント出展を決めてそれをネットに晒すことで逃げにくくする。なかなか勇気のいることですが、最初にやったこととしては大きかったかなと思います。
 ちなみに、この段階では「製品版を出します」と言ってますが、その辺は後で説明します。

2 毎週けつをたたき続けて、危機感を維持し続けた

 まずはこちらの画像を。

 これは残りの工数を出して、今のペースで間に合うのかそうでないのかをハッキリさせるためのものです。
 内容としては、

1. 今までの経験から、立ち絵やイベントCGを1点作るのにかかるおおよその日数を「単価工数日」として定義する
2. 立ち絵やイベントCGごとに残りの点数を洗い出す
3. 項目ごとに「点数」と「単価工数日」を乗算して、「日数」を割り出す
4. すべての項目の日数を加算すると、総工数が算出される

 という計算です。総工数を今日からイベント日までの残り日数と照らし合わせれば、現在余裕があるのか遅れているのかが一目で分かるというわけです。
 やっていることは特段凄いことでも何でもないですが、遅れているのが数字として目の前に突きつけられると、一瞬にして背筋が凍るような緊張が走ります。
 これを毎週月曜の朝やってました。土日で緩んだ気持ちを一気に引き締めてくれます。

3 今のスケジュールでは間に合わないことに早く気付き、ゴールを設定し直した

 1のブログで「冬コミに製品版を出します」と言ってましたが、その話です。
 実は当初は、冬コミに完成製品版を出す予定でした。
 今になってみればアホだなーと思いますね。4か月で、一人で、ギャルゲー一本作れるワケがないじゃない!
 と終わってみれば言えるんですが、やってる途中は(少なくとも素人には)今のスケジュールが無理を言ってるのに気付かないことが往々にしてあります。
 そんな自分に遠慮なく現実を突き付けてくれるのが、2でご紹介したエクセルです。最初にこれを作った瞬間、「あ、無理だ」ってなりました。残り日数100日に対し、必要日数250日くらいになっていたんですから。
 そういう意味では当初の目標は達成できなかったわけですが、早々に無理に気づかなかったらきっと冬コミ一ヶ月前に焦って泣き始めてたでしょう。最悪冬コミの頒布物が何も無かったかもしれません。
 2に続いて、スケジュールが無理を言ってないかのチェックを行う重要性を説いてみました。

4 プロを巻き込んで、逃げられない状況を作った

 『少女と罪』に関わってくださっている私以外の方、作曲家さんや声優さんは皆、プロの方です。出来るか出来ないかを考えず、いきなりプロの方にお願いをしました。1と共通する考えですが、その方がより逃げにくくなりますから。
 大事なのは、「それなりに責任のある人と一緒に製作をすると、プロジェクトに緊張感が生まれる」ことです。プロの方、ベテランの方を相手にすると、お粗末なものは出せません。例えば台本を新人のネット声優さんに送るのと野沢雅子さんに送るのでは、後者の方が台本の体裁や誤字脱字など厳しくチェックする気にもなります。
 うちの作品にもベテラン声優さんが出演してくださってます。出演をお願いした時点で、私はスクリプトのやり方を1ミリも知りませんでしたが、ベテランにお願いした以上「出来るか否かじゃない、やらなきゃ」ってなります。
 根性論ですが、なります。
 プロの方がプロジェクトを引き締めてくれます。

 以上、少し長くなりましたが、体験版を作り上げられた理由前編をお送りしました。
 根性論多めの内容でしたが、「緊張感を維持すること」がキーなのかなと思いました。
 わからない事がありましたら質問いただければ、私に答えられる事なら何でもお答えしますので遠慮なくこちらのメールアドレスまで。
ochokokuchi@gmail.com

本記事が、今からノベルゲームを作ろうと思ってる人の役に立てば幸いです。

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