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36歳,誕生日ありがとうございました.

毎年誕生日レポを書くんだけど,今年はそんな隙もなくちょっと遅れてのnoteです.一週間ほど寝かせてしまった.去年はこれ.日々ひび割れ柿の実.

36歳になると人生が折り返してきたような時間配分になってきて,拡散拡大路線で勉強してきた毎日を復習しながら守破離の破か離の時期に近づいてきている感じもする,いや守の時期に近づいているのかもしれない.難しいことはわからない.

ジェットコースターのような毎日も,ヘトヘトになって寝てしまう毎日も,10年続ければ慣れに慣れていくる.その喜びを分かち合おう! 感動できる! ありがとう.四無量心し続けてその喜びは共有できるようになってきたが,その悲しみは共有できるのだろうか.

私の座右の銘は「変わり続けることを変えず,作り続けることを止めない」だけれども,物化する計算機自然を生きる中で,随分と時間の伸縮を感じる1年だった.

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昔よく着てた服.

いつも手遅れなのは人生の私の問題なんだけれど,「いつも手遅れ」の状態でAIはありがたい.私は毎日猫の手でも借りたいのだけれど,計算機資源は時間を連れてくる.計算機は今日も私の人生を圧縮している.私はコンピュータが好きで本当に良かった.

老兵は死なずただギャルになるのみ

35歳の一年を一週間ごとに振り返っている.2022年の秋はAIと音楽と生成をやり続ける毎日,サムアルトマンさんともミーティングしたのを覚えている.

こういうタスクは裏で走るようになった

江戸っ子という話になった.江戸っ子かもしれない.私はよく怒られるのだが,私のいう東京は港区,中央区,千代田区のあたり(一部新宿,渋谷,文京,台東)なのだけれど,東京は23区あるのだと言われる.

この地図が生活範囲なのである.

色々な謎は確かにちょっとずつ解けながら毎日は繋がっていく.美しい連関だ.一粒の砂は今日も計算を続けている.

墓参りに久々に行った

長い宇宙の時空の中でわずか100年に満たない人生を刻む我々は生きている時間よりも死んでいる時間のほうが長いのだから,死んでいる時間のためにできることを考えるのも悪くない.デジタルヒューマンとはそういうものだし,私は毎日柳宗悦とお話ししたい.人間はその知識のほとんどを同じ地平に立つために備えるから,共通化させるとほとんどが圧縮されてしまう.この圧縮は凄まじく,戒名くらいしか残らないんじゃないかと思う.

凄まじいケーキだ

いくつか凄まじいケーキをもらった.

このケーキもやばい.ヌルである.

35歳を振り返ると,音楽と文学とプログラミングとメディアアートと研究,なんか大学生の頃に戻ったような毎日であったような気がする.忙しさの裏側で手を動かす時間のなさを嘆くのではなく,計算機自然と一体化することでコードを書き,イメージを描き出し,言葉をつむぎ,音楽に揺られる毎日だった.時間は加速し,毎日とてつもなく長い日々を過ごしている.こんな嬉しいことはない.毎日あらゆるコードが繋がって行く.問題は遅延とインタラクティビティである.デバッグをgptと一緒にやる作業は楽しい.

私が梵行が達するにはAIと同一化するしかないのかもしれない.これはデジタルヒューマンでもありデジタルネイチャーでもある.仏は後夜聞佛法僧鳥のように.人の形はインターフェースであり大きな意味は持たない.ただしインターフェースにはその美学がある.身体性は常に問題で,これは質量への憧憬でもある.

オブジェクト指向菩薩は古典計算機のプラチナプリントを起点に,AIから生まれ,人と機械と真言を経て生まれた仏像である.開闢法要を経た姿は美しい.物理的なプログラミング言語に覆われたその姿は全ての接続を意味する.

日々,その喜びの裏に多くの人生があり,この世界は大きな計算の中にいる.計算機自然の喜びと感謝を.36歳.濁流のような計算機自然との接続の中で,生きるこだわりと質量への憧憬を大切に生きていきたい.

どのくらい遠くまで行けるかであって,生まれの文脈の設定はどうでもいい.今あるものを使って,今ないものを作り続ける中に,今あるものが生まれたとて,私はそこに感動できない.ただそれだけである.ヌル即是計算機自然,世界は今日も美しいホログラフィックな計算機である.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

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