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芸人雑誌vol.10感想(最遅)

芸人雑誌vol.10を読んだ(最遅)。

ユニット特集ということで、「漫才大家族」、「漫才至上主義」、「東名阪漫才興行」(直近は東名横だけど…)、ナベンジャーズなど、よく見聞きするユニットの濃いインタビューが載っていた。

さすが芸人さん、読んでるだけなのに何度も声を出して笑ってしまうのが何回もあった。ちゃんと中身を語りながら読者を笑わせてもくださるという、なんてホスピタリティ!

例えば、「漫才大家族」のインタビューでは、ケビンス仁木さんが名プロデューサーっぷりを見せていた。仁木さんは本当にメタ思考でいろんなことが考えれるひとなんだなあと。どんな笑いが受け入れられてるか、集客はどうか、M-1グランプリにどうつなげるか、先輩のユニットはどうだったか、、、。環境分析をしながら長期的な視点でユニットを運営しつつ、自分のコンビのネタも書いて、本当に頭がいいなと思った。憧れる。こういう人間に私もなりたい。

漫談のやり手3人による「夢の島志念公演」も面白かった。折しもポッドキャスト「虚史平成」で街裏ぴんくさんの漫談に魅了されていたところだったので、嘘、本質的な主張、何を伝えたいのか、どういうスタンスで挑んでいるのか、そういうことを知れて興味深かった。今度大阪で街裏ぴんくさんのライブがあるので参戦します。

特に嬉しかったのは、白武ときおさん・河井忍さんという、ライブやGERAやX(旧Twitter)で何度も名前をお見かけする作家の方のインタビューが読めたこと。かなり興味深く読ませていただいた。あまりの活躍に
もう手練れの方なのかなと思ってたら、どちらもアラサーで自分とそんなに年齢が違わない!ひええ、(比べるのもおこがましすぎるが)本当に元気と活力をもらった。

構成作家・河谷さんの手掛けてはるライブがなんでフライヤーがおしゃれで気になってしまうのか、Twitterをさかのぼると毎回河谷さんのアカウントに突き当たるのか。すべて理由があって、創り手が汗をかいて、成し遂げられていたことなんだと知って、感激した。自分の普段の仕事でそこまでできているだろうか。

※お笑い系のフライヤーのおしゃれさは本当にすごくて、わたしは普段広告を作る仕事をしているが、凄腕デザイナーがデザインの参考にするくらいだ。

放送作家・白武さんはママタルトのYouTubeや「まーごめ180キロ」で本当によくお見かけするので、まとまった文量でお話を聞けて嬉しい。白武さんは、外の視点を持ち込んで面白いものを作りながらも、演者の気持ちや思いを大事にして、その世界観をそのまま、もっとポップにして出してくれる、というような気がする(ママタルトがそうだと思う)。マーケティング的に売れることと、作り手の魂をそのまま保って届けることと、そのバランスを取りながら、世間に接続してくれる、とてもありがたいし、かっこいい。演者のネタはもちろん人間が好き、というファンにとってはこういう作家さんに自分の好きな芸人さんを担当してもらえるのはなんて幸せなことだろう。

ラジオを聴いていると、名門のハガキ職人や大喜利erがたくさんいる。中には作家志望の人もいる(ママタルトの檜原さんがそんなことを言っていたような)。そのうち、あのラジオネームの人があの番組の担当に!?みたいなこともあるんだろうか。

わたしはテレビも漫画もアニメも見ずに育ってきてしまったから、世間のおもしろ感性や常識に取り残されてしまうことも多い。だから作家さんの存在に触れる機会も少なかった。

いままでは作家のことをよく知らず、まったくの偏見で「芸人さんの面白さにただのりして、一緒に仕事できて良いなあ」なんてひどい勘違いをしていたけど、作家さんって本当に重要なお仕事をされている。プロデューサーでありアレンジャーでありバランサー。こんなかっこいい仕事があろうか!

最近、エレかささんのインタビューも読んだ。

つくづく、作家さんがいてくれるおかげで、芸人さんの面白さが世の中に届いていることだろう。

マーケティングと企画構成と魂へのリスペクト。私の仕事はエンタメ業界ではないけれど、自分の仕事にも通ずるプロフェッショナルの言葉を聞けて、すごく大満足な一冊だった。

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